【特集】
【メガドラミニ全タイトルレビュー!】「コミックスゾーン」
2次元の世界にようこそ! 漫画の中が舞台のアクション
2019年9月26日 00:00
- 1995年9月1日 発売
「コミックスゾーン」は“漫画”を題材としたベルトスクロールスタイルのアクションゲーム。漫画の中が戦いの舞台であり、主人公は漫画家スケッチ・ターナー。ある日自身が描いた漫画内の悪役、モータスが突如漫画の中から飛び出してきて、代わりにターナーを漫画の中に閉じ込められてしまう。ターナーは自分の漫画の中から脱出するために敵と戦い、コマを渡り歩き、ページを進めるというお話だ。
漫画の枠線やコマも含めて漫画の世界を舞台にするというユニークな発想が本作の全てであり、最大の魅力だ。ゲーム内のキャラクターたちが話す言葉は全て吹き出しで表示され、コマとコマの間を主人公が飛び越えて移動したり、敵を殴った時に枠線ごと吹き飛ばす演出や、ペンを持った巨大なモータスの手が出てきて、1度倒したはずの敵キャラクターを再度描きなおす事で復活するなど、漫画ならではの素晴らしいアイデアが次々と出てくるゲームとなっている。
漫画の1ページが1ステージという構成になっており、読み始めの左上からステージが開始され、右端についたところで次のステージ=次のページに進んでいく。
ターナーの攻撃は基本的にはパンチとキックのみ。道中で拾えるナイフや手榴弾などは一時的な攻撃手段として使う事ができるが、使うとなくなってしまう。メガドライブミニの場合6ボタンコントローラのため、X/Y/Zボタンにそれぞれ獲得したアイテムが割り当てられるので使いやすい。
コマからコマへと先に進めるにはコマ内のクリア条件を満たす必要がある。出現する敵を倒したり、トラップを見破るなど、条件を満たせば矢印が表示されてコマを移動する事もできるほか、コマの下部に穴が開いてそこから直接別のコマに移動する場合もある。
コマを進めると様々なイベントが発生し、バンバン会話が発生する。すべての会話は吹き出しで表示されるので、やり取りが把握しやすい。ターナーが描いた漫画内のキャラクター、アリッサは何かがあった時には、画面左上にワイプで現れてターナーを助けてくれる。また、道中で拾う事ができる鼠のロードキルはよき相棒で、ターナー自身が行けないような場所にあるスイッチを操作してくれたりと、戦闘以外の多くの場面で重宝する。
「コミックスゾーン」の難易度はベルトスクロールタイプのアクションとしては少々高めだ。比較的狭いコマの中を舞台に戦うため、上下移動ができず、常に正面から敵と当たる必要があるため、相手の攻撃を早めに見極めないとダメージを受けてしまう。ライフ制を導入しているが、自機の概念がないため、全てのライフがなくなると自動でコンティニューとなる。コンティニュー回数は決まっており、回数が0の状態でライフがなくなると、モータスが世界を征服するバッドエンドのデモが流れて戦いは終わりを告げる。
一方で敵の出現パターンや攻撃方法を把握して挑めば乗り越えられるバランスなので、中断セーブ機能があるメガドライブミニならクリアしやすいだろう。
筆者も本作は所持はしていなかったが、知人から初めて見せてもらった時の衝撃は忘れられない。背景も描きこみがかなり細かくアメコミを意識した作りになっていて、まさに文字通り、2次元の漫画の世界に主人公が入りこむという夢の世界がそこにあったのだ。メガドライブ末期のタイトルの中でもアイデアの秀逸さが光る1本で、現在カセットがプレミア価格になっているのも頷ける出来だ。
当時プレイした時は残念ながらその難易度の高さにやられ、全然クリアできなかったので、メガドライブミニで是非リベンジを果たしたい。
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