山村智美の「ぼくらとゲームの」
連載第63回
Nintendo Switchの化粧箱のみ売りと、「はねろ!コイキング」と、だんだん近づいてきた今年のE3の話
2017年5月24日 12:00
この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。
いよいよ今年もE3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)が近づいてまいりました!……といってもまだ3週間ぐらいあるんですけど。
E3はアメリカ・ロサンゼルスにて行なわれる世界最大のゲームの見本市。E3で明かされる最新タイトル、これから発売される最新作の続報、プラットフォームの展開やサービス、ひいてはゲームシーン全体を見ていくうえで最も重要なイベントと言えます。
そんなE3ですが、今年は日本時間で6月14日・15日・16日に開催。また、例年のとおりE3開催前のプレスカンファレンスが日本時間6月11日午前4時のエレクトロニック・アーツを皮切りに、12日・13日・14日と開催されていきます。
上の画像は、E3の公式Twitterアカウント(https://twitter.com/E3)にて公開された、E3直前のプレスカンファレンススケジュールです。こちらだとマイクロソフトのXboxから記述されていますが、エレクトロニック・アーツはE3にあわせて「EA Play 2017」という独自イベントを行なうためです。
それを踏まえつつ、今年のE3にまつわるカンファレンスを時系列順にすると以下のようになります。
・エレクトロニック・アーツ(EA Play 2017)
6月10日12:00(日本時間 6月11日4:00)
・マイクロソフト
6月11日14:00(日本時間6月12日6:00)
・Bethesda Softworks
6月11日19:00(日本時間6月12日11:00)
・PC GAMING SHOW
6月12日10:00(日本時間6月13日2:00)
・Ubisoft Entertainment
6月12日1:00(日本時間6月13日5:00)
・ソニー・インタラクティブエンタテインメント
6月12日14:00(日本時間6月13日10:00)
・任天堂(Nintendo Spotlight)
6月13日9:00(日本時間6月14日1:00)
おおまかには昨年同様という流れ。
ちなみに任天堂は映像によるプレゼンテーション「Nintendo Spotlight」が予定されています。すでに特設サイトも公開(http://e3.nintendo.com/)されており、2017年冬発売予定の「スーパーマリオ オデッセイ」をはじめ、Nintendo Switch用タイトルを中心にお伝えするとのこと。
また、例年通りE3会場からの生放送「ニンテンドーツリーハウス」でもNintendo Switch用タイトルとニンテンドー3DS用タイトルを紹介したり、「スプラトゥーン2」や「ARMS」のトーナメント戦も中継されるということで、カンファレンス後もいろいろと放送が楽しみな内容となっております。
というわけで、まだ開催までは3週間ほどあるわけですけど、すでにE3に向けて動き出しています。この連載でも順次ストリーミング放送のURLなどが確定次第、お伝えしていきますので。
さてさて、そんなE3への期待がだんだんと高まってきている今週ですが、話題になっているのはやっぱり“あれ”ですかね。
「Nintendo Switch スプラトゥーン2セット」の化粧箱のみの販売。
箱だけです。外箱のみ。マイニンテンドーストアにて540円で予約購入できます。
このニュースはおそらく読んだ人全員の頭の上に「?」マークが浮かんだのではないでしょうか。ぶっちゃけ話、僕だってそうでしたから。「どういうこと?」ってなるのは当然のニュースだなーと思います。
で、僕も考えたんですよ。これは一体どういうものだろうか……と。
これはですね、大人なゲームファンの人からすれば「箱だけなんて意味ないじゃん」となると思うんです。だって、箱ですからね。
でも、例えば自分に子供がいて、「Nintendo Switch スプラトゥーン2セットが欲しい!」ってねだられているとすると、この外箱がいるんですよ。
「Nintendo Switch スプラトゥーン2セット」自体は、「Nintendo Switch」本体と「スプラトゥーン2(パッケージ版)」、それに、「Joy-Con」のネオングリーンとネオンピンク、さらに「オリジナルステッカー」のセットです。
つまりは、「スプラトゥーン2(パッケージ版)」と「Joy-Conネオングリーンネオンピンク」、「オリジナルステッカー」を用意して、通常の本体と「Joy-Con」を入れ替えてしまえば、内容物的にはセットと同じになるんですよね。
でも、そこに唯一欠けているのが外箱です。スプラトゥーン2セットの楽しげなデザインのあれ。
そこで、この化粧箱のみ販売で箱も用意すれば、「Nintendo Switch スプラトゥーン2セット」そのものっぽいものの完成!
