山村智美の「ぼくらとゲームの」
連載第66回
今年のE3は“谷間の年であり折り返しの年”なんだなーと思いつつもいろいろ楽しんでいる話
2017年6月14日 12:00
この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。
みなさん、寝不足ですか?今回のこのコラムは、E3 2017のカンファレンスの最後と言える、任天堂の「Nintendo Spotlight: E3 2017」が放送された直後、6月14日の深夜に書いております。一通り全部のカンファレンスが終了したタイミングなので、感想などいろいろと書いていこうかなと思います。
さてさて、今年のE3カンファレンスですが……、人によっては発表のあったタイトルやその数に期待通りだったという人もいるとは思うのですが、一方で、もう少し驚ける発表が欲しかったという人もいるだろうなと思えます。
先週のこのコラムでも書いたことではあるのですが、プレイステーションとXboxについて言えば今年はやはり“谷間の年”なんだなと思えます。別の言い方をすると“今世代の折り返しの年”とも思えます。
“谷間の年”というのはもうそのままの意味で、昨年のE3からの1年のうちにハード展開・タイトルラインナップともに大きな動きが続いたぶん、今年は驚きのある新タイトルは少なかったと思えます。
もちろん、そういうなかでPS4「モンスターハンター:ワールド」が発表されたのは大きいですよね。存在感も強く、今年1番のサプライズタイトルと言えるのではないでしょうか。
その他で言うと、以前に発表済みで、今年は「いよいよ発売時期がアナウンスされるかな?」と期待されたタイトルも、その多くは最新プレイデモを紹介するに留まったというものが多く、発売時期はアナウンスされないままのものが目立ちました。
発売時期がアナウンスされたものでも発売は2018年(初頭や年内)というものが多かったです。それらはちょっとずれ込むと、来年のE3でようやく発売日がアナウンスされるというところにもなりそうなところで、全体的に今年発売のものは非常に薄く、このまま行くと今年の後半は静かな年になりそうだなと思えます。
今年についてはもう1つ“今世代の折り返しの年”という言い方もできると思います。
PS4、Xbox Oneともに既に発売から約4年が経ち、それぞれのハードに大きなタイトルが発売されました。両社のプレジデントへのインタビューでも「ソフトウェアの収穫期」という言葉が聞かれるとおり、両プラットフォームの市場は国によって違いがもちろんありますが主だったところでは成熟しつつあります。
そんななか次の波が“4K解像度”とそれを実現するためのスペックアップ、ハイエンド版ハードの発売だったわけで、PS4 Proが既に発売されていますが、今年後半にはXbox One Xが登場します。もちろんそうしたハードが登場すると、ソフトウェア側にもそれらへの対応であったり、ハイエンド版のスペックを見越した基礎設計をしたいところが出てきます。
そういうところから、PS4/Xbox One世代は、4K以前/以後という分け方もできるのではないかなと思えるところで、今年はその切り替わり、折り返しの年と言えると思えます。
今年に見られたタイトルの中だと、マイクロソフトのカンファレンスで発表された、BioWareの新作タイトル「Anthem」あたりが、折り返し後の、ハイエンド版スペックを基本にしたタイトルになるのではないでしょうか。
「Anthem」のグラフィックスは今年の“思わず声が出ちゃう”ポイントのひとつでしたねー。
その折り返しを過ぎた先にある今世代の限界、次の世代への切り替えというのは、2020年頃になるのかなーというのが、僕の考えているところです。
とまぁ、プレイステーション、Xboxについて一括りにしていますが、その2つにももちろん違いがあって、Xboxは近年Windows 10との同時展開が基本となっていて、ある意味ではPCゲームのコンソール機と言ってもいい位置づけ、親和性があります。そこにおいてはライバル視しているのはプレイステーションではなく、PCゲームプラットフォーム大手のSteamでしょう。マイクロソフトが持つ強みを最大限に活かすということからも、これはやはり必然かと思います。
プレイステーションはというと、あくまでこれまで通りの家庭のコンソールゲーム機としての立ち位置が感じられるところがあって、ゲーマーにも家族層にも提供していくオールラウンドなスタンスが感じられますね。ただ、「PS VR」については勢いに陰りを感じるところは正直あり、今年のカンファレンスでどう扱われるのかが気になるところだったのですが、PS VR用タイトルは今年も発表されていますし、当面は継続の流れと思えます。
その2つのプラットフォームと、まったく異なる路線とタイミングで展開している任天堂は、今年は存在感が強いですよね。Nintendo Switchはなんと言ってもまだ発売されて3カ月という新鮮さがあるのがやはり大きいです。
「Nintendo Spotlight: E3 2017」でも、「ファイアーエムブレム無双」の9月28日発売、「スーパーマリオ オデッセイ」の10月27日発売と、期待されているタイトルの発売日をアナウンスしたほか、「ゼノブレイド 2」のゲームプレイ紹介も多く紹介するなど、期待に応える内容だったのではないでしょうか。
隠し弾的なものという意味では、Nintendo Switch用ポケモン新作の話題があったことが大きいかと思います。
さてさて、
カンファレンスは終わりましたが、E3 2017はここから3日間が本番であり開幕。会期中は、いずれもプラットフォーマーでもライブストリーミングを行なっていますし、カンファレンスでは発表されなかったけど、会場でお披露目になっているタイトルも紹介されています。
だいたい日本時間で深夜の1時から午前11時ぐらいまでが現地の開催時間になりますので、お時間のあるかたはライブで、そうでない人は配信のアーカイブを観てみるのがオススメです。いろいろなタイトルの実機プレイが観られますよー。
※以下のリンクはDay1ですが、各アカウントでDay2以降のライブ配信も行なわれるはずです。
個人的には、新作も噂されている「LIFE IS STRANGE BEFORE THE STORM」が発表されたことや、「UNDERTALE」のPS4/PlayStation Vita版が発表されたのが嬉しいですね。特に海外限定のパッケージっぽいですけど、「UNDERTALE」のコレクターズエディションはかなり欲しいです。オルゴール入りのロケット欲しい!
あと、本日公開された「スーパーマリオ オデッセイ」の2nd トレーラーで使われているジャズテイストでムーディーかつゴージャスな曲がかなりいい感じ。Nintendo Spotlightの配信中にも、世界中から「なんだこの曲、めっちゃいいぞ」的なコメントが寄せられていたほどですので、こちらもぜひチェックを。
ちなみに、個人的に今年も1番観ていて楽しかったカンファレンスはUBI。タイトルも充実していますし、見せ方がやっぱり上手いんですよねー。いわゆる“今年のジャストダンス最新作”を紹介するときのダンスショーも「これぞE3!」っていうお祭り感があって大好きです。UBIさん、来年もお願いします!
ではでは、今回はこのへんで。また来週。