山村智美の「ぼくらとゲームの」

連載第76回

「ソニックマニア」に「UNDERTALE」、「DQ」ロトシリーズにスーファミVC多数配信で、2Dドット作品が熱い話

この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。

今年の夏は、2Dドットグラフィックスの良作・名作の発売タイミングが集まった、ちょっと変わった盛り上がりの夏になっています。2Dソニックと「DQ」ロトシリーズと「FF」の4・5・6と「ロマサガ2」が出るんですから、「今は一体何年なんだ!?」みたいな話ですよ。

まずは「ソニックマニア」。メガドライブ時代の「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」の良さを、文字通りシリーズのマニアが愛情たっぷりに込めた新作。

コアな話としては、非公式に「ソニック・ザ・ヘッジホッグCD」のiOS版を制作してセガに持ち込み、そのクオリティが高かったので公式にiOS版として発売されることになったなど、ソニックが好きすぎて個人的に移植を作りまくっていたクリスチャン・ホワイトヘッド氏がメインプログラマーとして参加している、「マニアがマニアに向けて作る」的な、良い意味でヤバイ代物です。

ちなみに、過去シリーズ作の印象深いステージも登場するし、タイトル的にもそういうニュアンスに受け取れなくもないので、「過去作を収録したコレクション的なゲームなの?」と思われる人もいるかもしれませんが、そうではないです。

新規のステージの合間にいくつか過去作からのステージも登場しますが、それも大幅にアレンジされてステージ構成も変えている、完全新作のゲームになっています。

シリーズ作をプレイしてきた人は「あ、このステージ知ってる!」という懐かしさから入りつつも、新しい構造やギミックに良い意味で裏切られて楽しめるというわけですねー。

僕も早速プレイしましたたが、これすごいですよ。

オープニングアニメのテイストから始まり、異様にアニメーションパターンの豊富なドット画、過去作リスペクト感たっぷりのサウンドなどなど、なんだか「ソニック」への愛情が溢れ出てるようなゲームです。

印象深いのが、「ただ懐かしいだけでなく正統進化を感じさせる良さがたくさんある」ところ。「ソニックマニア」にはこれまでにない新しいギミックもたくさん出てくるのですが、それが「ソニック1~3」や「ソニックCD」の流れがそのまま続いて作品が出続けていたら、きっとこういう仕掛けが出てきてただろうなって思えるものになっています。

ようするに、少なくとも僕にとっての「ソニックらしさ」を外していないですし、さらに“らしさの先”も見せてくれているわけですね。

奇しくもこの話、“○○らしさ”と“○○らしさの先”というのは、「ドラゴンクエストXI」で最近にもお伝えしてきたばかり。今年は「ゼルダの伝説」が当たり前を見直し、「ドラゴンクエスト」や「ソニック」が“らしさ”と“らしさの先”を見せてくれたりと、なんだか素敵な年ですよ、ほんと。

もちろんマニアではない人にも「ソニックマニア」オススメですよ。ほどよい難しさのある難易度、ギミックの豊富さ、「ソニック」ならではのスピード感がしっかり楽しめるながらも、過去の2Dソニックシリーズよりもコントロールしやすくて、さすがマニアが配慮に配慮を重ねたタイトルだなと感じさせます。遊びやすい。

横スクロールアクションの魅力をがっしり味わえる、かなりの良作です。

お次は、奇しくも「ソニックマニア」と同日に配信開始となった、PS4/PSVita「UNDERTALE」。「UNDERTALE」は以前にこの連載でも紹介した、PCインディーズ出身のRPG。その公式日本語版がコンシューマー機のPS4/PSVitaについに登場となりました。

いろんな意味でエキセントリックかつ奥深いゲームで、個人的には“2Dドットグラフィックス特有の感性を刺激する怖さ”が味わえるゲームでもあると思います。世界的に話題になったのには充分な理由がありますので、未プレイの人はぜひこの機会にプレイしてみてもらいたいです。

このコラムが掲載されている8月23日と24日は、さらに名作配信ラッシュです。

8月23日から9月4日にかけて「ニンテンドーeショップ ヒートアップセール!」という3DSとWii Uのソフトのセールが開始されますが、それに合わせてNew3DS専用のスーパーファミコンバーチャルコンソールが一挙に12タイトル配信!

