【特集】
【メガドラミニW AE収録タイトルレビュー】「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」
音速のハリネズミが駆ける、ハイスピードアクションゲームの原点!
2020年3月25日 00:00

- 1991年7月26日発売
圧倒的なスピード感でアクションゲームに新しい風を吹かせ、ゲーム史にその名を刻んだ「ソニック」シリーズ。その記念すべき原点が「メガドライブミニ W・アジアエディション」に収録されている。
以前発売された国内版「メガドライブミニ」には1作目は収録されておらず、2作目の「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」のみが収録されていた。2では人気キャラクターのテイルスや、新アクションのスピンダッシュの追加など、1作目と比べてより洗練されたアクションゲームになっているのは確かだが、メガドラファンとしては、アクションゲームに革命を起こした初代「ソニック・ザ・ヘッジホッグ(以下、ソニック)」は欠かせないところだ。
主人公は、言わずと知れた音速のハリネズミ、ソニック。可愛らしさとクールさを兼ね備えたセンセーショナルなキャラクター性でゲームファンの心をガッチリ掴んだ。
本作は、ソニックを操作して、世界征服を企む悪の天才科学者ドクター・エッグマンの野望を阻止するのが目的。ステージクリア形式の横スクロールアクションゲームで、操作は移動とジャンプのみというとてもシンプルな作り。ゲームとしては至ってオーソドックスな内容だが、そこに、これまでには無かった常識破りのスピード感が加わることで、全く新しい革命的なアクションゲームとなっているのだ。
スピード感だけではなく、システム面も独自のものが取り入れられている。当時のアクションゲームは敵の攻撃を1度でも受けたら即1ミスになるといったシビアなものが多かったが、本作はステージ中に落ちているアイテムの「リング」がライフ代わりになっている。リングを獲得していれば、敵の攻撃を受けてもその場でリングをバラ撒くだけで済む。なので、リングを最低1個でも持っていれば、敵の攻撃を何度受けようとミスにならない。初心者にも優しい画期的なシステムだ。
今回筆者がこのタイトルをプレイするのは、リアルタイムで発売されたとき以来なので実に29年振りだ。正直な話、ステージ構成やら敵の配置などの細かな部分は丸っと忘れており、超スピードで駆けているのが楽しかった記憶だけは残っている。
当時の感覚を頼りに、とりあえず難しいことは考えずノンストップでステージを突き進む。徐々に加速していくスピード、ジェットコースターのようにコースをぐるりと一回転する爽快感は、今プレイしてもやはりとても気持ち良い。
「ソニック」でしか味わえない疾走感は病みつきになるが、がむしゃらに爆走していると敵にぶつかったり穴に落ちたりと、結構な確率で事故に見舞われた。
昔は、よく闇雲にダッシュしていてまともに遊べたものだとふと考えたが、当時プレイしていた幼少の記憶を思い返してみると、超スピードの疾走感にテンションを上げてひたすらに走り、そのまま敵にぶつかってリングをバラ撒いて爆笑、みたいな訳の分からない遊びで当時は楽しんでいたような気がする。どうりでステージ2くらいまでしか見たことがない訳だと合点がいった。
改めて真面目にプレイしてみると、快楽に身を任せてひたすらにダッシュするのではなく、状況によっては敵や罠を的確に対処して進むという慎重さも必要になってくる。勢いとノリが全てのご機嫌なゲームと見せかけて、硬派な一面も持ち合わせている作品だ。
そして、ゲームを進めるにあたってもっとも重要なのは、“コンティニュー回数を増やしていくこと”。スタートは残機が3つで、3回ミスをするとコンティニューも無く問答無用でタイトル画面に戻され、ステージ1からとなってしまう。コンティニュー無しでエンディングを見るのはかなり困難だ。
そんなコンティニューの増やし方だが、ステージ中にリングを50個以上所持した状態でゴールまで行くと、大きなビッグリングは出現する。ビッグリングに触れるとスペシャルステージに進め、そこでさらにリングを50個以上集めるとコンティニュー回数が1回増えるのだ。いかにスペシャルステージに進み、コンティニューを増やしていくかが攻略のカギになる。
スペシャルステージには「カオスエメラルド」というアイテムも出現し、これはエンディングに関係する重要なアイテムなので回収していきたい。
各ステージの最後には、ボスのドクター・エッグマンとの戦いが待っている。エッグマンはメカに乗り込み、さまざまな武装でソニックに襲い掛かる。
ボス戦では限られたライフ(手持ちのリング)で戦わなければならないので緊張感が走る。ボスまでの道中で可能な限りリングを集めて勝負に挑みたいところだ。
ステージ1から意外に強いエッグマンだが、ステージが進むにつれて攻撃方法がどんどん凶悪なものに変化していく。憎たらしいほどに強くなっていくエッグマン戦は是非味わってもらいたい。
本作を改めてプレイしてみると、昔の印象に残っていた“突っ走ってゴールを目指す”というだけの単調な内容ではなく、ステージに用意された多彩なギミックを突破しながら進んでいくという、骨太なアクションゲームの面白さを堪能できた。
圧倒的なスピード感をはじめ、これまでのアクションゲームにはなかった斬新な要素が詰め込まれている本作。ゲームファンならぜひ1度プレイしてもらいたいタイトルだ。
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©SEGA

































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