山村智美の「ぼくらとゲームの」
連載第73回
3DSの2Dモードで「このシーンは3DモードやPS4版だとどんな表現なんだろう!」と想像しつつ「ドラゴンクエストXI」をプレイしている話
2017年8月2日 12:05
この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。
勇者してますか?
「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」が発売されましたね。
スタンダードなRPGの「ドラゴンクエスト」は、「X」はオンラインゲームでしたので「IX」以来とすると、およそ9年ぶり。
「ドラゴンクエスト」シリーズを遊ぶのは久々という人、または初めてという人、そもそもコマンド選択式RPGをプレイするのが久々という人もたくさんいると思うのですが、プレイするとやっぱり、その安定感のある面白さに引き込まれるものがありますね。
疲れを感じることもなく、気がつくと長時間たっぷりプレイしてしまう。
そんなとっつきやすくて柔らかいテイストの面白さ。
一方で、システム面はそうなんですけど、物語を中心とした中身の方は、コミカルさが混じりつつも少し鬱展開というか悲劇を描く場面もあったり、エピソードによってはちょっと考えさせられるもの、後を引くものなんかもあって。
「あぁ、この感じ! 町によっては結構えげつない話も出てくるこの感じ!『ドラゴンクエスト』だな!」
って思います。人によって印象は様々だとは思うんですけど、僕の中の「ドラゴンクエスト」論には、「たまにエピソードがえぐい」っていうのがあるんですよ。ちょっとダークだったりね。
そういう部分を感じると、いっそコミカルさ一切無し、全面シリアスでダークなエピソード満載っていう「ドラゴンクエスト」も見てみたいなとか思ったりするんですけど。
それはさておき、今このコラムをお読み頂いている人にもプレイ中という人がたくさんいると思うのですが、PS4版と3DS版とどちらでプレイしていますかね?
PS4版は「ハイクオリティな3Dグラフィックス」、3DS版では「デフォルメされた3Dグラフィックス」か「2Dドット画のグラフィックス」でプレイできるというわけで、僕も散々発売までのイベントや試遊プレイ等の記事に「どちらでプレイしようか迷ってしまう」なんて書き倒してきました。多分10回ぐらい書いたんじゃないでしょうか(笑)。
そんなことを書いてきた僕自身、発売前日までどっちでプレイするかを決められずにいました。ソフトを両方買うのは別にいいと言えばいいんですけど、プレイする順番はさすがにどちらかが先になりますよね。
プレイする順番を考えると、
1.3DS版かPS4版どちらかのみプレイする
2.3DS版をプレイし、その後にPS4版をプレイする
3.PS4版をプレイし、その後に3DS版をプレイする
4.「ふっかつのじゅもん」を駆使して、PS4版と3DS版をいったりきたりしてプレイする
この3パターンかなと思います。まぁ、ネタ的にPS4と3DS並べて同時にプレイするという人もいるかもしれませんけど。家族もプレイされるという場合だと、両方買ってそれぞれがプレイという人もいますよね。
で、僕が最終的に決めたのは、1番の「3DS版をプレイし、その後にPS4版をプレイする」というものです。しかも、3DS版の2Dモードのみ。
せっかくの3つのグラフィックス表現なので、1番おおまかな表現になる3DS版の2Dモードからプレイして、たまに3DSの3Dモードに切り替えてその違いを楽しみつつ、2周目はPS4版でプレイしようという、がっつり楽しんでやろうという計画です。
そもそも「ドラゴンクエストXI」はゲームのグラフィックス表現の進化をおおまかにとはいえ、1つのタイトルで味比べできる史上初のゲームなんですよね。
時間が経ってからリメイクなりされて表現のバリエーションが増えたというゲームはありますけど、同時に3つのグラフィックス表現が用意されたゲームはありません。それを楽しむというのが、今作ならではの醍醐味かなと考えました。
というわけで、3DSの2Dモードオンリーで、今のところ約25時間プレイしております。
2Dモードの良さはなんと言ってもプレイ感の軽さ、楽さですね。ドット画表示ですので演出が重すぎることがなく、スピーディーです。
2Dモードはドット画ですので、ドット画とテキストと効果音とで、自分の頭の中にシーンや動きを想像していくのが醍醐味にもなっていきます。
一方で、「このシーンは3DモードやPS4版だと、どんな表現になってるんだろう!」っていうのが、すごく気になってくるんですよ。同時に3DモードやPS4版がある「ドラゴンクエストXI」ならではの感覚だと思います。イベントシーンもそうですし、戦闘での連携がどんな動きになっているのかとかもすごく気になっていきます。
その気になって見てみたくなっている気持ちを後々の楽しみに取っておいて、2Dモードで映像を想像しつつ楽しんでいるというのが、僕の今の段階です。
これはだいぶストイックな遊び方だと思いますけど、楽しいですよ。
ドット画の良さ、自分の想像でシーンを補完して楽しむ醍醐味に加えて、他のグラフィックス表現のモードだとどんな感じになっているのか、
ひいては「ゲームグラフィックス表現のそれぞれの良さを全部味わう」という、ある意味でものすごく贅沢な楽しみ方ができちゃうんです。
……まぁ同じゲームをそこまで楽しみ尽くすのには時間も体力も必要ではあるんですけども。
例えば、PS4版か3DS版のどちらかでプレイし終わったら、友人知人と貸し借りしてプレイしていない方を遊んでみるとかしてみるのをオススメしたいところです(もちろん2本買っちゃうのもアリです!)。
そうすると、ゲームにおいてのグラフィックスの有り様であったり、表現手法それぞれにある良さや魅力がどういうものなのか……本質的なことを肌で感じ取れるかもしれません。
改めてのお話ではありますが、娯楽が多様化したなかで、こうした試みができるのも「ドラゴンクエスト」ならではと思えるところ。すでにプレイ中の人も他の表現に注目してみてもらえると、一粒で二度美味しい的に楽しめるのではないでしょうか。
時間に余裕のある人に限ってしまいますけどオススメです。
ではでは、今回はこのへんで。また来週。
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