山村智美の「ぼくらとゲームの」

連載第94回

2017年を振り返えると、やっぱりNintendo Switchのタイトルリリース継投リレーがすごかったなと思う話

この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。

残すところ数日で2017年も終わりですよ。いやーあっという間ですね。年末年始に遊びこむゲームはもう決まりましたか?

ちなみに僕は「12月あたりの話題作をプレイしてそのエンディングをクリスマスに見て楽しむ」

というのを毎年のようにやっていまして。

今年はクリスマスに向けてプレイの進み度合いを調節していた「ゼノブレイド2」のエンディングを迎えました。

これがもうね、素晴らしかったんですよ。

同じく「ゼノブレイド2」のエンディングまでプレイしましたという人ならきっと、僕の言いたいことや気持ちがビシビシと伝わると思うのですが。

良かったですよね、あれ。またこれが歌詞と合わさって、ねぇ……もうたまらんかったよね!

あぁ……これ以上はネタバレになるので書けません。残念。

個人的には、「ペルソナ5」、「NieR:Automata」、「ゼノブレイド2」と、この3作が甲乙つけがたいほどにどれも素晴らしかったなぁと思います。RPG好きゲーム好きの人にはいずれもぜひ最後までプレイしてもらいたいところです。

エンディングを迎えて、僕の2017年の心に残る良作筆頭に躍り出た「ゼノブレイド2」。ビャッコの驚き顔めっちゃ好き。クリスマスに照準を合わせてプレイしているゲームのエンディングを迎えると、感動もあって充実した気持ちになるのでオススメですよ

さてさて、今回が今年最後ということですので、ここからは2017年を振り返っていきたいと思います。

今年の話題と言えば……やっぱり「Nintendo Switch」が真っ先に上がりますね。

印象の強さや、1年を通して人気が過熱し続けたという意味でも、2017年はNintendo Switchの年だったなと思えます。

入手困難が1年中続くことになった「Nintendo Switch」。2017年の話題というと、やはりこれですかね

Nintendo Switchのこの1年の展開を振り返ってみると、「年間を通してその時期に1番適したタイトルを提供し続けた」というところが特に素晴らしかったと思えます。

まず、3月に本体発売のローンチタイトルには、新ハードをすぐさま購入するアーリーアダプター(新しいものに進んで手を出す)のコアなゲーム好きの人たちに適した「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」が発売され、それが見事なまでにがっちり刺さって高評価されたところ。

アーリーアダプターなコアゲーマー……長いんでアリコアゲーマーとでもしておきましょうか。

僕の想像するアリコアゲーマーな人のイメージでは、「マリオ」も好きだけど「ゼルダ」はもっと好きなんですよね。「マリオ」シリーズはファミリー向け色の強いド定番タイトルですが、アリコアゲーマーは1人がっつりと遊びこむ時間を好む人であり、年齢もそこそこ高めで、「ゼルダ」の方に手が伸びるという。

ゲームニュースメディア関係の人もこういう属性な人が多く、僕もそういうタイプの人であり、上に書いた好みやプレイスタイルはなんなら僕のことだったりするんですけど。

そんな世界中のアリコアゲーマーが「『ゼルダの伝説 BotW』すげー面白いぞっ!これ遊んでおかないとやばいぞっ!」ってなったわけで。

そこから広がるNintendo Switch関連のニュースやレビューにも勢いがつき熱量が高まります。最初の情報発信源になる人の心をがっちり掴んだわけですね。

そこからの“勢いの繋ぎ方”も見事でした。

それらを読んだり見たりして、少しゲームから遠ざかっていたものの情報はチェックしていた大人のゲーム好きや、しばらくスマホアプリが中心になっていたゲーム好きの若い人もNintendo Switchに手を伸ばし、

