【特集】

【メガドラミニ全タイトルレビュー!】「スペースハリアーII」

爽快感や世界観、ボスのグラフィックスなど、見どころ満載の名作3Dシューティングをプレイ!!

1988年10月29日 発売

 1980年代中頃に登場した、セガのアーケード体感型3Dシューティング「スペースハリアー」。超能力戦士「ハリアー」となって、迫りくる敵を超能力キャノンでバンバン撃墜していく爽快さと、疾走感溢れるスピーディーなゲーム性で人気を博し、その後様々なコンシューマーハードに移植された。

 その続編となる「スペースハリアーII」がコンシューマー用オリジナルタイトルとしてメガドライブに登場した。舞台は前作から10年後となり、主人公・ハリアーも、ゴーグルを付けた青年といった前作の見た目からガラリとイメージチェンジして、屈強な戦士という風貌にパワーアップしている。

アーケードの「スペースハリアー」筐体。ゲームとシンクロしてシートが動く、ローリングタイプの筐体も存在した
赤いスーツに身をまとった主人公・ハリアー。パッケージではなぜか黒髪
猛攻をかわして敵を落とす。シンプルなゲーム性ながら中毒性が高い

 ゲームとしてはオーソドックスなステージクリア形式のシューティングゲームだが、当時としては驚かされるポイントがたくさんあった。他のゲームでは味わえなかった圧倒的スピード感と浮遊感。そして極めつけは、初めは小さく表示される敵や障害物がどんどん画面に迫ってくる疑似3D表現。この表現によりゲームの奥行きや立体感をうまく演出している。

奥から手前に敵が迫ってくる迫力感

 そして、本作の世界観のセンスもハンパじゃなくイカしている。「スペースハリアーII」では、テレポート能力増幅装置「コスミックゲイト」を使ってさまざまな世界で戦いを繰り広げるのだが、登場する敵のテイストがステージごとにガラリと違うのも、少年時代の筆者のハートをガシっと掴んだ。薄気味悪いモンスター、SFチックなメカや謎の物質など、今見てもワクワクさせられる。

個性豊かな敵キャラクターが多数登場する

 SOSサインをキャッチし、コスミックゲイトにハリアーが駆け込んでくるシーンからゲームが始まるが、12のステージから好きなステージを選んで攻略することができる。もちろん最初からステージ12を選ぶことも可能だが、最終ステージに行くには全ステージをクリアしなければならないので、エンディングを目指すなら素直にステージ1からプレイするのが吉。

警告音が鳴り響くなか、疾走してくるハリアー。カッコいいワンシーンだ

1つのミスが命取り! 手に汗握る緊張感がぶっ続く!!

 ステージ1の開幕から押し寄せる疾走感。数十年ぶりのプレイだが、昔感じた「速っ!!」という感覚は今でも変わらなかった。感覚が変わった点を挙げるとすれば、昔より反射神経が鈍くなっているせいか、当時プレイしたときよりも少し難しく感じた(笑)。

 画面を縦横無尽に飛び回って、攻撃をかわしながら敵を倒していくというシンプルな遊びなのだが、ハイスピードなゲーム性が没入感と爽快感を強く感じさせる。攻撃や障害物に一発でも当たると即ワンミスになるので、一瞬たりとも油断ができないという緊張感もたまらない。

 ステージが進むにつれて敵の攻撃が激しさを増していくのだが、このゲームにはコンティニューの概念がなく、初期残機4つでエンディングまでたどり着かなければならないというシビアなゲームバランス。スコア100万点獲得するごとに1UPできるので、いかにミス無くスコアを稼げるかというポイントもこのゲームの面白さだ。

敵の迫るスピードや弾速が速いので、回避するのがなかなか難しい。ステージ後半では障害物の量も尋常じゃない

 筆者個人の本作イチオシのポイントは、ドット絵で描かれたボスの迫力あるグラフィックスだ。子供の頃は“こいつ怖いな”と思っていたほど、ボスの見た目が禍々しいのだ。メガドライブミニには残念ながら収録されていないが、同じくセガのタイトル「獣王記」なども含め、当時のセガのボスキャラの存在感はとにかくハンパではなかった。本作のボスにはぜひ注目してもらいたい。

味のあるドットで描かれたボスキャラクター。さすがに今見ると怖さはないが、禍々しいという感覚は当時と変わらず

 今回、数十年ぶりに改めてプレイしてみて、1つのステージが長過ぎず、ボスも固すぎないというテンポの良いゲームバランスで、ダレることなく何時間もぶっ通しで遊んでしまった。昔はもう少し達者にプレイできていたのだが、悔しいことにかなり腕(動体視力?)が落ちていて、最終ステージまでは到達できなかった。

 古いソフトの中には"昔はすごい面白かったけど、(思い出補正で美化されていて)久々に遊んでみたらそこまでの感動はなかった"ということも多々あるが、「スペースハリアーII」は今プレイしてもめちゃくちゃ面白く、何年経っても色褪せない名作なのだと再確認できた。

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