【特集】
新規収録9タイトルのレビューもやるぞ! 「メガドライブミニW・アジアエディション」開封レポート
2020年3月23日 00:00
- 3月25日 発売
- 【メガドライブミニW・アジアエディション】
- 価格:8,980円(税別)
「メガドライブミニW・アジアエディション」がいよいよ3月25日に発売となる。国内版(日本版)の「メガドライブミニ」、海外版の「Sega Genesis Mini」に続く、第3の「メガドライブミニ」である。実は台湾や韓国などですでに発売されているものだが、今回日本でも発売されることとなった。
本商品の最大の魅力は、国内版「メガドライブミニ」では遊べない9本のタイトルが新規収録されているところ。GAME Watchではこの9タイトルのレビューを順次掲載していきたい。本稿では「開封レポート」として、発売に先がけて「メガドライブミニW・アジアエディション」の総合的な魅力を語っていこう。
さらに今回、「Sega Genesis Mini」も入手したので、こちらも合わせて紹介したい。メガドライブのファン、そう、“メガドライバー”ならば、国内版を合わせた3つを入手し、よりディープに「メガドライブの時代」を保存し、後世に語り継いでいきたいところだ。
日本版とは一味違う「メガドライブの楽しさ」を味わえる9本のタイトル
「メガドライブミニW・アジアエディション」は、外見に限っては国内版の「メガドライブミニ」と同じである。こう書くと身も蓋もないが、国内版と並べると全く違いがない。パッケージには赤と緑のメガドライブのマークの下に、「ASIA EDITION」の文字があるところが違いだろう。
箱から出すと全く同じだ。国内版と並べてみても違いがわからない。逆に撮影後どちらがアジア版か忘れないように注意が必要だった。裏を見ると“型番”が違うがそれこそ比べないとわからない違いだ。
「メガドライブミニW・アジアエディション」は、“W”とあるとおり、コントローラが2つ入っている。このため「ぷよぷよ」や「スノーブラザーズ」、「ゴールデンアックス」など2人で遊びたいタイトルで、最初から2人で遊べるのは嬉しいところだ。昨今ではネットを通じた協力プレイや対戦が当たり前となっているが、やはり友達と肩を並べてゲームをプレイする感触は楽しいし、懐かしさもひとしおだ。6ボタンパッドの使いやすさも改めて感じた。
また、改めてメガドライブのミニチュアとしてのデキの良さも愛でておきたいところ。金色に輝く16BITの文字、黒一色の本体に渋いワインレッドのピンポイントに、青いリセットボタン。ダミーの音量スイッチも再現しているところが楽しい。あの頃遊んでいたメガドライブがそのまま縮小されている本体は、手に持つと様々な思い出がこみ上げる。……しかしPCエンジンやファミコン、スーパーファミコンと比べるととがったデザインだ。「家庭用ゲーム機」よりも“ガジェット”ともいうべきメカニカルなデザインである。
「メガドライブミニW・アジアエディション」の大きな魅力、国内版「メガドライブミニ」との大きな違いはやはりソフトにある。
アジア版は国内版では収録されていない「ヴァーミリオン」、「ストライダー飛竜」、「アイラブミッキーマウス ふしぎのお城大冒険」、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」、「ワンダーボーイV モンスターワールドIII」、「ぷよぷよ」、「OutRun2019」、「シャイニング・フォースII 古えの封印」、「エイリアンソルジャー」の9タイトルが収録されているのだ。代わりにアジア版には「レンタヒーロー」や「ストリートファイターIIダッシュプラス」などがなく、収録タイトルの総数は変わらない。
なお、本稿の最後に、今回新規収録している9タイトルのレビューリストに加えて、メガドライブミニ特集で掲載した「メガドラミニ全タイトルレビュー!」も掲載しているが、アジアエディションでは遊べないタイトルもあるのでこの点は注意していただきたい。
新規収録タイトルの詳細については各タイトルレビューに譲るが、9タイトルはどれも魅力的だ。特に現在はまぼろしとも言える「エイリアンソルジャー」は触ったことがないというメガドライバーもいるのではないだろうか。激ムズの難易度の向こうに、攻略法を見つける事で突破口が見えてきて、プレーヤーキャラクター“イプシロン2”になりきって並み居るボスを打ち倒すことができる。自分が何者にも負けないような“万能感”を得ることができるゲームである。
メガドライバーの誇りである「ソニック」を世界中にアピールした記念すべき第1作「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」や、大ヒットとなった「ぷよぷよ」、8メガロムで孤高の暗殺者・飛竜の華麗なる戦いを表現した「ストライダー飛竜」などアジア版のタイトルは「国内版にも入れて欲しかった」と思えるタイトルが多い。
