【特集】
【メガドラミニ全タイトルレビュー︕】「レッスルボール」
対戦バトルが熱いオリジナル格闘スポーツゲーム
2019年9月28日 00:00
- 1991年2月8日 発売
「レッスルボール」はサッカーやラグビー、アメフトなどをごちゃっと混ぜつつ、その殆どのルールを省略するという大胆なスタイルで作られたオリジナルスポーツゲーム。開発はバンダイナムコ(当時はナムコ)で、これまでアーケード移植を多くリリースしてきた同社としては珍しく、メガドライブ専用のタイトルとなっている。
画面は真上からの見下ろし視点。ゲームのルールはシンプルで、ボールを相手チームのゴールにシュートするか、手に持って直接ゴールに持ち込む事でスコアが加算され、より多くのスコアを獲得したチームが勝ちとなる。ボールはサッカーのように足だけでドリブルしてキープしたりシュートする事もできるし、手を使ってボールを持つブリングで抱え込んで、ラグビーのように直接ダッシュしてゴールに持ち込んでも構わない。シュートの場合1点、ボールを持ったままゴールに飛び込むタッチダウンを決めれば3点だ。
ドリブルだと多少速度が下がるが、威力が調整できる足を使ったシュートやパスが使えるのが大きい。手でボールを抱え込むブリングの場合シュートは撃てず、パスも短距離しか届かない手投げのハンドパスになるが、その分、移動速度はかなり速くなるメリットがある。
フィールド内には所狭しと双方のチームの選手たちが動いており、ボールを持ってる相手に対してのタックルだけでなく、ボールを持たない選手に攻撃しても反則にはならない。結果、ボールそっちのけで選手同士がフィールド上でバトルするような展開もアリなバトル重視のスポーツなのだ。
操作にはちょっとクセがある。何しろ3ボタンで多くのアクションに対応する必要があるため、タックルやシュート、パスなど多くのアクションがボタンを長押しすることで効果を高められるようになっている点には注意が必要だ。
例えば相手に対するタックルは普通にAボタンを押すだけだと相手のボールを奪ったり行く手を阻む事ができる軽いものだが、カーソルの色が変わるまでちょっと長押しして離すと、相手にダメージが与えられる威力の高いタックルに変化し、カーソルが点滅するまで押し続けてから離せばさらに2倍のダメージを与えられる強力なタックルとなる。威力が同じでも選手の体型によって技の種類が変わったり、状況に応じてコンピュータの判断で色んな技を繰り出すようになっているのが面白いところ。
チームはデフォルトで8チーム、裏技を使うと4チーム追加でき、最大12チームから選択できる。チームごとにステータスのデフォルト値がかなり異なるので、好みやスタイルに応じてチームを選択するといいだろう。
チーム内の選手たちにはそれぞれポジションがあり、その役割に応じて通常はCPUが操作し、状況に応じてプレーヤーがどれか1人の選手を操作する。選手のポジションは多く用意されており、ゴールキーパー(GK)やスウィーパー(SW)のようなわかりやすいものもあれば、中にはライトニンジャ(LN)やジェネラル(GR)といったユニークなポジションも用意されている。とはいえゲームが開始するとゴールキーパー以外は区別がつきにくいので、あまり気にしなくてもいいだろう。
ポジションごとに選手たちにはステータスが設定されており、最大値は100。チーム選択後、ゲーム開始前にボーナスポイントを割り振れる場合もあり、ここで自身のプレイスタイルに合わせてステータスを調整できるがデフォルト値から減らすことはできない。ステータスはスピード(SPD)、キック(KIK)、パワー(POW)、STA(スタミナ)、ACC(正確さ)の5種類があり、チームごとに特色が異なる。
なお、ボールを使った通常の試合とは別に、1画面固定のステージ内で互いに相手にタックルを当てて戦うだけのバトルロイヤルモードも用意されているので、このモードでタックルのコツをつかむのもいいだろう。バトルロイヤルは通常の試合でも、スコアで決着がつかなかった場合に登場し、PKの代わりのように使われている。
本作の最大の魅力はアクション性の高さだ。前述の説明だけだと最速のキャラクターを用意してひたすらブリングでダッシュして相手側のゴールを目指せばガンガンスコアが稼げそうに見える。だが実際にプレイしてみると、それはほぼ不可能である事が分かる。