勢いがつき始めた頃には、定番の1本「マリオカート8」に、新機軸対戦アクションの「ARMS」発売されて本体入手がさらに難しくなり、

夏休みの始まりに合わせて、子供を中心に高い人気を誇る「スプラトゥーン2」、

9月には「ファイアーエムブレム無双」、

10月には満を持して大人も子供も楽しめる「スーパーマリオ オデッセイ」、

そして年末にはRPG好きを唸らせる「ゼノブレイド2」。

もちろんこの他にも任天堂以外のメーカーも含めて様々なタイトルがありましたし、インディーズやダウンロード専売タイトルも勢いに乗って元気だったわけですが、

任天堂タイトルのみを見ても、まずアリコアゲーマーをしっかり満足させてから、時期に合わせて、キッズの心を掴み、ライト~ミドルなゲーム好きの心を掴み……そういうタイトル発売のリレーを繋げたのが見事としか言いようのないものでした。

もちろん、この全ては最初の1歩であった「ゼルダの伝説 BotW」が優れたゲームだったことが大きいです。

世界中の各メディアが選出するゲーム・オブ・ザ・イヤーも、「ゼルダの伝説 BotW」の受賞数が伸びつづけているようで。今年の最多ゲーム・オブ・ザ・イヤー獲得タイトルはやはり「ゼルダの伝説 BotW」じゃないでしょうか。

任天堂タイトルをほぼ毎月のように、そしてそのタイトルを遊ぶであろうユーザー層に合わせて販売タイミングを上手く繋いでいった「Nintendo Switch」。これは任天堂にしかできない展開だと思えます

あらためて言うのは今さらですが、

Nintendo SwitchがTVモード/携帯モードのデュアルで楽しめるハードであることも、やっぱり強いですね。

テレビがかつてのような生活必需品レベルの製品ではなく、スマホ時代になってPCやモニターもないという人が増えているなか、そこにNintendo Switchのコンセプトはしっかりマッチしています。

テレビはそれこそ、かつては家電の三種の神器のひとつと呼ばれ、1家に1台どころかそれ以上ある家庭も多く、家庭用ゲーム機はその前提があってこそテレビに繋げて遊ぶものとしてすんなり楽しめたわけですが、

ネット時代にはテレビを見ない生活をする人が現われはじめ、テレビはないけどPCモニターならあるという人も少し増えたわけですが、今のスマホ時代になるとPCも使わないという人が増えて、テレビもモニターもないし、必要と感じないという人が増えています。

そういう生活スタイルな人にとって、据置ゲーム機を遊ぼうとすると一緒にテレビかモニターも買わなくてはならないので、出費面のハードルが高いんですよね。

そこにきて「Nintendo Switch」ですと、そうしたテレビ/モニターがないという人でもまずは携帯モードでプレイできますし、外出先へ持ち運びもできる。逆に、大きなテレビ/モニターでプレイしたいというプレイ設備が整っている人もOKというわけで、両方の層にスムーズにアプローチできているのが強いです。

そんなわけで、今年の流れを経て「Nintendo Switch」を考えると、いいところ取りをしまくっているバランス感覚の優れたハードであり。そのハードに、これまた時期のバランス感覚が優れた発売スケジュールが噛み合った結果、大きな人気に繋がったと思えます。

Nintendo Switch版「マインクラフト」をよゐこの2人がプレイして大人気となったネット番組「よゐこのマイクラでサバイバル生活」。12月28日には一挙放送とシーズン2最終回が配信されるので、こちらもお見逃しなく。本当の無人島サバイバル生活も地上波でありますよ!
「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」も発売されました。当初は品薄になりましたが、この年末はNintendo Switchと共にものすごく大量に出荷されているようで、任天堂の意地を感じるところ

「Nintendo Switch」が話題となった一方で、他のハードの展開は比較的順当、もしくはおとなしめな印象の年になっていたかなと思えます。

ただこれは、昨年から今年初頭までに大型のタイトルが立て続けに発売され、少し落ち着きが出る“折り返しのタイミング”になったことが大きいでしょう。

「Nintendo Switch」のヒットは、他ハードが折り返しのタイミングになった今年にスッと発売されたところも理由だと思えます。

そうした1年だったなと思いつつも、なにしろ今年は「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」がありましたし、ほかにもエッジの効いた粒ぞろいなタイトルが多かったなぁと思います。

