【特集】
【メガドラミニ全タイトルレビュー︕】「コラムス」
連鎖の爽快感を存分に堪能できる、落ち物パズルゲームの始祖
2019年9月13日 00:00
- 1990年6月30日 発売
「コラムス」は、元々は1990年にアーケードゲームとして登場した作品で、画面上部から落ちて来る、縦に3個並んだ宝石をフィールド上に積み、同じ色の宝石をタテ、ヨコ、ナナメのいずれかに3個以上並べて消すだけという極めてシンプルな内容の落ち物パズルゲーム。シンプルだけどヤミツキになる、普遍的な面白さを持った名作だ。
一定数の宝石を消すと、レベルが上がって宝石の落下速度がどんどん速くなり(※一部のレベルを除く)、積み上がった宝石が画面上部からはみ出るとゲームオーバーとなってしまうが、積み方次第では一度に複数のラインの宝石が消える、いわゆる連鎖が発生して瞬時にピンチを脱出できるとともに、より高い得点と爽快感が得られるのも、本作ならではの醍醐味だ。連鎖と言えば、現在ではeスポーツ競技としても使用されている「ぷよぷよ」シリーズをはじめ、落ち物パズルゲームと呼ばれるタイトルには欠かせない要素となっている感があるが、その先駆けとなった作品こそが、まさに「コラムス」なのである。
メガドライブ版では、より細かく難易度を調整したり、3分間のスコアを競う「タイムトライアル」設定で遊べるオリジナルモードに加え、特定の点滅する宝石を消すとステージクリアとなる、「フラッシュコラムス」が遊べるようになっていて、なおかつ2人で交互に宝石を操作する「ダブルス」や、対戦プレイができるのも大きな魅力だ。また、これらのモードではBGMを3種類のなかから好きなものを選べるようにもなっているので、ステージごとに自分のお気に入りの曲を決めて遊ぶのも一興だ。
「アーケードモード」では、一定数の宝石を消すごとに魔宝石が出現するのも注目ポイント。魔宝石は、積んだ際に触れた宝石と同じ色の宝石をすべて消去できる効果を持つお助けアイテム的存在で、ゲームオーバーを回避する際にはもちろん、大量連鎖を狙う場合にも文字どおり重宝し、うまく連鎖がつながった時は実に快感だ。また、魔宝石を宝石がまったく存在しないラインに着地させて消すと高得点のボーナスが加算されるので、腕に自信のある人はぜひ狙ってみてほしい。ちなみに、魔宝石は難易度EASY選択時はゲーム中に1回だけしか出現しないので、慣れてきたらMEDIUMまたはHARDで遊ぶことをおすすめする。
メガドライブ版オリジナルの機能・モードのなかでも、筆者が特におすすめしたいのは「フラッシュコラムス」だ。単に宝石を消すだけでなく、いかにして目標となる点滅した宝石をピンポイントで消すのか、落下するまでの時間と常に戦いつつ、あれこれ思案しながら遊ぶのがとても楽しく、まるでアクティブな詰将棋を解いているかのような面白さがあるからだ。
発売から30年近い年月が経つが、画面上部から落ちて来る宝石をひたすら消し続けるだけでもいまだに楽しく、ついつい夢中になって遊んでしまう不思議な魅力を秘めた「コラムス」。宝石のカラフルさと、同じ色同士をきれいに並べられた時の美しさ、そして宝石が消えた時の心地良い効果音(※特に、連鎖が続くごとに音程が上がる演出は秀逸!)や、ピンチになるとBGMが変化してスリル感を増大させるなど、プレーヤーを盛り上げるさまざまな工夫が盛り込まれているからこそ、本作はいつ遊んでも面白いのだろう。
「メガドライブミニ」に収録されている「テトリス」とともに、いわゆる落ち物パズルゲームの存在、およびその面白さを世に知らしめた歴史に残る作品であるという意味でも、この機会に絶対に遊んでおきたい1本だ。なお、「コラムス」誕生の背景は「SEGA AGES コラムスII」インタビューにて、「SEGA AGES」版の開発スタッフが詳しく説明しているので、興味のある方はこちらの記事もぜひご一読を。
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