【特集】
【メガドラミニW AE収録タイトルレビュー】「エイリアンソルジャー」
極めることで得られる全能感! 超絶攻略を要求する伝説アクション
2020年3月23日 00:00
- 1995年2月24日発売
「エイリアンソルジャー」は、「ガンスターヒーローズ」、「ダイナマイトヘッディー」を手がけたトレジャー開発のアクションゲームだ。その難易度は“伝説級”で、メガドライブに詳しい人ならば有名だ。現在ではWEBコミックの「異世界おじさん」で取り上げられ知ったという人も少なくないだろう。
本作の舞台は動物と人間が融合したような“亜人類”が活躍する未来の地球。プレーヤーは秘密結社スカーレットと戦う“イプシロン2”となる。ゲームは横スクロール型のアクションで、多彩な能力を持つイプシロンを駆使して様々な敵と戦っていく。
「エイリアンソルジャー」の大きな特徴は“ボス戦”にある。横スクロール型のステージ構成だがステージは極めて少なく、ボス戦に重点が置かれているのだ。ボスは多関節でうねうねと動き、多彩な攻撃を繰り出してくる。
本作は操作にかなりクセがある。空中でジャンプボタンを押すとその場に静止する「ホバリング」となり、さらに天井に張り付くことができる。方向キーを下に押しながらジャンプボタンを押すと無敵なまま高速移動ができる「0移動(ゼロテレポート)」。体力満タン時は炎をまとった攻撃である「0移動爆装」ができる。
武器としては直線にエネルギー弾を放つ「バスター」、火炎を発する「フレイム」、レーザーを放つ「ランサー」、敵を追尾する「ホーミング」など6種類の武器から4つを選んで出撃する。武器にはエネルギーの概念があり、撃ち続けるとドンドン射程が短くなる。ステージ内でのアイテムを取ることでこのエネルギーは回復できる。また、攻撃ボタンを素早く2度押しすると前方に小さなバリアが張れるこのバリアに触れた敵弾は回復アイテムとなる。
「エイリアンソルジャー」は極めて高い難易度を持つゲームである。発売当初もその難易度の高さをアピールしていたため、“現役のメガドライバー”だった当時の筆者は手を出さなかった。今回初めてプレイしたが、1時間経っても1面もクリアできなかった。このため攻略情報や攻略サイトを見て、本作の“本質”に気づかされた。本作は攻略し、ミスをせず、思うままにイプシロン2を操ることによって、道を切り開くことができる、“自分への挑戦”が楽しめるゲームなのだ。
鍵は「0移動爆装」である。体力満タンの時に使える技で、使うと体力が減るため連続使用はできない。しかし敵弾を回復アイテムに変えればいい。空中で静止してタイミングを計ったり、効率の良い武器を用意したりと“覚える”ことで強大なボスを瞬殺できる。絶望的な戦場を0移動ですり抜け、バリアで回復、そして0移動爆装と効率の良い武器選択でボスを瞬殺。45体のボスをいかに短い時間で倒すか、自分のテクニックで絶望的な戦場をねじ伏せる爽快感こそ、本作の魅力なのである。
ネットには本作のプレイ動画がいくつもある。攻略ツールで最高効率を実現したものもあるが、試行錯誤と運に賭けひたすらやりこむことでゲームを攻略した人もいる。彼らのように戦ってみたいと動画を見ていると思う。そう、敵を倒して進んでいくイプシロン2は、非常にカッコイイのである。
「異世界おじさん」の主人公のおじさんは、他のゲームを遊びながらも5年間「エイリアンソルジャー」をプレイし続けたという。本作はそういうゲームだ。タダひたすら、ストイックに、これだけをプレイし、クリアタイムの短縮を目指すことで爽快感が得られるゲームである。
筆者は数時間遊んでようやく4面にたどり着けただけであるが、本作のためだけに「アジアエディション」を買った、というユーザーがいても驚かない。「エイリアンソルジャー」を「メガドライブミニ コントロールパッド」でプレイできる。現代においてその環境が実現できるというのは、かなりグッとくることだと思う。
なお、「メガドライブミニW・アジアエディション」では購入者特典として、「異世界おじさん」の作者である、殆ど死んでいる氏による描き下ろしポストカード「エイリアンソルジャー25周年おめでとう」がもらえる。「異世界おじさん」で本作を知った人も多いだろう。ゲームの特典にポストカードというのも、1990年代前半のゲーム文化っぽいところも楽しい。本編のダークな雰囲気と、かなりギャップがある絵柄もファンには楽しいところだ。
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