……まぁ、ツッコミどころがいっぱいあるのはわかりますよ。大人目線からすると「箱まで用意しなくたって別にいいじゃん、中身一緒なら」ってなりますけど、子供にとっては、特に小さな子供にとっては一大事なんじゃないですか、やっぱり。
「ほーら、欲しがっていた『Nintendo Switch スプラトゥーン2セット』だぞー!」
って言ったところで箱が通常版だと、
「箱が違うもん!これじゃないもん!!」って、ぶんぶくれです、きっと。こっちが「中身は一緒だから!中身は一緒だから!」っていくら言ってもしばらくはスネちゃまモードです。そうなると、もっと素直に喜んでもらいたかったなーっていう残念な気持ちも出てきてしまって台無しになっちゃうんじゃないですかね。
そこで、この外箱も買って入れ替えておけば、「わーいパパ最高ー!大好きー!!」みたいな素直な反応になってくれるはず……というわけで。
それこそ大人目線で考えればいらないかもしれないですけど、子供心からすれば特別デザインの箱をみて心を躍らせ、ゼルダの伝説のリンク的にそれをテレレレーとか言いながら掲げたり、抱きしめたり、その箱を開けて本体を取り出したり、箱も大事にしまったり飾ったり。それら全部が大切な思い出になっていくもの、プライスレスなんですよね。
とまぁ、ちょっと変わった販売商品ではありますけど、こんな感じに子供に買ってあげるなどのシチュエーションを考えると、500円ちょいで子供の反応が変わるならどうせなら揃えたいという人も結構いるのではないでしょうか。
……ただ、これを書いている時点では、「Joy-Conネオングリーン/ネオンピンク」がちょっと今からだと既に品切れになっているところが多く、入手が難しいかもという懸念があります。
もちろん「Nintendo Switch スプラトゥーン2セット」そのものをもっと誰でもいつでも買えるぐらいに生産して欲しいという意見が当然あるとは思うのですが、発売日までに生産出荷できるセット数はもう見えているでしょうし、その数自体はもう出尽くしてしまっているのでしょう。
セットの内容物を考えると、本体はもちろんとして「Joy-Conネオングリーン/ネオンピンク」の生産が追いつかないのかなーと思えるところで。それに比べると外箱とステッカーはまだ追加生産できるところから、今回の外箱販売なのかなーと思えるのですが、
今から個別購入での「Nintendo Switch スプラトゥーン2セット」の完成を目指そうとすると、「Joy-Conネオングリーン/ネオンピンク」の入手が最後の関門になりそう。
……外箱まで完全に「Nintendo Switch スプラトゥーン2セット」になっているのに、Joy-Conだけ他の色だったとき子供は……やっぱりスネちゃうかなー……。なまじ箱まで揃っているぶんダメージがでかいかもしれませんね……。まだ「スプラトゥーン2」の発売まで約2カ月ありますので、なんとかしてあげて欲しいところです。
さてさて、今週最後の話題は5月23日より配信が開始されたAndroid/iOS新作アプリ「はねろ!コイキング」!
さっそく僕もプレイしております。
最弱のポケモン、はねることしかできない例のアレ、ギャラドス進化までの我慢期間。
ポケモンファンからすれば弱すぎて有名であり、むしろ愛されていて、歌まであるコイキング。
そんなコイキングを育成するという公式アプリです。
まだこのコラムを書いている時点だと配信が開始されてから数時間というところなので、ざっくりとしたファーストインプレッションになりますが、
釣り上げたコイキングにエサをあげ、特訓をしてはねる力を高め、コイキング同士をはねる力で競わせるリーグに挑戦していくというのが、プレイのおおまかな流れ。
特訓後にランダムでいろんなイベントがあったり、ピカチュウをはじめいろんなポケモンも登場したり、コイキング自身にも様々な模様があったり。育成のなかに突発的なものやコレクション要素などもあって、まったりチクチクと楽しんでいけるゲームになっています。
プレイのポイントになりそうなのは、コイキングはレベル上限があり最大までレベルアップすると最後のリーグ挑戦をしてから引退してしまうところ。
引退後は新たに別のコイキングを釣り上げて育成していくのですが、育てるごとにより高いレベルまで上がるコイキングになっていきますし、ある程度育つまでどんな模様のコイキングなのかわからないので、育ててみてのお楽しみという要素もあります。
また、育成やリーグ戦で手に入れたコインで「たべもの」や「とっくん」のはねる力アップ効果を高められるというのもポイントで、コインを何につぎこむのか人それぞれに違いの出てくるところではないでしょうか。効果を高めた「たべもの」や「とっくん」、さらにはランダムイベント次第で、小キングが育つ時間にも差が出てきそうです。
おそらく、リーグ戦制覇後はFacebookなどのSNS経由に、フレンドと育てた珍しい模様のコイキングを見せ合ったり、はねた最高記録を競ったりといった遊びになっていくのではないでしょうか。
自分の育てたコイキングがライバルを突き放して天高くはねている様は、なんだか妙に嬉しくなるものが。ちょっとした合間にチクチクと楽しめるアプリを求めている人にオススメです。
ちなみにポケモン公式サイトのポケモンだいすきクラブには、コイキングの魅力を特集した「I LOVE コイキングさん」や、自虐的だけどちょっとクスッとなれる歌もありますので、ご存じなかったという人はぜひ、そちらもチェックしてみてください。
ではでは、今回はこのへんで。また来週。