山村智美の「ぼくらとゲームの」
連載第147回
ビッグタイトル発売&イベントで盛り上がった裏に、「メトロイドプライム4」驚きの報告や「Anthem」の不安など、明暗コントラストの話
2019年1月30日 12:00
この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。
この1週間は実にイベント尽くしというか。いろんなことがありましたねー。新年らしい賑やかなこともあれば、シリアスなことやちょっと悩ましいことまで、てんやわんやでした。
まずはなんといっても、「キングダム ハーツIII」と「バイオハザード RE:2」ですね。
いやぁ、どちらも新年早々に今年を代表するクラスのかなりの良作です。
「キングダム ハーツIII」についてはレビューも書きましたので、詳しくはそちらをお読み頂ければと思いますが、
作り込みの細かさ、バランスの良さからくる遊びやすさ、それになんと言っても“クオリティの高い楽しさ”がプレイ中ずっと続くところが期待以上。その楽しさはディズニー作品のテイストであったり、テーマパークで過ごす時間のそれを思わせるものがあって、なかなか他のゲームでは味わえません。
“楽しさを作る”というのはエンターテイメントとしてものすごくレベルの高いことだなぁと、プレイしていて新たに考えさせられるものがありました。
「バイオハザード RE:2」は週末からプレイし始めましたが、こちらも時間を忘れてプレイしてしまうレベルの面白さ。まさに史上最高のリメイク作と言えるのではないでしょうか。
1月にして早くもゲーム・オブ・ザ・イヤークラスだなと思うほどのビッグタイトルが登場して世界を賑わせるなか、週末には「ジャパン アミューズメント エキスポ2019(JAEPO2019)」、「闘会議2019」などイベントも同時に開催されました。
最新アーケードゲームの展示と同時に、ゲームプレイを楽しむことに主眼の置かれている「闘会議2019」の開催という互いに高め合うような組み合わせが良いですよね。
見応えのある大会目白押しでしたが、ボクが元々バーチャプレーヤーだった事もあり、個人的に注目したのは20年以上の時を超え開催された「バーチャファイター2.1」のトーナメント戦。
#闘会議2019あそびホーダイエリアで行われた”『バーチャファイター2』ブンブン丸トーナメント”の決勝戦の模様をお送りします。
— セガ公式アカウント (@SEGA_OFFICIAL)2019年1月26日
司会、観客、挑戦者、そしてブンブン丸選手、すべての参加者のボルテージが最高潮に高まった闘いを御覧ください!pic.twitter.com/Fmeig1wImV
20年以上の時を超え開催された『バーチャファイター2.1』大須晶トーナメント戦は、板橋ザンギエフ選手も参戦する激戦トーナメントとなりました。
— セガ公式アカウント (@SEGA_OFFICIAL)2019年1月27日
手に汗握る攻防を制し、大須晶さん優勝です!おめでとうございます🎊
#闘会議2019pic.twitter.com/YiCRJQtA2G
ブンブン丸トーナメントの方で決勝でブンブンさんと対戦しているのは、当時の全国レベルのプレーヤーだった人なら知らぬ人のいない邪影丸ですね。まさか2019年にこの2人の対戦を見ることになるとは。第2ラウンド最後の、ファジー気味にしゃがんだところへ下段投げのダブルアームスープレックスを決めているあたりは素晴らしいですねー。
さてさて、そうした華やかなイベントの一方で、これは……とシリアスになる話題も。
まずは、任天堂が公開した「Metroid Prime 4 (Nintendo Switch) 開発状況に関するお知らせ」の動画です。
2017年に開発が発表されて以来、世界的にも期待の高いタイトルのひとつである「メトロイドプライム4」ですが、これまでの開発では納得できるクオリティには届かず、開発体制そのものから見直すとのこと。
オリジナルの「メトロイドプライム」シリーズを開発したRetro Studiosと協力して,開発を1から再スタートさせるとしています。
突然の動画による告知、そしてその内容に驚きを隠せないものがありますし、実際のところ完成と発売はかなり先になることは間違いないので、そこは残念ですが、こうして包み隠さずに広く実情を伝えるという真摯な姿勢には嬉しく思うところがあります。
開発を依頼していたデベロッパーからあがってきたものが想定していたクオリティには遠く、頭を抱えたり、別のスタッフでどうにか手直しをしてみたり……なんというのはゲーム開発大変でしたあるあるのひとつ(特に海外の開発会社に任せてみたら大変な目にあった的な)だったりしますが、そういうことは表に出さないことも結構多いわけですけど、こうしてしっかりとユーザーに向けて説明をしてくれているところは、さすが任天堂だなぁと感じるところですね。
とにもかくにも、「メトロイドプライム4」が良い作品になって世に出てくる日を楽しみに待ちたいところです。
最後は、EAから2月22日に発売されるBioWareの新作、PS4/Xbox One/PCの「Anthem」ですね。
こちらは本作を先行予約済みの人と、EA AccessかOrigin Accessへの加入者に向けてのVIP試用版が、1月25日~1月27日にかけて実施されたのですが、サーバーにログインできず、多くのプレーヤーがプレイできずじまい、または長時間のログイントライの末にわずかにプレイできた、という結果になってしまいました。
この結果について、ライブサービス責任者を務めるChad Robertson氏からのコメントが公式サイトに掲載されています。
今週末の2月1日~2月3日には、誰でも参加できるオープン体験版のプレイ期間が予定されているので、ここでどれぐらい、最初のつまずきを払拭できるか、というところになっています。
2月の注目タイトルのひとつだけに、特に購入を検討している人は注目の週末となりそうです。
ではでは、今回はこのへんで。また来週。