【特集】

【メガドラミニW AE収録タイトルレビュー】「アイラブミッキーマウス ふしぎのお城大冒険」

あのミッキーマウスが活躍する、可愛くも本格的なアクションゲーム

1990年11月21日発売

 アニメや漫画原作のゲーム――いわゆるキャラゲーと呼ばれる作品は、一般的には原作ファンに向けて作られている。それゆえに、キャラクター人気に甘えた“残念な出来”なものも多いのだが、今回レビューする「アイラブミッキーマウス ふしぎのお城大冒険」はそんな残念なゲームとは一線を画している。

 ゲームオリジナルのストーリーと世界観はディズニーらしさに満ちており、ディズニーファンは間違いなく満足できる内容。さらに、肝心なゲーム部分もしっかりと作り込まれており、とてもクオリティが高く、そこまでディズニーに思い入れのないゲーマーでも納得のアクションゲームに仕上がっている。本作は今なお人気が高く、PS3とXbox 360でリメイク版もリリースされている。セガ渾身のディズニーゲームの魅力を語っていきたいと思う。

ステージにもディズニー感が色濃く出ている

 平和と幸せに包まれた街、ベラシティへやってきたミッキーマウスとミニーマウス。そこで事件は起こり、ミニーの可愛らしさを妬む魔女・ミゼラブルにミニーは連れ去られてしまうのだ。ミゼラブルを追ってミッキーがたどり着いたのはふしぎなお城。このお城を舞台に、ミニー救出の冒険が始まる。オープニングからまるで映画のような展開だ。

ミゼラブルの目的は、可愛さを認めるミニーと入れ替わることだった。なかなかに怖い展開
お城の中は、部屋ごとにさまざまな世界と繋がっており、ステージごとに世界観がガラリと変わる

 本作は、ミッキーを操り、ゴールを目指していくオーソドックスな横スクロールアクションゲーム。ミッキーのアクションはジャンプと、アイテムを使用するショット、そしてヒップアタックの3つが基本となる。本作では敵をジャンプで踏みつけても倒すことはできず、空中でもう1度ジャンプボタンを押すと発動するヒップアタックで倒すことができる。従来のアクションゲームに慣れていると、癖でついジャンプで踏んでしまい、逆にダメージをもらってしまうというミスをよくやってしまう。

 ステージ中に落ちているリンゴやボールなどのアイテムを拾えば、敵に投げて攻撃することができる。使用回数制限があるので、使いどころを見極めるのも重要だ。

 ステージごとに用意されている特殊ギミックもゲームの面白さを増している。ターザンロープからターザンロープへ飛び移って進む爽快なステージや、天地さかさまになるスイッチを切り替えて進む場面など、面白い仕掛けが満載。これにより終始ダレることなく、常に新鮮な楽しさが味わえるのだ。

 子供も大好きなミッキーマウスということで幅広い年齢層を視野に入れていたのか、ゲームの難易度自体は緩やかで誰でも楽しめるゲームバランスになっている。難し過ぎて心が荒む――なんてことはなく、穏やかな気持ちでプレイできる優しいゲームである。

攻撃の基本はヒップアタック。これで敵を踏みつぶす
ヒップアタックが難しい相手には、ショットで撃破だ
ステージには様々なギミックがあり、ゲームを盛り上げる

 ゲームとしての面白さはもちろんだが、本作の最大の見所はなんといっても“ディズニーらしさが凄い”という点に尽きるだろう。ステージを1つ取っても、ディズニーアニメにありそうな不思議な森やオモチャの世界など、ディズニーテイストが満載。行く手を阻む相手も、顔のついたキノコやオモチャの人形など、世界観に合ったファンシーなデザインだ。

 さらに、ミッキーの可愛さも注目のポイント。作中のミッキーは動きと表情の1つ1つが細かく丁寧に作り込まれているのだ。お尻を振りながらリズミカルに揺れる立ち姿や、しゃがんだ際に見せる驚きの表情、急な坂を下る時の焦り顔などどれもユニーク。中でも良い味を出していたのは、巨大なリンゴにつぶされた際の演出だ。ただダメージを受けて終わるのではなく、つぶされたミッキーは紙のようなペランペランな姿に。ディズニーアニメのような演出が散りばめられており、原作リスペクトが随所に見られる。

ミッキーらしい豊かな表情や、様々なリアクションを見せてくれる

 誰でも気軽に遊べる簡単さ、丁寧に作り込まれたステージやアクション、さらに、ディズニーキャラクターの魅力をうまく活かした演出やビジュアルは、開発のディズニー愛の深さをひしひしと感じた。

 キャラクターに思い入れがなくてもゲームとして十分に遊べて、原作ファンならさらに楽しめる本作は、まさにキャラゲーのお手本のような作品である。