【特集】

【メガドラミニ全タイトルレビュー!】「ストーリー オブ トア ~光を継ぐ者~」

見下ろし視点のアクションRPG

1994年12月9日 発売

 「ストーリー オブ トア ~光を継ぐ者~」はエインシャント開発のアクションRPG。見下ろし視点で主人公のルオ王子を操作して、フィールドを移動したり、ダンジョンや神殿に入り、謎を解き明かしていく。

 オープニングはルオ王子が孤島で伝説の「司る金の腕輪」を発見し、腕輪を装着したところから物語が始まる。腕輪から語りかけられたルオ王子は金の腕輪と対になっている「創る銀の腕輪」の持ち主が古の魔人を復活しようとしていると告げられる。世界を滅ぼす存在の魔人の復活を阻止すべく、冒険に出る事となる。

 「ストーリー オブ トア」の世界観はアラビアンナイトを意識しているのか、ルオ王子や村や町の住人が映画「アラジン」などで見かけるようなアラブやイスラムっぽい雰囲気の恰好をしているのが斬新だ。この手のアクションRPGの場合、いわゆる西洋ファンタジーの世界を舞台にしたタイトルが多いので、こういう差別化は新鮮な気分でプレイできるので好印象だ。

 ルオ王子は武器として短剣を常備しており、通常はこの短剣とキックを駆使して敵と戦う。戦闘のアクションを見ていると、ベルトスクロールタイプのアクションゲームの感覚だが、フィールドを見下ろし視点で移動する様子は「イース」などのアクションRPGを彷彿とさせる。何とも不思議な、それでいて妙にしっくりとくる組み合わせのアクションRPGとなっている。

 その他にもユニークなのはコマンドの入力により、通常の攻撃と異なる必殺技が繰り出せる点だ。例えばカーソルを一回転してBボタンを押す事で「回転斬り」という強力な技を出せる。また、物語を進めていくと水・火・闇・緑の精霊たちを金の腕輪の力で従える事が可能で、精霊を手に入れた後は魔法が使えるようになる。この魔法についてもAを1回押し、2回押し、長押しで貯めて離すなどのコマンド入力で使うことができる。

 道中では敵を倒すと様々なアイテムをドロップするほか、宝箱からはさらに強力な武器を入手することもできる。ただしほとんどの武器は使用回数の制限がある消耗品の扱いで、何度か使っているといつの間にか手元から消えてしまう。威力は高いようなので、普段から強い武器は使わずに、いざという時のためにキープしながら使っていくのがよさそうだ。

 フィールド上のキャラクターは敵味方ともかなり大きめのサイズに設定されており、画面上を所狭しと敵味方が動き回る。それに加えて神殿やダンジョンの最奥部にはさらなる巨大なボスが登場するので、迫力は満点だ。

ゲームを起動するといきなりデモシーンが展開する。でもいきなり黄金の腕輪からこんな事言われて、素直に装備しちゃいますかねぇ?
村の人々の服装などを見てるとアラビアンナイトのテイストを感じられる
フィールドやダンジョンなどを移動していると、「イース」シリーズなどの見下ろしアクションRPGのテイストが感じられるが戦闘はベルトスクロールタイプのアクションなのだ

 「ストーリー オブ トア」は実は今回のメガドライブミニでのプレイが初見だ。タイトルから内容が分かりにくいこともあり、実は家にはあったのだが、プレイするのを敬遠していたのだ。ところが今回初めて触れてみると、気が付けばかなり長い時間プレイしてしまっている自分がいた。

 理由はシンプルでアクションが気持ちいいのだ。敵との距離を探りつつ、隙を見て一気に近づいて連打で敵を仕留めていく。神殿やダンジョン内には仕掛けが多く施されており、そうした謎を解きつつ奥に進んでいく、正に純粋な冒険感覚が味わえる。従来のRPGのような経験値稼ぎも不要で、フィールドを歩き回っているだけでも楽しい。

 また、やけにBGMが耳心地いいなと思って調べてみると、なんと音楽は全て古代祐三氏が担当していると書かれていて驚愕した。同氏は「イース」シリーズの音楽を担当したアーティストで、筆者はパソコンゲームの時代からの同氏のファンだったため、これは最後までガッツリプレイしてクリアしないといけないと決意を固めたところだ。

 あまりメジャーなシリーズではなく情報も少ないため、プレイしたことがない人も多いかもしれないが、アクションゲームが好きな人は元より、今回メガドライブミニを購入した人すべてに1度はプレイしてもらいたい1本だ。

なぜか1度プレイ開始すると、ずっとプレイし続けてしまう中毒性がある。理由はシンプルで、敵とのバトルが面白いのだ
巨大なボスも出現する
宝箱から長剣をゲット! リーチが伸びるのでより戦いやすくなったが、使用回数の制限があるようで気が付くとなくなってしまった
コマンドの入力で必殺技を出す事もできるのはなかなかユニークだ
水の精霊の神殿では、一定時間ごとに水流が流れてくるトラップが仕掛けられていた。ここはジャンプをうまく活用することで回避できた
無事に水の精霊ディトを従えさせることができた。先はまだまだ長いが、それはそれで楽しみだ

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