【特集】

【メガドラミニW AE収録タイトルレビュー】「ストライダー飛竜」

飛竜が走り、飛び、サイファーが敵を切り裂く! カッコ良さとはこういうことだ

1990年9月29日発売

 「ストライダー飛竜」は1989年にアーケード向けに登場したカプコンのアクションゲーム。メガドラ版は1990年に登場、当時初めて8メガカセットに収録され、その表現にしびれた。当時はアーケード基板の方がハード性能が上だったため、メガドライブ版は一部演出などがカットされていたが、筆者にとって思い入れのある作品である。

 とにかく飛竜のアクションがカッコ良かった。全てのものを切り裂くプラズマ剣・サイファー、華麗に空を舞い、スライディングで地面を走る。飛竜は強大な軍事力を誇り世界を支配する冥王・グランドマスターとその軍団に単身挑み、撃破していく。プレイするほど習熟し、飛竜はさらに強い存在となっていく。

光剣サイファーで目の前の敵をぶった切る! 飛竜のカッコ良さを満喫できる作品だ
最初のステージ「カザフ連邦国」に降り立った飛竜は、群がる敵をサイファーで切り裂きながら進む

 「ストライダー飛竜」のウリはその多彩なステージ構成にある。最初のステージ「カザフ連邦国」では、飛竜は敵の帝国の都市のど真ん中に降り立つ。ロシア風のタマネギ型の屋根を持つ建物の上を進み、さらには人間達が合体したムカデのようなメカ「ウロボロス」と戦う。

 次は氷雪に覆われたシベリアだ。ここでは雪原に隠された時限式の地雷に飛竜は追われる。背後で爆発する地雷の爆炎に追われながら飛竜は走り、飛ぶ。空中を飛ぶ小型機体に乗っての空中戦を経ると、蹴りでプラズマを生み出す「東風三姉妹」が待っている。

 そして巨大な空中戦艦「バルログ」だ。その巨大な砲塔をサイファーで切り裂き進む飛竜の前に巨大要塞を空に浮かす反重力装置そのものが襲いかかってくる……。「ストライダー飛竜」のステージは決してボリュームがあるわけではないが、どのステージも凝っている。

2つ目のステージ「シベリア」。ゴリラ型ロボットを撃破、地雷の埋まった雪原地帯を駆け抜け、空中戦に。最後に立ちはだかるのは3人娘のボスだ

 ゲームの難易度は高めだ。また“裏ワザ”を使わないとコンティニューすらできない。最初は本作の独特なルールに戸惑うかも知れない。しかし慣れてくることで華麗な飛竜のアクションをプレーヤー自身の手で生み出すことができる。巨⼤なゴリラ型ロボット「メカポン」も、ミサイルなど多彩な攻撃を使う賞⾦稼ぎ「ソロ」も、全てをサイファーで葬るこの爽快感がたまらない。

 本作は日本版「メガドライブミニ」には収録されなかったタイトルである。筆者の大好きなタイトルであり、「エイリアンソルジャー」と共に「アジアエディション」の大きな魅力となるタイトルと言えるだろう。

第3ステージは「空中戦艦バルログ」。船の中を突き進む飛竜に対し、船の中枢である反重力装置が襲いかかる
グランドマスターのデモで、ACBCAスタートの順にボタンを押すと、コンティニュー回数が増える