このためファンにとって「両方揃えたい」と思う人も少なくないのではないか。「メガドライブミニW・アジアエディション」は日本では数量限定販売のため、売り切れになってしまっていたが、3月19日、4月販売分の予約が開始された。
「メガドライブミニW・アジアエディション」も国内版同様、言語設定を英語にするとメニューがジェネシスに変わる。言語設定でプレイ可能になるタイトルは、セガが公式ページで紹介しているので、こちらを参照して欲しい。その中でも、アジア版を手にしたユーザーにぜひ遊んでもらいたいのが「Dr. Robotnik's Mean Bean Machine」。実は「ぷよぷよ」の欧米版なのである。Dr. Robotnikは「ソニック」シリーズの悪役、ドクター・エッグマンの別名。オリジナルの「ぷよぷよ」とは全く違う世界観は、ぜひ見て欲しい。
あふれ出る“洋ゲー”な雰囲気。「Sega Genesis Mini」の感触
今回、アジアエディションと合わせて、もうひとつの海外版である「Sega Genesis Mini」にも触っていきたい。こちらはアジア版以上に“違い”が楽しいハードである。「Sega Genesis Mini」はパッケージも本体も国内版とは大きく違う。改めて「北米版メガドライブはこんな姿だったのか」と感心するところがある。特に白いリセットボタンは印象的だ。
そしてメガドライバーにとって楽しいのは「3ボタンパッド」だろう。1988年に発売された日本のメガドライブにも標準で同梱されていたこの大きなコントローラは、改めて威圧感があり、手にもずしりとした重さがある。あらためて操作がしやすくなった6ボタンパッドを手にしたときの気持ちが思い出される。
3ボタンパッドは筆者のような“現役のメガドライバー”だった過去を持つ者には、郷愁を感じさせるアイテムだ。このパッドと共に、様々なゲームをプレイしてきたのだ。ちなみに3ボタンパッドは別売もされているので、入手したいというユーザーはその願いを叶えることができる。
ゲーム画面の説明に移ろう。やはり言語設定を英語にしてのメニューの“圧力”がすごい。「日本と北米はここまで文化が違うのか」という驚きをその時代のパッケージから感じることができる。ゲームそのものは同じなのだが、当時の北米版パッケージは全く違うのだ。
収録タイトルもかなり異なる。「エターナルチャンピオンズ」、「カメレオンキッド」、「ライトクルセイダー」……中でも「ベクターマン」というタイトルを筆者は知らなかった。かなり難易度の高いステージ突破型のアクションゲームで、「Sega Genesis Mini」収録タイトルらしいと感じたゲームだった。
そう、「Sega Genesis Mini」は国内版以上に時代を感じさせるアクションゲームタイトルが多いのだ。「アレックスキッド 天空魔城」や、「獣王記」などメガドライブ初期のタイトルも収録されていて、クセの強い、歯ごたえのあるアクションゲームの比率が高い印象がある。より初期のメガドライブ像が伝わってくるラインナップであり、欧米でどういうタイトルが受けていたかを感じられる。
改めて「日米文化史/ゲーム史」を語る上で、「メガドライブミニ」と「Sega Genesis Mini」を比較するというのも面白いと思うし、資料的価値の高い商品だとも感じた。今回3つのメガドライブミニを触り、改めてメガドラ異聞の魅力、当時大好きだったゲームの面白さを再確認できた。筆者の個人的な想いとしては、やはり「メガCDミニ」が欲しい。もちろんその後の展開も期待したい。今後も注目していきたいところだ。
GAME Watchではこの開封レポートに留まらず、9本の国内版では収録されていないタイトルを紹介していきたい。激ムズの難易度の先にプレーヤーしか到達できない世界が見える「エイリアンソルジャー」、光剣“サイファー”の切れ味に夢中になる「ストライダー飛竜」、“伝説”の原点である「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」など、どれもが魅力的なタイトルばかりだ。ぜひ楽しみにして欲しい。
メガドライブミニ アジアエディション収録タイトルレビュー! |
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ストライダー飛竜 |
ぷよぷよ |
OutRun2019 |
シャイニング・フォースII 古えの封印 |
ヴァーミリオン |
アイラブミッキーマウス ふしぎのお城大冒険 |
ソニック・ザ・ヘッジホッグ |
ワンダーボーイV モンスターワールドIII |
エイリアンソルジャー |
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