山村智美の「ぼくらとゲームの」
連載第77回
何回繰り返しプレイしているのかわからないぐらい好きな「ファイナルファンタジーVI」の話
2017年8月30日 17:10
この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。
かつてゲーム好き、特にRPG好きは「『ファイナルファンタジー』シリーズの中で最高傑作はどれだと思う?」という話題で延々と語り合ったものでした。
先週、Newニンテンドー3DS/3DS LL/2DS LL専用のスーパーファミコンバーチャルコンソールに「ファイナルファンタジーIV」、「V」、「VI」をはじめ12作品が配信されました。
それらバーチャルコンソールタイトルをはじめ様々なタイトルがセール価格で購入できたり、プリペイドカードやポイントチャージがお得になるキャンペーンも行なわれているので、ここぞとばかりにがっつり購入したという人も多いのではないでしょうか。
ちなみに僕は、「ファイナルファンタジーIV」、「V」、「VI」に「伝説のオウガバトル」、「ロマンシング サ・ガ2」を購入して、なんだかホーム画面にアイコンが並んでいるだけでホクホク気分。
お得に買えるうちに、もうちょいニンテンドーeショップにポイントをチャージしておこうかなと検討中です。キャンペーンは9月3日、4日までやっているので僕と同じように検討中という人は忘れずに。
さてさて、
そんなバーチャルコンソールタイトルの中で、真っ先に購入したのが「ファイナルファンタジーVI」です。
僕はこれまでお仕事でも「ファイナルファンタジー」シリーズを扱わせて頂くことが多いのですが、「ファイナルファンタジー」シリーズの中でなんといっても「VI」が1番好きなんですよ。
「ファイナルファンタジーVI」がスーパーファミコンで初めて発売されたのは1994年の4月2日。もう約23年前の話ですけど、その日すぐに購入し、そのパッケージを手にしているだけで大興奮していたのを覚えています。
オープニングのタイトル画面も、それまでのシリーズとは違って少し重々しい雰囲気と曲になっていて、何かこれまでの作品とは違うものを感じさせるものがありました。
そこから始まった「ファイナルファンタジーVI」初プレイの日々は、最高でしたね。魔導の力を持つ少女ティナを中心に、様々な仲間が登場し、その1人ひとりにエピソードがあり、そしてある時を境にバラバラに別れ、再び希望を胸に集っていく。(その構図は、少し「ドラゴンクエストXI」にも通じるものがあると思います)
今でも頂点と言えるドット画のグラフィックス、廃退的なテイストの混じる楽曲の数々。
エドガーとマッシュのコイントス、オペラハウス、飛空艇ファルコンの復活と共に流れる楽曲「仲間を求めて」……。
エンディングを迎えた頃には、「ファイナルファンタジーVI」が自分にとって忘れることのない最高の作品となっていました。
こういう話で大事なのは、“その人の人生の中で1番良い時代に触れた作品はいつまでも心に残る”ということです。僕の人生の中で1番楽しかった時期に「ファイナルファンタジーVI」があったわけで、その時代の音楽も映画もゲームも、いずれも今でも好きな物ばかり。
同じように、人それぞれに自分の1番楽しかった時代を彩っていた作品があり、今でもそれらが大好きという人も多いのだと思います。
僕にとって「ファイナルファンタジーVI」は、そのピーク、頂点の作品になったというわけですね。
そんなことも踏まえつつですが、「ファイナルファンタジーVI」の僕への刺さりっぷりは凄まじく、初プレイ以来、「またやろうかな」と思うたびに最初からプレイし直すようになっていきます。
だいたい年に1回はNewGameでプレイしなおすようになり、それからプレイステーションへの移植版が出たり、ゲームボーイアドバンス版が出たりなどもありつつ、何度も何度もプレイしていくことに。回数をしっかりとは数えていないですが、20~30回ぐらいプレイし直しているのだと思います。
そして、今回のNewニンテンドー3DS/3DS LL/2DS LL専用バーチャルコンソールでの「ファイナルファンタジーVI」も、やっぱりプレイしているというわけで。
「ファイナルファンタジーVI」は最近だとスマートフォン版をプレイして以来となったので、オリジナル版は結構久々のプレイとなったわけですが、やっぱり今プレイしても素晴らしいの一言に尽きます。
シリアスさとコミカルさのバランス、それを見せていくテンポの良さ、グラフィックスの色合い、それにあった楽曲。いずれもどこかもの悲しげな繊細さがあって、センスに満ちていると感じます。
僕にとって「ファイナルファンタジーVI」は、ゲームのおもしろさ、特にRPGジャンルの魅力を考えるときの軸であり、指針になっているのかもしれません。
自分なりにくっきりと答えが見えていた「ゲームの良さってなんだろう?」というものが、たまにモヤモヤしたりすることもあるのですが、「ファイナルファンタジーVI」をプレイすると霧が晴れるんですよね。
ゲーム好きなみなさんにもそれぞれに、そういう“自分の1番好きな時代の好きな作品”があると思います。僕が「ファイナルファンタジーVI」をことあるごとにプレイし直すように、かつて大好きだった作品を改めてプレイすると、忘れていた何かを思い出すかもしれません。
それにしても、「ファイナルファンタジーVI」の発売は1994年と23年前。まさか23年後にも、違った形で購入して楽しむことになるとは、当時は夢にも思わなかったですね。
当時の自分に、「このゲームボーイが進化した孫みたいな3DSってゲーム機で『FFVI』も遊べるんだぜ」なんて見せたら、「未来すげーな!」って大興奮すること間違いなしでしょう。
ちなみに10月5日発売予定の「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」にも「ファイナルファンタジーVI」は収録されるんですよね。僕はそちらも買いたいですし、購入したらやっぱり、「ファイナルファンタジーVI」をプレイするだろうなと。
……これから先、あと何回「ファイナルファンタジーVI」を買うことになるのでしょうか。
そんなわけで今回は、New3DS/2DS専用バーチャルコンソール版の配信をきっかけにした、「ファイナルファンタジーVI」大好き話でした。未プレイの人はぜひプレイしてみてもらいたいです。
ではでは、今回はこのへんで。また来週。