【特集】

【メガドラミニ全タイトルレビュー!】「VAMPIRE KILLER(バンパイアキラー)」

「悪魔城ドラキュラ」シリーズの幻のタイトルをついにプレイできる日が訪れた!!

1994年3月18日 発売

 現在では入手困難な幻のタイトル、KONAMIのゴシックホラーアクションゲーム「VAMPIRE KILLER(バンパイアキラー)」。「悪魔城ドラキュラ」シリーズの11作目にして、メガドライブ唯一の「ドラキュラ」である。「ドラキュラ」ファンとしては予てから触れたかった本作。ついにプレイできる喜びを噛みしめながら遊んでいきたいと思う。

メガドライブミニの目玉タイトルともいえる、極上の1本

 「VAMPIRE KILLER」がリリースされたのは1994年。同年にはセガの新ハード「セガサターン」が発売されるという時期で、メガドライブのソフトとしてはかなり後期のタイトルである。次世代機に移り変わろうとするタイミングでリリースされるタイトルは出荷本数が少なく、後にプレミアが付くケースがままある。本作も例外ではなく、現在では中古品でも5万以上の値段で取引されていたりする幻のソフトなのだ。

 去年のセガフェス2018でメガドライブミニが発表されたときは、正直を言うと喜びはあったものの“買うかどうかは収録タイトル次第”と様子見の構えであった。しかし、収録タイトル発表第1弾で「VAMPIRE KILLER」が収録されると知り、筆者は即購入を決意した。プレイできる機会なんて無いだろうと諦めていたタイトルだっただけに、平成最後の大歓喜であった。

KONAMIの公式ホームページでもプレミア品と言われている、メーカー公認のレアゲーである

 メガドライブミニ熱が一気に上がっていた頃、初報の収録タイトル発表から数日後、以前よりアナウンスされていた他機種でリリース予定の「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」の収録内容も発表された。なんとこのタイトルにも「VAMPIRE KILLER」が収録されているのだ。

 ほんの少しだけ喜びが削がれた感はあるものの、筆者のこだわりとしては、過去にプレイできなかった「VAMPIRE KILLER」を“メガドライブでプレイできる”というのが重要なのだ。ゲームの内容としてはどちらも同じなので気持ちの問題ではあるのだが、実機により近い環境で楽しみたいという、周りからは共感され辛いファンならではのこだわりである。

 シリーズがまとめてプレイできる「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」はもちろん配信日にダウンロードしたが、「VAMPIRE KILLER」だけはメガドライブミニで初見プレイを堪能するためにプレイせずにとっておいた。純粋に楽しむ準備は万端だ。

当時としては高グラフィックスのオープニングのムービー。味わい深いドット絵にテンションが上がる

多彩なアクション、サウンド、遊び応え。これこそが「悪魔城ドラキュラ」だ!!

 本作は「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」以降の探索型のアクションゲームではなく、シリーズ初期のステージクリア型のアクションゲームとなっている。シリーズ他作品にはない最大の特徴は、能力の異なる2人の主人公から使用キャラクター選択できるということだ。

 主人公の1人「ジョニー・モリス」は、吸血鬼ハンターの名門であるベルモンド家の血を引く、モリス家の吸血鬼ハンターである。シリーズ伝統の武器「鞭」を使って戦う王道なキャラクターで、攻撃の他に、天井に鞭を引っかけて空中移動ができる「ロープアクション」も可能だ。

シリーズ伝統の鞭を使うジョニー
ジャンプ時は斜め攻撃も可能
ロープアクションを駆使すれば、足場のない場所も進むことができる

 そしてもう1人の主人公は「エリック・リカード」。恋人を吸血鬼に変えた「エリザベート」への復讐のためバンパイアハンターとなった青年で、ドラキュラ伯爵の実子である「アルカード」から受け継いだ妖槍、アルカードスピアが武器となる。攻撃スピードが少々遅く、天井にぶら下がるアクションは持ち合わせていないという、ジョニーとはアクションがガラリと変わる。

 ロープアクションは無いものの、エリックならではの強みも多い。ジョニーよりも攻撃のリーチが長く、それに加えて地上で左右斜め上へと真上への攻撃が可能。さらに固有能力の「ハイジャンプ」もあり、これを使うことでステージをショートカットして進むこともできる。

ジョニーと違い、攻撃できる方向が多い
しゃがんでパワーを溜めると、ハイジャンプができる。ハイジャンプ中は無敵効果もあり

 全体のキャラクター性能から見るとエリックの方が有利な点が多そうだが、「悪魔城ドラキュラ」シリーズファンとしてここは伝統の鞭を使うジョニー・モリスでプレイしていく。ステージ1から「悪魔城ドラキュラ」らしいおどろおどろしい雰囲気が出ている。ゾンビやスケルトンなどのモンスターも瞬間的に拒否反応が出るほどの不気味さ(誉め言葉)だ。ボスの動きもアニメーションのパターンが多く、ヌルヌルと動く表現は当時の作り込みのスゴさを感じる。

 世界観やゲーム性もさることながら、音楽も「悪魔城ドラキュラ」シリーズの魅力の1つである。ダーク感漂うドラキュラサウンドはたまらなくカッコよく、それは「VAMPIRE KILLER」でも健在。現在では「悪魔城ドラキュラ」を代表する作曲者の山根ミチル氏だが、シリーズへの参加は本作が初。シリーズ1発目にして「悪魔城ドラキュラ」の世界観を見事に完成させている。

ファンにはたまらない不気味なモンスター
シリーズ楽曲を網羅したボックスを即購入するほど、筆者もドラキュラサウンドの大ファンである

 「悪魔城ドラキュラ」といえば歯応えのある高い難易度でも有名だが、本作は他の作品と比べて難易度は抑え気味のゲームバランスになっている。とはいえ、シリーズで見ると簡単な部類なだけであり、アクションゲーム全般から見れば簡単とは言い難い絶妙な難易度だ。

 初見プレイでも詰まることなく調子良く進めていたのだが、ステージ3のボス「ガーゴイル」戦から難易度が跳ね上がった。落ちたら一発ミスの狭い足場で、ガーゴイルは空中を飛び回って襲い掛かってくる。こちらは攻撃をヒットさせるのが難しく、敵の攻撃は運が悪いと吹っ飛ばされて奈落に落とされるという、かなりの難敵だ。

 初めは対策がわからず惨敗の連続であったが、コンティニューを重ねていくうちにガーゴイルの行動パターンが少しづつ見え始めてき。ガーゴイルの体力を残り僅かまで減らすことができ、勝機が見えたと思ったのだが、ピンチになった途端に新しい攻撃パターンで攻めて来られ惜しくも敗北。簡単には突破させてくれないのも実に「悪魔城ドラキュラ」らしい。

残念ながら勝つことができなかったガーゴイル。しかし、手ごたえは感じられたので後日リベンジしたい

 長年プレイしたいと思い続けてきた「VAMPIRE KILLER」に触れることができ、とても充実感を得られた。敵の配置が嫌らしいステージや、攻略に頭を悩ませるボスなど、難関を突破できたときの達成感が強く感じられる「悪魔城ドラキュラ」らしさが詰まった名作であった。今回はゲーム中盤までしか進めることができなかったが、メガドライブミニの購入後は隅の隅まで「VAMPIRE KILLER」を堪能したいと思う。

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