【特集】

【メガドラミニ全タイトルレビュー!】「ロード・ラッシュII」

「GTA」の魂を感じる妨害し放題のバイクレース

1993年7月23日 発売

 「ロード・ラッシュII」はエレクトロニック・アーツ・ビクターから発売されたバイクによる公道レースゲームの2作目だ。擬似3D視点のバイクゲームは「ハングオン」など、セガを含む多くのメーカーが発売していたが、本シリーズの一番の特徴は「何でもアリ」のバイクレースという点だ。

 プレーヤーはバイクに乗りながらライバル相手に殴りかかることができる。相手はチェーンやバットで反撃してくるので、それをかわしつつ、さらに相手の武器を奪ってこちらで使う事もできる。レースを完走できれば賞金がゲットできるので、この賞金を貯めてさらに高性能なバイクを購入してレースに挑み続けていく。

 エレクトロニック・アーツの名前の通り、本作は海外開発のゲームだ。バイクの種類は豊富だが、全体的に割とピーキーで、ジャンプはかなり派手に高く飛び上がるなど、バイクのレースゲームとして見るとその挙動はちょっと大味に感じられた。一方でBGMはちょっとコミカルな雰囲気で真剣なレースをやってる雰囲気は皆無だし、ゲームクリアやリタイア時に流れるデモシーンはどれもふざけた内容の物ばかりなので、和む。

本作最大の特徴はプレーヤーもライバルも共に武器や素手で殴りかかってレースを妨害できることだ。敵の武器はうまくかわすと奪い返してこちらが使う事ができる
賞金を貯める事で色んなバイクを買う事ができる。バイクはどれも操作感が異なるので、新しいバイクに乗り換えたらすぐに簡単に勝てるようになるわけではない。無理せず操作に慣れるように努めるのも大事だ
完走、リタイアに関わらず、レースを終えるとデモシーンが入る。今回はクラッシュした時のデモシーンだが、自分のために来た救急車かと思ったら大事そうにバイクを乗せていってしまうというベタなオチ
デモシーンのあとはNPCたちから声がかけられる。バイクがクラッシュした時は修理屋が現われ、修理代を持っていってしまう

 公道レースのため、道にはライバルのバイク以外に野生の動物が道路に飛び出したり、車が走っていたりと様々な障害が登場する。公道のため、警察も出動してこちらを逮捕しようと狙ってくる事もある。こうした障害を乗り越え、ゴールするだけでも至難の業だ。

 リタイアの条件はいくつかあるが、バイクに耐久度があり、車に衝突したり、動物に激突したりすると、どんどん耐久度が減っていき、これが0になるとバイクが爆発して「WRECKED」となってしまう。すると救急車がやってきてしまい、レースが続行できずリタイアとなる。この場合、バイクの修理代をバイク屋から請求され、手持ち金が減らされてしまうのだ。

 このクラッシュした時の自分のキャラクターの動きが実にユニークで妙にリアルだ。何しろバイクから振り落とされたキャラクターは激しく前方に吹っ飛ばされてしまうのだ。そしてバイクまで走って戻る羽目になるのだが、この時カーソルを操作する事でキャラクターを操作する事もできる。残念ながら自由度はそこまで高くないし、正直放置して自動でバイクに戻らせるのが一番早いのだが、ここでキャラクターを操作させようというアイデアが面白い。

 他にも本作ではコースの途中に白バイの警官が待機しており、途中から並走してこちらを追いかけてくるようになる。もちろんブッチぎってしまえれば問題はないのだが、警官が並行して走ってる時にクラッシュしてしまうと「BUSTED」と表示され、その場で捕まってしまう。だ。こうなると罰金が発生し、手持ちのお金から支払う事になってしまうのだ。

 完走するコツはとにかくクラッシュしない事だ。そのためには道路だけでなく、道路の外の道なき道も活用するように意識する事で大分スタイルが変わってくる。例えば自動車が道の片側を塞いでいるような時は無理に隣の車線を走らず、さらに外の道路外に出てしまってもいい。もちろんバイクの速度は下がってしまうが、それでもクラッシュせずに自動車をパスできれば、他のライバルたちには比較的簡単に追いつける。ここで無理をして自動車に接触したり、目の前に突然出てくる動物に激突してクラッシュしてしまう方がよっぽど危険だ。

公道レースだけに、道路上にはレースとは無関係の自動車が走ってるほか、突然野生動物が飛び出してくることがあってビビる
クラッシュして吹き飛ばされたキャラクターはバイクまで走って戻る必要があるのだが、この時の動きがとても間抜けでグッドだ
一定以上のダメージを受けたバイクは爆発してしまい、リタイアになってしまう
白バイ警官が並走してる時に転んでしまうとその場で逮捕されてしまう
警察に連れていかれると婦警さんにお説教されて罰金を支払う羽目になる

 ひと通り「ロード・ラッシュII」について触れてみたが、こうやってゲーム内容に触れている時、ふと筆者の脳内には、とある1本のシリーズのタイトルが浮かんできた。妨害可能な公道レース、警察の追跡、賞金、コミカルな雰囲気……そう。「Grand Theft Auto」(以下、GTA)シリーズだ。本作には「GTA」シリーズのテイストを非常に色濃く感じるのだ。

 もちろんゲーム内容は全く別の物だし、自由度もせいぜいクラッシュした時にキャラクターを操作できる程度だし、歩行中に武器を振り回せるわけでもない。それでも運転しながらパンチや武器を使ってライバルを蹴落としつつ順位を上げていく様子にはまさにGTAシリーズの公道レースと同じテイストを感じるのだ。だからか分からないが、大味な操作にも比較的早くに慣れることができて、途中からはトップを独走できるようになった。

 ゲームとしては一昔前のバイクレースゲームだが、作品全体から感じられるコミカルさは是非1度プレイして、そのテイストを味わってみてほしい。

オプションからはプレーヤーの名前を変更したり、パスワードを使って状態を保存できる。パスワードは8桁の英数字だが、0とO、1とIが紛らわしいのでメモを取る時は慎重に。パスワードの入力に成功すると成功した旨のメッセージが英語で表示される。……正直、素直にメガドラミニの中断セーブを駆使したほうが良さそうだ
オプションのモード変更で上下2分割による2人同時プレイも可能だ

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