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最新ゲーム DEMO & PATCH

~2004年6月~

■ 新作ゲーム一覧
■ ダイジェスト・ニュース


【6/30】

    【アクションシューティング】
    「Kreed」Playable Demo [198MB]
  • 開発元 Burut Creative Team

     ロシアのゲームデベロッパーBurut Creative Teamが手がけたSFアクションシューティング「Kreed」のPlayable Demo。ロシアや東欧圏ではすでに昨年に発売済みで、今回紹介するのは欧米圏に向けた英語版。昨年度のタイトルなので新鮮味は薄いが、シングル、マルチとも2ステージずつ収録とボリュームたっぷりで、ロシア版「Unreal II」といっていいストーリー性の高い内容は一見の価値有りだ。

     「Kreed」は、Kreedと呼ばれる宇宙上に存在する危険エリアを、優秀なエージェントである主人公が単身活動を行なっていくという設定のSFアクションシューティング。古くは「Doom」、最近だと「Unreal II」に代表される異星探索FPSの影響が濃厚に感じられるゲームデザインである。

     「Kreed」の評価すべきポイントは、グラフィックスエンジンはもちろん、ネットコード、物理エンジンなど、すべてオリジナルのエンジンを採用しているところ。開発元がどの程度意識しているのかどうかは不明だが、ロシアのテクノロジーで、現行の北米産FPSのメインストリームである「Unreal II(エンジン)」をあらゆる面で凌駕することを狙っている様子が伺える。

     ただ、北米では「Unreal II」世代のエンジンは、すでにハイエンドではなくミドルクラスのテクノロジーとして、あらゆるメーカーにライセンスされるなどポピュラーな存在になっている。「Kreed」のグラフィックスは、それなりに頑張っているのだが、いかんせん、「Unreal III」や「Doom III」を見てしまった後では、大きなウリとしては評価しがたい。最低でももう1年早く出すべきだっただろう。

     肝心のゲーム内容は、「Unreal II」に近い。豊富なウェポンを使い分けながら、次々と襲いかかってくる得体の知れないモンスターをなぎ倒していく。難易度設定機能はないが、難易度は非常に高い。チュートリアルすらないため、武器の扱いに慣れるまでは、序盤のモンスターが射出する子モンスターにまとわりつかれて無惨な死を遂げることになるだろう。

     このゲーム静止画で見ると、それなりに高水準のゲームなのだが、モンスターのモデリングは見事なのに、アニメーションがいまいちだったり、武器のエフェクトは抜群に綺麗なのに、自キャラの移動がギクシャクしていたり、ところどころにツメの甘い部分が散見される。SF好き、ストーリーFPS好きは試してみてはいかがだろうか。

    (c) 2001 Burut Creative Team. All rights reserved.

    ダウンロードはこちら(3D Gamers)

    詳しい紹介はこちら「本日到着! DEMO & PATCH ~6月30日版~」


【6/25】

    【オンラインゴルフゲーム】
    「Shot Online」フルクライアント [142MB]
  • 開発元 OnNet
  • 発売元 エキサイト

     エキサイトが6月25日より無料サービスを開始したオンラインゴルフゲーム「Shot Online」のフルクライアント。本日は初日ということもあって、初日から緊急メンテナンスの洗礼を受けたり、テキスト等の文字化け、アイテムのパラメータ未設定といった不具合が散見されるが、ゴルフそのものは安定しており、安心してプレイできる。

     完全無料ということもあって、すでに初日からサーバー内は多くのユーザーでにぎわっている。ゲーム世界は、コミュニティとアバター要素、アイテムの売買を行なうための街と、FPSのロビーサーバーのようなクラブハウス(マッチングロビー)、そして複数のゴルフコースからなっている。街に行けば多くのユーザーが会話を行なっていたり、ベンチに座っていたりしている。別段クエストなどが発生するわけでもないのだが、今後多くのユーザーがチャットを楽しむ場になるのは間違いないだろう。

     クラブハウスは思ったよりも簡素で、一応ビジュアルは存在するが基本的にテキストのみで処理される。ここで可能なコマンドは2種類で、自分で待合室(ゲーム)を作成して、他のユーザーを集めるか、もしくは条件に合う待合室を探してそこに入るかだ。

     同作は、アバター作成時にチュートリアルを受けられるが、ごく基本的なことしか学べない。インターフェイスもオンラインマニュアルを精読して完全に理解したつもりでも、プレイして学んだことのほうが断然多い。初回から大恥をかく前に、まずはソロで回ってみることをお勧めしておきたい。

     私自身、ゴルフゲームは、過去「Links」シリーズや「Tiger Woods」シリーズなど北米産のゴルフシミュレータをプレイした経験があったので、ちょっと自信があったのだが、1ラウンドで113回も叩いてしまった。風や芝、疲労度がスイングに与える影響がかなり大きく、しかもレベルが低いため、「スウィングコントロール」でパーフェクトにコマンドを入力しても、その通りに打ってくれない場合があるという難点も抱えている。

