山村智美の「ぼくらとゲームの」

連載第150回

「テトリス99」の面白さとEVO Japanの熱戦と、良いものたくさんなのでどちらもお伝えしていく話

この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。

この1週間は、EVO Japanの開催に、「Nintendo Direct 2019.2.14」でサプライズ配信された「テトリス99」の盛り上がりと、いろいろ熱い1週間でしたねー。

まずはEVO Japan。今年も3日間に渡って熱い試合がたくさん繰り広げられましたね。

「ストリートファイターV アーケードエディション」では、ももち選手とふ~ど選手のグランドファイナルとなったわけですが、

まぁ、見応えがあるというか、息の詰まるような戦いで、

ボクはももち選手のクレバーさというか、覚悟の決めように驚くばかりでした。

今年のEVO Japan「ストリートファイターV アーケードエディション」でグランドファイナルまで勝ち上がったのは、ももち選手とCygames Beast ふ~ど選手

ルーザーズから勝ち上がってきたふ~ど選手のバーディーが3試合を取ってリセットに持ち込んだあたりまでは、「このふ~ど選手のバーディーをなんとかするのは厳しいよなぁ」という空気に包まれていたと思うのですが、

そこからのももち選手の立ち回りは、狙いを絞りに絞った、強い覚悟の感じられるクレバーな試合運びでした。

猛威を振るうふ~ど選手のバーディー! ルーザーズからのビハインドを3試合勝利で跳ね返し、リセットします
リセット後、ももち選手は目を伏せ、静かに考え込みます。が、そこから取った対抗策は非常にクレバーなものでした

ももち選手は、スナイピングキックを振ってクラッシュカウンターを狙いつつも、自分から先手で仕掛けることは決してせず。ふ~ど選手の大P振りの戻りに差し込むなど、チャンスが来るまではひたすらに距離を保ち続けます。

中段を意識しつつのしゃがみガードでただひたすらに我慢し続けるという場面も多く、時にはほぼ投げ間合いの密着になっても、それでも動かずにじっと見るというシーンすらありました。

そうして、数少ないチャンスの時にはきっちりダメージを取っていき、じりじりと流れを自分の方へと引き寄せていくその粘り強さときたら、ものすごい集中力ですよ。

ももち選手のその忍耐強さ、クレバーさ、あれだけの大舞台で極端とも言えるほどに狙いを絞った戦い方を迷いなく実践し続けられる意志の強さ。

ゾッとするものがありました。

だんだんとももち選手に流れが出てきたことに盛り上がるなか、ボクはどちらかというと、ももち選手の鋭さに恐ろしさを感じていました。

他の大会等ではあまり観られない種類の“凄み”を感じさせるプレイでした。

ももち選手は、スナイピングキックを振って差し合いをしつつも、他には自分からは攻めることはせず、チャンスが来るまで危険な状況をひたすら耐え続けます
ももち選手の忍耐強さと粘り強さが最も出たセットでは、この体力差から逆転勝ちまでもぎ取りました
逆境の流れを強い意志ではねのけ、見事優勝を勝ち取ったももち選手。恐ろしさを感じるほどのプレイでした!
evoのEVO Japan 2019 - Street Fighter V Grand Finals - Momochi vs Fuudoをwww.twitch.tvから視聴する

さてさて話題は変わりまして、この1週間の大きなトピックと言えば「テトリス99」ですね。

「Nintendo Direct 2019.2.14」でサプライズ配信されたNintendo Switch Online加入者限定のオンライン対戦ゲームですが、

まぁ、これが面白いんですよ。

99人のプレーヤーが同時に「テトリス」をプレイし、互いを攻撃しつつ最後に残る1人を目指していく、いわゆるバトルロイヤルもの。

これまでバトルロイヤルものと言えば、「PUBG」、「フォートナイト」、今年の新鋭「Apex Legends」などなど、TPS/FPSのシュータージャンルの派生系タイトルだったわけですが、

「テトリス99」の登場によって気づかされましたよね。

“バトルロイヤルはいろんなジャンルでできる”っていうことを。

斬新な発想というか、灯台もと暗し的というか。

「新しいバトルロイヤルゲームを作ろう!」という企画から、題材を「テトリス」にするというアイデアなのか、

それとも「テトリス」の新作を作るということで出てきたアイデアがバトルロイヤルだったのか。

どちらだったのかも気になるところですが、いずれにせよ「斬新だなー!」って思います。

自分を入れて99人で「テトリス」! 斬新なアイデアですが、これが絶妙な面白さ

遊びこんでみると、自分を狙っている人数が見た目にわかりやすかったり、たくさんの相手に狙われていてもちゃんと攻撃のバランスが取られていて、がんばり次第でなんとかなったり、バトルロイヤルならではの仕組みも上手くできています。

それになんと言っても、残り10人を切ったあたりからの緊張とテンションの高鳴りが混ぜ込ぜになっていく独特なカタルシスが、バトルロイヤルの醍醐味満載で、たまらない面白さです。

サクッと遊べるところと、サクッと遊べるがゆえに「もう1回!」を何度でも続けてしまって、止めるタイミングを見失うところも、バトルロイヤルの良さがしっかり出ていますよね。

残り10人を切ってからのカタルシスと勝てたときの嬉しさは、まさにバトルロイヤルならでは!

この「テトリス99」という成功例を体験すると、いろんなジャンルのゲームをバトルロイヤル化させることもできるだろうなと感じるところもありますよね。「テトリス」同様の落ちものパズルはもちろん、シューティングゲームや横スクロールアクションだって、耐久レースのようなスタイルのバトルロイヤルにできそうです。

もしかしたら、「テトリス99」を機に新しいバトルロイヤルゲームの可能性が広がっていくのかもしれませんね。

というわけで、Nintendo Switchをお持ちの人で、まだプレイしていないという人はぜひ「テトリス99」プレイしてみてもらいたいなと思います。

ではでは、今回はこのへんで。また来週。