【特集】

【メガドラミニ全タイトルレビュー!】「アリシアドラグーン」

自動照準の稲妻で戦う少女アリシアと、仲間のモンスターの活躍を描く

1992年4月24日 発売

 ゲームアーツのメガドライブタイトルというと、「シルフィード」や「LUNAR ザ・シルバースター」などのメガCDタイトルがよく知られているが、数少ないロムカートリッジで発売されたのが、この「アリシアドラグーン」である。

 本作は竜の血を引く主人公「アリシア・ディーナ・レイン」が4体のモンスターを引き連れ、邪神の復活を阻止するための旅を描いたメガドライブオリジナルのアクションゲームで、ガイナックスや幡池裕行氏など、ゲストクリエイターを招いてのプロジェクトにて製作されたタイトルだ。

ステージ開始時に一瞬だけ姿を現わすアリシア。見逃さないように
邪神を蘇らせようとする邪教の教祖ドルガー

 主人公アリシアの武器はその手から放出する稲妻だ。「全方位全自動照準稲妻」と銘打たれたこの攻撃は、アリシアが向いている方向の広範囲の敵に自動的に照準を合わせて攻撃してくれるというもの。敵が複数現われれば複数の稲妻がバリバリと放たれ、これがかなり気持ちいい。

 ただし稲妻にはエネルギーがあり、撃ちっ放しにするとそれが減っていき、エネルギーが尽きると自動的に回復するまで次が撃てなくなってしまう。シューティングゲームのように撃ちまくるのではなく、適度に撃つのを止めてエネルギーの回復を待つことを意識するのが、本作の戦い方の基本となる。実はこの自動照準の稲妻の仕組みは、過去にゲームアーツがPCで発売し人気を博したアクションシューティング「テグザー」の流れを汲んだものだ。

敵を自動追尾する稲妻。敵が多い場合は複数の稲妻が発射される
稲妻はアイテムを取ると色が変わり、強力になっていく。レベルアップアイテムを探そう

 本作のもう1つの大きな特徴が、アリシアが連れている4体のモンスターだ。彼らのいずれか1体を選んで画面に出しておくと、自動的に攻撃を行なってくれる頼もしい存在で、その攻撃方法も種類によってまったく異なっている。正面に炎を吐く「ファイアー・ドラゴン」、体当たりして攻撃する「バーニング・スフィア」、電撃で画面全ての敵にダメージを与える「サンダー・バード」、曲線を描いて飛ぶブーメランを投げる「ブーメラン・リザード」がいて、戦況などに応じていつでも入れ替えが可能だ。オプションキャラクター的な存在で、一緒に戦っていると愛着がわいてくるはず。

 攻撃もアリシアにはできないことばかりなので、上手く選んで戦えば頼もしい味方となってくれる。ただし彼らは無敵ではないため、HPが減ったら交代させたり、引っ込めたりすることも重要となる。

前方に拡散する炎を吐くファイアー・ドラゴン
アリシアの後方に位置して敵に触れるとダメージを与えるバーニング・スフィア
こちらはブーメラン・リザード。モンスターは右上のゲージが一杯になると、攻撃を繰り出す
敵全体を攻撃するサンダー・バードは強力だが攻撃の間隔が長い

 アリシアの稲妻は強力だが万能というわけではなく、さらに敵の攻撃はゲーム全体にわたって激しいため、難易度はかなり高めだ。アリシアはダメージを食らったときの無敵時間が短いのでダメージ覚悟でのごり押しは通用せず、稲妻のゲージを意識しながら、敵を確実に倒して少しずつ進めていくのが攻略のコツとなっている。またボスにもしっかりとした攻略法があるので、メガドライブミニで遊ぶ時は中断セーブを上手く使って、その動きや攻撃などを見極めて戦おう。

巨大な生物の姿をした飛行戦艦の中を進んでいくステージも
ボスは個性的な攻撃方法を持つ強敵揃いだ

 筆者はこの「アリシアドラグーン」にはちょっとした思い出があったりする。若い頃にアシスタントとして所属していたメガドライブの雑誌の編集者とゲームアーツの開発者の仲がよく、その関係で、本作の開発中にテストプレイ要員として、ゲームアーツに1日派遣されたことがあるのだ。ゲームは開発中からかなり難しかったが、それでも何度もやり込むことで1日でクリアできるぐらいまで上達してしまったことを覚えている。筆者のようなテストプレーヤーのせいで本作の難易度がさらに上がってしまった……とは思いたくないが、果たしてどうなのだろうか?

制限時間はないので、ステージに隠されたアイテムを探して確実に取るのも重要だ

 今回メガドライブミニに収録されたタイトルの中でもかなり難易度の高いタイトルだが、不条理ではなく、やり込むことで必ず突破口が見えてくるので、中断セーブなども駆使して、ぜひエンディングまでたどり着いてみてほしい。

ゲームオーバー後には、プレイの成績と称号が表示される

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