山村智美の「ぼくらとゲームの」
連載第84回
PlayStation VRの新モデルに買い換えたら、想像していたよりも扱いやすくなっていて良い感じな話
2017年10月18日 12:00
この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。
PlayStation VRの新モデルに買い換えてみたんですけど、これがなかなか快適なんですよ。
先週末の10月14日にはPS VRの新モデルが発売されたわけですが、僕もその日は某家電量販店に行きました。
さすが新モデルの発売日ということでPS VRの在庫がたっぷりありましたし、しかも本体だけでなくコントローラーのPlayStation Moveとか、PlayStation VR シューティングコントローラーの在庫までも揃ってました。
いやぁ、この3つの製品はどれも品薄続きでしたから。
これらが同時にたっぷりと在庫のある光景なんて初めて見ましたねー。
PS VR本体自体は都内だと、ここ1、2カ月は週末とかに在庫があるのをちらほら見かけるようにはなってきていたんですけど、とはいえまだまだレアアイテム状態。
東京ゲームショウ2017で行なわせて頂いたSIEJAプレジデント盛田厚氏へのインタビューでは、生産体制を増強して10月中旬ぐらいから出荷されていくということでしたので、今後はいよいよ“お店でいつでも買える”に近づいていくかもしれませんね。
余談ですけど、そうなると次に入手に苦労するのは「PlayStation VR シューティングコントローラー」ですかね。PS VR新モデル発売と同時にシューティングコントローラーも再版されて、少しだけ価格が落ち着いたようですが、まだまだネット通販ではプレミア価格状態です。
こちらはPS VR専用コントローラーという周辺機器だけに、需要と供給のバランスが計りづらいでしょうし、PS VR本体と一緒に買うとなると金額がかさむので最初は様子見しておくものの、PS VRの面白さを味わっていくうちにだんだん欲しくなってきたりするという、時間差で需要が高まってくるようなところもあるアイテムなんですよね。
そんなところもあって、なかなか欲しいときにすぐ買えるものにならなそうなのが苦しいところですが、PS VRを楽しんでいくといずれ欲しくなるとは思いますので、余裕があるときに手に入れておくのが吉な感じです。今は対応ソフトは「Farpoint」のみですが、今後ですと2人1組でステージを進めていくFPS「Bravo Team」の発売時などがおそらく入手できるタイミングになると思いますので。再版のタイミングを逃さぬよう、チェックして頂きたいところです。
というわけで本題のPS VRを前モデルから新モデルへと買い換えてみての話に入りましょうー。
旧モデルからの変更点としては、
・VRヘッドセット後部にステレオヘッドフォン端子を配置
・電源ボタンや音量調節ボタンのあったリモコンがなくなり、各ボタンはヘッドセットに搭載
・ヘッドセットとプロセッサーユニットをつなぐケーブルが1本のスリムケーブルに
・プロセッサーユニットがHDR映像のパススルーに対応
といったところになります。
外観的な大きな変更はないので、いわゆるマイナーバージョンアップという表現に収まるのですが、実際に使ってみるとこの改善が結構大きいと思えるものだったんですよ。
1番大きいのは、“ヘッドセットとプロセッサーユニットをつなぐケーブルの変化”ですね。前モデルですとそのケーブルにはボックス型の接続部があって、2本のケーブルをまとめている重さのある太いケーブルごとヘッドセットを取り出さないといけなかったわけですが、
これが普通のUSBケーブル程度の細いものになって、ボックス型の接続部もなくなり、リモコンもなくなったので、USBケーブルを繋いだDUALSHOCK 4を手元に持ってくるぐらいの感覚にだいぶ近づきました。
リモコンがなくなり、リモコンに繋ぐ構造だったヘッドフォン端子ごと、ヘッドセット本体に搭載されたのも大きいですね。PS VRを被っている最中に使うリモコンですからケーブル途中にあるリモコンを手探りに使うよりも、ヘッドセット本体に電源や音量調節のボタンがある方がずっとわかりやすいですよね。リモコンがなくなったことでケーブルもスッキリしました。
ステレオヘッドフォンも、前モデルですとそのケーブル途中にあるリモコンに繋ぐ方式だったので、リモコンや接続ケーブルにヘッドフォンのケーブルが絡まったりしていたのですが、ヘッドセットに繋ぐようになったので解消されました。
あくまでも前モデルをベースにした細かな改善ではありますが、なにしろVRデバイスの性能やゲーム体験もさることながら、まずは装着の手間や取り扱いがおおげさになるところをどこまで軽減できるかは重要です。この新モデルはそこがだいぶ良くなってるのが大きいです。
プロセッサーユニットがHDR映像のパススルーに対応したことで、4K/HDR環境でもHDMIケーブルを差し替えなくても良くなったのも、もう書くまでもないぐらい大きな改善ですね。これについてはもう、前モデルでも最初からこうなってくれていれば……という思いのある方もたくさんおられると思います。
ちなみに実際に新モデルを使ってみると、装着感というか、焦点を合わせる微調整加減に少し違いを感じるところがありました。PS VRをはじめとしたVRデバイスは被る角度を合わせてないと画面がぼやけてしまうんですけど、この新モデルは僕にとっては焦点を合わせやすくなったと感じます。
といっても、このお話は個人差がだいぶありそうなのですが、僕の場合は前モデルですと深く被ってから、少しだけ持ち上げる感じで角度を調節しないと焦点が合わなかったのですが、新モデルだと最後の持ち上げ調整なしで合います。焦点の合う角度が微妙に変わっているのか広くなっているのか。画質には違いは感じないのですが、調節が楽になったことで焦点のあったキレイな画面を楽しみやすくなったと思えます。
というわけで、新モデルに買い換えてみたところ、なかなか満足度が高いんですよ。
先週のこのコラムで触れたり、ゲームレビューも書かせて頂きましたPS VR専用タイトル「V!勇者のくせになまいきだR」もPS VRの魅力をグッと引き出せしてくれる良作ですので、合わせて楽しまれている人も多いのではないでしょうか。オススメですよー。
今後には、スーパーヒーローになってエイリアンと戦ったり、惑星のすみずみから宇宙までも飛び回れちゃう意欲作「Megaton Rainfall」が、すでに海外ストアでは販売開始されていますし、
音楽ゲームの「DEEMO」も、PS VR版のティザーPVが公開されています。まだPS VR版にどんな特徴があるのかは分からないですが、VRの中で遊ぶ音ゲーということで「V!勇者のくせになまいきだR」に見られるような“既存ジャンルがVRで進化する”ようなところがあるといいなと、楽しみだったりしますねー。
ではでは、今回はこのへんで。また来週。