     というわけで、ゴルフゲームとしては、先述のゴルフゲームよりも断然難しい。たぶん、子供がPCをおもちゃとして遊び道具にしている韓国だからこそ、この程度の味付けになっているのだろうが、客観的に判定してこの難易度はシビアすぎる。PCに不慣れなゴルフ好きのお父さんが、「今日も天気が悪いし、んじゃちょっとやってみるか」と気軽に手が出せるゲームデザインではないように思われる。

     コースを回るたびに成績に応じて経験値が蓄積され、一定の値に達するとレベルが上がる。ファンファーレと共にカラフルな紙吹雪がまかれ、複数のユーザーと回っていれば一斉に「おめでとう~」と言われそうだ。また、「スウィングコントロール」を完璧に入力したり、グリーンでロングパットを決めるとボーナスがもらえたりなど、飴と鞭の演出は、さすが韓国ならではのきめの細かさといえるが、この高難易度仕様ではリピーターが付かないように思う。

     お父さんやゴルフ好きを集めるためには、ユーザー登録後、数ラウンドまではボールを正確に打てたり、「スウィングコントロール」のタイミングがゆるやかになる、疲労しないといった、「初心者期間」の設定が必要不可欠だろう。オンラインゲーム以前に、まずはバーチャルゴルフのおもしろさを認識させなければ話にならない。グラフィックス、インターフェイスともに及第点が与えられる。あとはゲームとしてのバランス次第といった印象だ。

    (c) 1997-2004 Excite Japan Co., Ltd. All Rights Reserved.
    (C) 2003-2004 OnNet Co.,Ltd.All Rights reserved

    ダウンロードはこちら(エキサイト)

    詳しい紹介はこちら「本日到着! DEMO & PATCH ~6月25日版~」


【6/24】

    【ターンベースストラテジー】
    「大戦略パーフェクト 2.0」体験版 [46.3MB]
  • 開発元 システムソフト・アルファー

     システムソフト・アルファーのフラッグシップシリーズ最新作「大戦略パーフェクト 2.0」の体験版。お馴染みの「Island Campaign」を舞台に、20ターン限定で、日本対ロシアの戦いが楽しめる。同社の体験版は毎回そうだが、今回もインストーラはもちろん、タイトル画面、オープニングなど、雰囲気を盛り上げる要素は一切カットされている。

     「大戦略パーフェクト 2.0」は、「完璧な大戦略を目指す」というコンセプトの元、過去のあらゆる「大戦略」資産を再利用しつつ、ユーザーと一体となって進められている「大戦略」プロジェクトの最新版。

     具体的には全バージョンの中から好みのルールでプレイできる「選択式ルール」システム、「256ヘックス」までサポートしたスケールの拡大化、1,000種類以上の兵器、そして各種エディタ機能など。要するにこれさえ買えば、初代から現代まで、ありとあらゆる大戦略ファンをターゲットにしたタイトルである。

     私は過去に「大戦略」シリーズをプレイした経験があり、転じてセガのライセンスタイトルである「アドバンスド大戦略」シリーズをプレイした程度の「大戦略」ライトユーザーだが、「選択式ルール」システムを覗いただけで、その項目の細かさもさることながら、10種類にも及ぶプリセットルールのリストを見るだけで圧倒される思いがした。

     さらに、1.0から2.0への進化の過程で、昼夜と補給線の概念の追加、艦船に1機だけのヘリを搭載可能、ステルスと隠蔽の能力に兵器によって差をつける、補給車での武装交換、空母での修理など無数の改良が施されている。熱心なファンのニーズに応えるという点では評価できることだが、こうしたコアのコアだけを狙う方針だけで良いのだろうか。

     個人的には、キャンペーンモードの実装、AIの抜本的なチューニング、ランダムマップシステム、チュートリアル機能など、新しい層をガンガン取り込むためのもっとドラスティックな変革のほうがいいように思うのだが、なぜマス層に向けた変革をためらうのか、そこがよくわからない。なんとも評価に苦しむ新作だ。

    (C)2003-2004 SystemSoft Alpha Corporation.

