山村智美の「ぼくらとゲームの」
連載第93回
2017年12月17日午前3時26分の「ジェラール様の…皇帝陛下の御出陣!御出陣!」な話
2017年12月20日 12:00
この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。
2017年12月17日、午前3時を過ぎた頃。僕は久々に「ロマンシング サ・ガ2」に夢中になっていたのでした。
今年の冬はRPGジャンルひとつとっても、日本的なRPGの要素が詰め込まれている「ゼノブレイド2」あり、フルサイズRPGをVRでプレイできる時代の始まりの1作となるPS VR「The Elder Scrolls V: Skyrim VR」ありと、いろんな方向性や多様性を楽しめる良作揃いです。
ちなみに、RPGではないですけど今週は「バイオハザード7」の物語を締めくくるDLCとなる、クリス・レッドフィールド登場の「Not a Hero」と本編の後日譚を描く「End of Zoe」も一気にプレイしたのですが、こちらも面白かったんですよ。
「バイオハザード7」は、フルサイズのゲームでありながら通常プレイとPS VRの両対応という稀有なタイトルであり、クオリティの高さやプレイフィールの良さ、そして今回のDLCで物語を後日談まで提供してしっかりとまとめたことなどなど、いろんな意味でものすごく優れたゲームだなぁと改めて感じた次第です。
PS VRもようやくいつでも買えるようになってきたので最近購入したという人もいると思うのですが、そういう人はぜひPS VRで「バイオハザード7」本編と一連のDLCをプレイしてみてもらいたいですね。
そんなわけで、他にもゲーム好きならぜひプレイしておきたいゲームが山盛り、時間が全然足りない日々なわけですけども、
そんな状況に颯爽と登場して僕を夢中にさせているのが、
「ロマンシング サ・ガ2」なんですよ。
以前「ファイナルファンタジーVI」が好きで何度も買っているという話をこの連載で書きましたけど、今回はそれの「ロマサガ2」版の話です。
「ロマンシング サ・ガ2」はオリジナルのスーパーファミコン版の発売が1993年12月10日。ちょうど約24年前というところですが、
そこから携帯電話アプリ版が登場したり、昨年の2016年にはグラフィックスをリマスターし携帯電話アプリ版の追加要素も収録したPlayStation Vita/iOS/Android版が発売されました。
そして、先週の12月15日にはそのリマスター版をさらに高解像度化した「ロマサガ2」が、プレイステーション 4/Xbox One/Nintendo Switch/Windows 10/Steam版にて発売されました。
今回僕が購入したのは、このNintendo Switch版。
僕はこれまで初代のスーパーファミコン版を当時にプレイしたのをはじめ、WiiやWiiUでバーチャルコンソール版を購入し、
2016年にはまずiOS版を購入したものの「やっぱり操作は物理ボタンでしたい」という気持ちから、PS Vita版も購入。がっつりプレイして一応の満足を得るも「このリマスター版を大きい画面でプレイしたいなぁ」という欲求が出るもPS Vita版はPS Vita TV非対応だったため、その願いは叶わなかったんですよね。
そんな2016年を経て、今年にはNewニンテンドー3DS用のバーチャルコンソール版を購入したりもしつつ、やっぱりリマスター版大画面を夢見ていたのですが、
ついに今月、その願いを完璧に叶えられる据置機版が発売されるということで、さくっと購入したというわけです。
これをお読みの人は、「お前はいったい何回『ロマサガ2』を買ったら気が済むんだ」とつっこまれていることと思いますし、自分でもそう思うんですけど。まぁ、好きだからいいんです。
それで、せっかく買ったSwitch版ですし、「どんな感じなのか、ちょっと様子を見てみよう……」とプレイし始めたら、本腰入れて遊びはじめちゃったというわけなんですね。
「ロマサガ2」の良さを今さら長く語るというのもなかなかアレな感じですが、
「ロマサガ」シリーズというと、どのマップにいくのか、どのキャラを主人公にしていくのかが自由な「フリーシナリオ」が特徴ですが、「ロマサガ2」は特にその完成度が高く、人気の高い作品。
主人公キャラクターが世代交代していく「皇位継承」の要素を軸に、皇帝や仲間のキャラクターを自分で選び決めていくこと、そしてそのキャラクターの種族自体もプレイ次第で増えていくこと、さらにそのキャラクター次第で技の閃きやすさなどバトルへの影響も変わっていくなど、
プレーヤーの選択次第という要素がいくつもあって、複雑に絡み合っているゲームなわけですが、それがいいバランスでまとまっているのがポイント。
ある意味、奇跡的な仕上がりのゲームとも思えるほどです。
「皇位継承」という独特な要素をプレーヤーに伝えていく、序盤の物語やその演出も優れています。
未プレイの人もいると思うので詳細は書きませんけども、
「ジェラール様の…皇帝陛下の御出陣!御出陣!」
というセリフは屈指の名セリフですねー。センスの塊。
NintendoSwitch版についてですけど、解像度が高くなっている以外は基本的にPlayStation Vita/iOS/Android版との大きな違いはないようで(ロード時間がわずかに速くなってますかね)、ソフトリセットがないのが非常に残念ではあるのですが(なにしろセーブデータからやり直すことの多いゲームなのでソフトリセットは欲しいんですよね)、そこ以外は満足度の高い1本です。
そんなわけで年末の話題作だらけのなかですが、リマスター版「ロマサガ2」も負けず劣らず。“自分なりの遊び方・進め方”を考えて遊びこむことでより深みが増していく、昨今では少なくなったゲーム性を楽しめる作品ですので、RPGは好きだけど「ロマサガ2」はプレイしたことがないという人には特にオススメしていきたい次第です。
僕も今回は、いつかやってみたいと思っていた“4000年”達成を目指して楽しんでいきたいと思います。
ではでは、今回はこのへんで。また来週。