特に印象深いものをピックアップしていくと、

通常プレイ&PS VR両対応であり、充実度も完成度も高い「バイオハザード7 レジデント イービル」。

退廃的なセンスとストーリーや楽曲の魅力が光る「NieR:Automata」。

DLC展開も完結しシリーズの終焉をみせた「DARK SOULS III」

前作からの伏線や謎を見事に活かしきり屈指の良作となった「大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-」。

このあたりがパッと思い浮かびます。特に「大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-」はこの連載では書きそびれちゃったのですが、プレイしたらものすごくいい作品でした。前作未プレイなら、1と2を合わせて一気にプレイするのがいいかもしれません。オススメです。

「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」
「バイオハザード7 レジデント イービル」
「NieR:Automata」
「DARK SOULS III」
「大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-」

この他にも、がっつり遊びこめるゲームという点では、

「ヒットマン ザ・コンプリート ファーストシーズン」

「仁王」

が今年は特に良かったですね。若いアクションゲーム好きな人に「仁王」、渋い大人ゲーマーな人には「ヒットマン ザ・コンプリート ファーストシーズン」っていう感じでしょうか。

「ヒットマン ザ・コンプリート ファーストシーズン」
「仁王」

発売から1年が過ぎて2年目に入った「PS VR」ですが、個人的にはVRでしっかり遊びこめるタイトルがちょこちょこと出てきて、2年目に入ってからの最近、いい感じになってきているのではと思うことが多いんですよ。本体もようやく購入しやすくなりましたしね。

その中でもこれはプレイしてもらいたいなというのをピックアップすると、

「バイオハザード7 レジデント イービル」

「The Elder Scrolls V: Skyrim VR」

「V!勇者のくせになまいきだR」

「Farpoint」

このあたりでしょうか。しっかり遊びこめる上に“VRならではのプレイ体験”も充実している作品です。

なかでもやっぱり、最近PS VRを買ったという人には「バイオハザード7 レジデント イービル」をVRモードでぜひプレイしてみてもらいたいですね。あの家の中に入るのすら、恐ろしくなりますよ、ホントに。

VRでしかできないゲーム体験というのは他と比べようもないものですし、来年にどういうタイトルが出てくるか次第ですが、PS VRはじわじわと伸びていくのではと思います。

10月14日には新モデルが発売されて品薄もほぼ解消された感のあるPS VR。遊びごたえのあるタイトルも徐々に現われはじめ、1年目よりも2年目の最近にいい感じになってきていると思います
「The Elder Scrolls V: Skyrim VR」
「V!勇者のくせになまいきだR」
「Farpoint」

さてさて。そんな2017年でしたが、来年がどんな年になるのかを想像してみると、いろいろと今年とはだいぶ様子の異なる1年になるのではないかなと、個人的には予想しています。

発売されてからしばらく経っているハードは値下げが期待される時期に入るのかなと思いますし、その次の新ハードの影も見え始めるかもしれません。最近の傾向ですと、来年に発表されてから2019年末や2020年頃に発売されるというあたりが濃厚なのではないですかね。

ほかにも、有名な大作シリーズに新しい動きが出てきたり、今は誰も予想できていないような驚きの展開なども、あるかもしれませんね……。

2018年がどんな1年になるにしても、心に残る良いゲームがたくさん出てきて欲しいばかりです。

そんなわけで、今年もこれで締めくくり。

いろいろと“ゲームシーンの変化”を見せて、僕らを楽しませてくれた2017年がいよいよ過ぎ去っていきます。

ありがとう2017年。忘れない。

ではでは、今回はこのへんで。よいお年を!

【お知らせ】
1月3日は連載をお休みさせていただきます。次回掲載は1月10日となります。