    ダウンロードはこちら(システムソフト・アルファー)

    詳しい紹介はこちら「本日到着! DEMO & PATCH ~6月24日版~」


【6/23】

    【テーブルゲーム】
    「ChessMaster 10th Edition」Playable Demo [58.9MB]
  • 開発元 Ubisoft

     Mindscape、Mattelときて、現在Ubisoftがライセンスを所持している古典的パズルゲームの名作「ChessMaster」シリーズ最新作「ChessMaster 10th Edition」のPlayable Demo。基本的なゲームモードを8時間限定でプレイできる。チュートリアルも一部だが盛り込まれているので、まったくチェスを知らない人でも楽しめるDemoだ。

     「ChessMaster 10th Edition」は、ヨーロッパを中心に愛好者が多いテーブルゲーム「チェス」を楽しめるソフト。欧米では、日本で言えば将棋や麻雀ソフトに近い定番テーブルゲームのひとつになっているようで、毎年こっそり新作がリリースされている。常にランク外なので、どの程度の人気があるのかはよくわからないが、コスト管理に非常に五月蠅いことで知られるUbisoftがリリースし続けていることを考えると、ある程度のファンはいるようだ。

     ゲームの内容は、NPCとの通常対局以外に、初心者向けの丁寧なチュートリアル機能や史上名を残した名勝負のリプレイ、Ubisoftのゲームサーバーを介したマルチプレイ、その他膨大なデータベースが詰め込まれている。その時々の気分に併せて壁紙やコマのデザインも変えることができ、Demoながらかなりリッチな気分でプレイできる。

     ちなみに、私は全然チェスはやったことがないのだが、チュートリアルをひととおりプレイしたらそれなりに遊べるようになった。チュートリアルは、フルボイスによる解説と、質問形式による実践の2段階にわけられており、イヤでも理解できるようになる。

     ただし、Demoでプレイできるチュートリアルはあくまで一部分のみで、たとえばコマの並べ方、コマの動かし方といった基本要素は学べるものの、各コマの細かい戦術についてはポーンしか学べない。このため、とりあえずゲームはできるけども、実際にNPCと対局してみると応用が利かずコテンパンにやられてしまうということになる。

     インターフェイスは、プルダウンメニュー、ポップアップウィンドウ、そしてアイコンを併用したWindowsライクになっていて、学ぶべき操作はひとつもない。8月1日までとなっているがオンライン対戦も可能なので、チェスに興味のある人は試してみてはいかがだろうか。

    (C) 2004 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Chessmaster is a registered trademark and Ubisoft, ubi.com, and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries. Microsoft, Xbox, Xbox Live, the Live logo, and the Xbox Logos are either registered trademarks or trademarks of Microsoft Corporation in the U.S. and/or in other countries and are used under license from Microsoft. Software platform logo and (C) IEMA 2003.

    ダウンロードはこちら(Ubisoft)

    詳しい紹介はこちら「本日到着! DEMO & PATCH ~6月23日版~」


【6/22】

    【リアルタイムストラテジー】
    「Knight Shift 日本語版」体験版 [352MB]
  • 開発元 ZUXXEZ Entertainment AG
  • 発売元 プロジー

     ISPとして有名なライブドア傘下プロジーのPCゲーム参入第1弾「Knight Shift 日本語版」の体験版。発売日は7月23日となっているが、すでに日本語が実装されており、ついつい熱中してプレイしてツルッとクリアしてしまった。ローカライズの出来はまだ完全とは言い難いが、ゲームそのものはよくできている。RPGファン、RTSファンの双方にお勧めしておきたい佳作だ。

     「Knight Shift」は、ドイツのデベロッパーZUXXEZ Entertainmentが開発したロールプレイ色の強いファンタジーRTS。「Diablo」ライクなネットワークRPG風でもあり、韓国産2DMMORPG風でもあり、ドイツ産に代表される内政重視のRTS風でもある。そのほか濃厚なストーリー、レベル上げ、アイテムコレクションなど、さまざまな遊びのエッセンスが取り込まれており、非常に贅沢な内容だ。

     世界観はオーソドックスな中世ファンタジーで、この点ややひねりが足らないが、こまめに挿入される会話シーンや、牛と牛飼いを牧草地に連れて行くといったユニークなクエストなど、既存のRTSの概念では収まりきらない、懐の深いゲームデザインが好印象だ。

     体験版では、キャンペーンモードの序盤1ステージと、RPGモードがプレイできる。中でもキャンペーンモードは、チュートリアルすら存在しないが、まったく迷わずストーリーを進めていける。1ステージ限定ながら、徒歩やワープポータルなどを駆使して、広大なフィールドを駆け回ることになる。プレイ感覚は、RTSというよりRPGを通り越してMMORPGに近い印象だ。

     もう少し具体的に紹介すると、プレーヤーは主人公プリンスジョンを操作し、与えられたクエストをひとつずつクリアしていくことになる。行く先々には狂犬やクマを初めとした敵が配置され、主人公に襲いかかってくる。これを倒すことで経験値を獲得し、獲得経験値が一定の値に達するとレベルアップする。また、HPが消耗した場合は、ヒーリングを行なうことができる。こうした部分もMMORPGに近い感じだ。

