山村智美の「ぼくらとゲームの」

連載第106回

PlayStation VRフル対応した「ワイプアウト」のトランス感が凄かったり、「ドラゴンクエストVR」にぱふぱふを期待する人多数で凄かったりの話

この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。

あっという間に時が過ぎて、日々の寒さもいつの間にやら暖かくなって、気がつけば4月。2018年度の始まりです。

今年というかここ1年は、長年時代と共にあったいろんなものが次々に終わってしまって、ちょっと辛いですね。

僕もそれらの最後をしっかりと楽しみました。最後でも面白くて、最後だから悲しかった。

ゲームも含めて、エンターテインメントというものの在り方、特に日本の中でのものを今後にどう取り組んでいくべきかが、とても難しい時代になってしまったなと思います。

僕がある人から教わった、作品作り、物語作りのコツというか大事にすべき事というのがあるのですが、それは「最初に“これだ”と思えるシナリオが仕上がったら、その先の工程で誰に何を言われても変えない方がいい」っていうものでした。

下手にいじると整合性がとれなくなったりして迷走するからというのもありますが、それ以上に“納得できるものにならなくなる”ことが良くないんだと。作品作りの根っこにあるモチベーションに関わりますし、人に言われたことで自分の作ったものをねじ曲げてしまったら、ぼやけて、大切なものを失ってしまうから。

そういうアドバイスでした。

大切なものを貫き通すのがとても難しい時代とは思うのですが、これから何かしらのエンターテインメント作品を作っていこう、関わっていこうという人は、世間に合わせないといけないんじゃないか叩かれるんじゃないか……と怯えることなく、あえて言うなら媚びずに。信じるものを作って、世の中を驚かせて、楽しませて欲しい、そして自分自身も楽しんで欲しいなと思います。

元々は、その文化をこれからも長く楽しめるものにするため、守るために作られたルールが、その後の作品作りにとって足枷となり、その文化の魅力は窮屈さによって陰っていき、衰退させていく。そういうことも少しずつ、バランスを取り戻していって欲しいと思うばかりです。

あぁ、なんだか真面目なことを書いたら疲れちゃったので。ここからはいつものトーンでだらだら書いていきますよー。

ゲームシーンのここ1週間の話題ですと、やっぱり「PlayStation VR」(PS VR)の価格改定、つまり値下げの話題が大きかったんじゃないですかね。

海外では先行して販売価格に値下げの傾向が見られていたのですが、国内でも約1万円値下げされて、34,980円になりました。

まぁこの手の値下げの話題だと、値下げの直前に購入したという人の悲しみがつきものですが……。

僕も過去にいろんなものを買って直後に値下げされたなんていうのは何度もあるので、そういう経験を何度かした結果、「どうせ買うのなら早いタイミングで買う」という、購入後に楽しむ時間を長くすることを重視したスタンスにしています。

中途半端な時期に手を出すのは、値下げとか新モデルの発表が怖くてやっぱり嫌ですよね。それならいっそ、できる限り早いタイミングで買ってしまおうという感じです。

一方で、今回1万円値下げされたことで、様子見していたけど気になっていたという人にも、買おうかどうしようかと悩むタイミングがきましたよね。

そんなこのタイミングに、僕が楽しんでいるのがこちら!

「Wipeout Omega Collection」

長年ゲームと付き合っている人ならおそらく誰もがご存じ「ワイプアウト」。

反重力で飛ぶように走るクラフトに乗り、近未来感が溢れかえっているハイスピードレースを楽しむシリーズで、この「オメガコレクション」は、「Wipeout HD」、「Wipeout HD Fury」、「Wipeout 2048」の3作品をリマスター収録したPS4版です。

「ワイプアウト オメガコレクション」自体は2017年の6月8日に発売されていたのですが、今回3月28日の無料アップデートでPS VRに完全対応したんですね。

全コース、全モードのVRフル対応! しかも無料アップデート! 太っ腹。

ちなみに昨年にリリース済みだったこともあって「セールの時に買っておけば良かった!」なタイトルだったりするですが。これもまたあれですよね、気になったときが買い時だ! 買っておけ的なお話ですかねー。残念ながら僕もセールの時には買っておらず、数日前に定価で買いました。

で、いざプレイしてみると、めっちゃ楽しいですよ「ワイプアウトVR」。

PS VRで楽しめるレースジャンルとして、特にドライビングシミュレーション的なものではなく、レースゲームという方向のVRタイトルとしては、今のところ最高峰ではないでしょうか。

VRならではの「世界が現実のような大きさで見える」という良さで、ソリッド感溢れるSFテイストのコースが描かれ、そこをこれまた実在感のあるコックピット視点から眺め、疾走していく。

耳にテクノが流れるなか非現実的なSF都市を走っていると、他にはないトリップするような気持ち良さが高まっていきます。

プレイする前は「『ワイプアウト』をVRでやったら酔いまくりなんじゃないかな!?」とも思っていたのですが、全然酔わないです。コックピット視点から乗り物を自分で制御するっていう類のものは基本的に酔いにくいようですけど、それ以上に酔い対策の工夫をいっぱいしているのだと思えます。

オプションにも酔い対策になる視野制限や、水平を保つ(空中1回転のバレルロールのときなど)という項目もあって、かなり気を配っているのが感じられるところ。僕は全部の酔い対策をオフにして、全開プレイをしていますが、それでも全然酔わないですね。すごくいい感じです。

解像感も良くて、グラフィックスがかなりキレイなのも嬉しいところで、元がリマスター作品なだけに、要求するスペックとのバランスに無理がないのかもしれません。

さらにやばいのが「Wipeout 2048」のゾーンモード。徐々に最高速度が上がっていくなか、シールドエネルギーが0になるまでひたすらに走り続けるというモードで、このゾーンモードではグラフィックスも8Bit風というか、デジタルサイケデリックでトランス感満載なテイストになります。

PS VRでプレイするこのゾーンモードの「このまま走り続けたらどこかにたどり着けちゃいそう」感はかなりのもの。

他にも今週は、PSVRではなくアミューズメント施設限定ですが、東京・新宿にある「VR ZONE SHINJUKU」で楽しめる新アクティビティ「ドラゴンクエストVR」も発表されて話題となっていますね。

□「ドラゴンクエスト」がVRになって「VR ZONE SHINJUKU」に登場!
 4月27日より稼働開始。パーティを組み、仲間と協力してゾーマ城を目指す
https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1114994.html

VRに「ドラゴンクエスト」っていうアグレッシブな組み合わせに驚きの声がツイッターなどのSNSでもたくさん観られますけど、

「ドラクエVRにぱふぱふVRを期待する人々」

なんていう声もあったり。しかもたくさん。

……もしあったとしても、VRであのオチを体験すると、わりと本当にイラッとする人もいるんじゃないだろか?

とか思ったりしますけど。

ともかく、「ドラゴンクエストVR」がどんな内容になっているのか。こちらも楽しみですね。

ではでは、今回はこのへんで。また来週。

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