というのもフィールドはあまり広くなく、それでいて双方の選手が密集し、ボールに向かって群がってくる。そして怒涛のタックルがこちらを襲ってくるのだ。この相手チームのタックルをかわして敵陣に向かうのはかなり難易度が高い。
ではタックルの強いキャラが最高か、と言われるとそれもまた異なる。いくらタックルが強くても移動速度が遅いとすぐに相手チームに追いつかれて逆にこちらがタックルを食らってしまうし、タックルに対する耐久度としてスタミナも用意されており、これが低いとタックルでダウンさせられてしまう。ダウンした選手はしばらくの間、動くことができなくなるため、こうしたいくつかのステータスの割り振りがかなり重要になる。
タックルについては、お互いに選手の数が多く、3パターンもやり方があるので、ちょっとしたじゃんけんのような駆け引きも面白い。例えば、相手が威力の高いタックルを使おうとしてるなら、1番軽いタックルで先制して相手のタックルを阻害するといった感じだ。とはいえ、試合全体のペースがかなり速いため、目で見て判断する余裕はあまりなく、ついついタックルのAボタンを連打してしまいがちになってしまうので、タックルの使い分けの操作を体に覚えさせることが重要になる。強力なタックルと軽いタックルが使い分けられるようになると、試合運びもスムーズになってくる。
シュートについても同様で、ある程度Aボタンを長押しして威力を増加させて打たないとゴールするのは難しい。この辺の操作感覚が身に着くと一気に楽しくなってくる。
また、サッカーの感覚だとゴールキーパーにボールを取られたらその時点で攻撃が終わりとなるが、本作の場合、ゴールキーパーに対してタックルを仕掛ける事もできる。実際筆者はコンピューター相手によくタックルを仕掛けられ、ボールをこぼしたところをシュートされたり、タッチダウンされて点数を取られた。この辺の感覚の違いも意識しておくのが大事だ。
そしてもう1つ、本作においてチーム選びは非常に重要だ。チームごとにデフォルトのステータスの振り方に特徴があるが、最初のうちはSPD、KIK、POW辺りを重視したチーム選びをお勧めしたい。
例えば筆者は当初、パックマンのロゴがかわいい「NAMCO STARS」を選択していたが、何度挑戦しても対戦チームに全く歯が立たなかった。タックルをしても耐えられ、逆にこちらがタックルを食らうとあっさりとダウンしてしまう。さらに強力なシュートを受けたキーパーまでもダウンさせられて、そのままゴールを奪われてしまうと散々な状態だった。そこで他チームの選手データと比較して各チームの特色をチェックしてみた。すると、NAMCO STARSはパスやシュートの正確性を示すACCは全員最大値なのに対して、SPDやKIK、POW、STAなど他のパラメータが軒並み低い。ボーナスポイントは高めだが、選手全体のステータスが低いのでちょっと足りない。
そこで正確性よりもPOWやKIKなどのパラメータが高いUSAなどのチームを試してみたところ、タックルを食らっても簡単にダウンしないし、ある程度相手の攻撃を耐えつつシュートしたりと、試合運びが格段にやりやすくなった。
もちろんプレイし続けて、タックルをかわすテクニックや効率的なタックルやシュートができるようになってくれば、どのチームでも互角に戦えるようになるかもしれないが、初めてプレイする場合は、この辺を意識してプレイすることをお勧めしたい。
本作のもう1つの魅力は2P対戦だ。ルール自体がシンプルなので、初めてでもルール自体は簡単に把握できてとっつきやすいのは間違いない。ボールがない状態での選手同士のタックルのぶつけ合いが反則にならないルールだからこそ、ボールの流れを無視してでも、ガンガンと互いにタックルしあって遊ぶのは最高に盛り上がる。
一方で前述のとおりタックルやシュートの長押しのコツを把握してるかどうかで、実力差がかなり出てしまうので、初めての人と対戦する時はその辺をレクチャーしつつ、手加減しつつ楽しむのがいいだろう。
魅力的な本作だが、他機種への移植はほとんどなく、メガドライブだからこそ楽しめる1本だ。1人でのプレイももちろんだが、2台のコントローラーと2人のプレーヤーがいるなら是非対戦プレイも遊んでみてほしい。
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