配信開始となる12タイトルは、

「デモンズブレイゾン 魔界村 紋章編」
「ブレス オブ ファイア 竜の戦士」
「ブレス オブ ファイアII 使命の子」
「悪魔城ドラキュラXX」
「がんばれゴエモン2 奇天烈将軍マッギネス」
「がんばれゴエモン3 獅子重禄兵衛のからくり卍固め」
「伝説のオウガバトル」
「ファイナルファンタジーIV」
「ファイナルファンタジーV」
「ファイナルファンタジーVI」
「ロマンシング サ・ガ2」
「ファミコン探偵倶楽部 PART II うしろに立つ少女」

というラインナップ。FF 4・5・6にロマサガ2にオウガバトルにブレスオブファイアにゴエモンにファミ探にレッドアリーマーですよ。豪華過ぎておそろしいほど。

「ニンテンドーeショップ ヒートアップセール!」では、このVC12タイトルをはじめ50タイトル以上がセール価格で販売されるほか、セブン-イレブンとAmazon.co.jpではニンテンドープリペイドカードがお得に購入できるキャンペーンも実施されています。こちらはこれからNintendo SwitchでDL版ソフトなどを買うのにもお得になるので、ぜひチェック頂きたいところです。

「ニンテンドーeショップ ヒートアップセール!」について詳しくは任天堂のサイトをご覧ください。

そしてそして、8月24日は、PS4/3DSへ「ドラゴンクエストIII」が配信開始です。この8月は特に3DSに「FF4・5・6」に「ドラゴンクエスト1・2・3」が配信されるという、なんだかすごい月になりました。

そんなスーパーファミコン世代の懐かしい名作の配信に続いて、その魅力が凝縮されている「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」も続報が出ましたね。

魅力を紹介する動画が公開されたほか、予約開始は9月中旬以降を予定しているというアナウンスもされました。これは予約日には結構な行列もできるかもしれないですね。

話題は変わりまして、今週の僕の「スプラトゥーン2」プレイレポート。

ガチエリアだけはSになりました! ヤグラとホコはA。デュアルスイーパーで距離的な優位を保ちつつのアウトサイドなプレイスタイルでどのルールも戦っているので、エリアは勝ちやすいものの、ヤグラとホコでは押しが足りなくなりますね。

今週は味方の足下を積極的に塗ってサポートするという連携を意識するようにもしてみました。デュアルスイーパーという良い意味でも悪い意味でも器用貧乏なブキを愛用しているがゆえの、サポートよりな考え方だとは思いますが、

今作は敵インクに足を取られる影響が強まっているので、中~遠距離ブキは近距離ブキの仲間の足下を塗るのも大事だと思います。味方を生かすことが自分を生かすことに、そしてチームに勝つのにも繋がるという感じですね。

そしてついに一部のメインウェポンのアップデートが配信されますね。このコラムが掲載されている頃には最新バージョンになっています。今回のアップデートではかなりのブキに上方調整がされているのが印象的。バグ修正も多く行なわれています。

その中でも気になるのは

「短い時間に連続してダメージを受けたとき、効果音がダメージを受けた回数分再生されないことがある問題を修正しました。」

というもので、これまで時々「何が起きたのか見えず瞬間的にやられる」という場面があって個人的にも気にしていたのですが、音周りの問題が直るとその印象がどれぐらい変わるのか、興味深いところです。

また、このアップデートの次に9月上旬には“いくつかのスペシャルウェポンと一部のメインウェポンの性能変更を中心とする調整”を行なうということで、これが現在のバランスに対しての大きな変更となりそうな予感がします。

多方面に盛りだくさんなこの夏ですが、ヨーロッパのゲームショウ「Gamescom 2017」でも続々と次の展開が発表されていますので、そちらも要チェックですよ。

ではでは、今回はこのへんで。また来週。