     クエストを進めていくと仲間が増え、徐々にRTSらしくなっていく。村の拡張に必要となる建物を建設し、牛からミルクを搾乳し、歩兵を雇う。RPGからRTSへの移行は、非常にシームレスで、あたかも同じ素材で複数のゲームをプレイしているような感覚が味わえて、プレイしていて非常に楽しい。

     インターフェイスは、左クリックのみと徹底的にシンプルなのもいい。グラフィックスも及第点が与えられる内容だし、ゲームデザインも欲張りだ。個人的に収録ボイスは、声優の質が低いように思われるが、好みの問題だろう。RTSをベースにしたゲームとしては、久々に万人受けするタイトルではないだろうか。

    (C) livedoor Co.,Ltd. Schanz Interactive GmbH.ZUXXEZ Entertainment AG. All rights reserved.

    ダウンロードはこちら(プロジー)

    詳しい紹介はこちら「本日到着! DEMO & PATCH ~6月22日版~」


【6/21】

    【海戦アクションゲーム】
    「鋼鉄の咆哮3 ウォーシップコマンダー」プロモーションムービー [11.3MB]
  • 開発元 コーエー

     コーエーが7月2日に発売を予定している人気シリーズ最新作「鋼鉄の咆哮3 ウォーシップコマンダー」のプロモーションムービー。長さは1分9秒ほどで、最大のウリであるフル3Dグラフィックスによる海戦シーンをじっくり見ることができる。

     「鋼鉄の咆哮3 ウォーシップコマンダー」は、コーエーとマイクロキャビン、両社のコラボレーションによって誕生したコーエーのタイトルとしては珍しいタイプの人気シリーズ。海洋における大規模な艦隊戦をマウスクリックだけで行なえるというシンプルなインターフェイスが最大の特徴で、余り難しいことを考えずにスカッと楽しめる海戦アクションである。

     同シリーズは、Windows版とPS2版でガラッとゲームデザインが異なる。Windows版は2Dグラフィックスによる俯瞰視点から艦隊戦を描いているのに対し、PS2版はフル3Dエンジンを搭載し、3人称視点からリアルな艦隊戦を描いている。シリーズ第3弾となる「鋼鉄の咆哮3 ウォーシップコマンダー」は、Windows版の味わいをベースに、フル3Dエンジンでさらに派手な艦隊戦が楽しめるという、ファン待望の新作だ。

     その特徴はグラフィックスだけではなく、新たに潜水艦や航空機の設計も可能になったことに加え、プレーヤーの決断により侵攻ルートを自由に設定できるマルチシナリオ方式を採用。自らが率いる艦隊も最大12隻まで拡張可能で、艦載艇による上陸作戦や、戦略爆撃機による空爆など戦術の幅も広がっている。

     ムービーでは、シリーズお馴染みの大乱戦の海戦シーンのほか、潜水艦や航空機の設計シーン、オープニングムービーなどが収録されている。過去のパターンからいって体験版が公開されることはなさそうなので、ファンは一度見ておくといいだろう。

    (C) 2004 KOEI Co., Ltd. (C) 2004 MICROCABIN CORP.

    ダウンロードはこちら(コーエー)

    詳しい紹介はこちら「本日到着! DEMO & PATCH ~6月21日版~」


【6/18】

    【ターンベースストラテジー】
    「Silent Storm: Sentinels」Playable Demo [300MB]
  • 開発元 Nival Interactive

     ロシアのゲームデベロッパーNival Interactiveが現在開発している「Silent Storm」の拡張セット「Silent Storm: Sentinels」のPlayable Demo。すでにロシア語版は公開済みだったが、ようやく英語版が公開された。まだ発売時期はおろか、パブリッシャーすら決定していない模様だが、日本でも「Silent Storm」の日本語版がようやく7月に発売されることもあり、セットで楽しみたいところだ。

     「Silent Storm」は、ウォーゲームの代表作「スコードリーダー」や、国産タイトルでいえばセガの「プラトゥーンリーダー」などのボードゲームに端を発する古典的なシステムを現代の3D技術で鮮やかにゲーム化したターンベースのストラテジーゲーム。少数精鋭で困難なミッションをクリアしていくというスタイルは、Pyro Studiosの「Commandos」シリーズに近いものがあるが、プレイしてみればまったく次元の異なるゲームであることが即座に理解できるはずだ。

     その特徴はなんといっても命中判定をパーセンテージで表示するという、リアリティを統計的数値で表しているところである。簡単に説明すると、お互い目の前でお見合いした状態の射撃で100%の命中率になり、石壁や高低差により遮られた相手は0%となる。距離や立ち位置、姿勢、武器の種類、射撃スタイルといった要因により、命中率はドラスティックに変わってくるという仕組みである。

     すべてが確率で処理されるため、たとえば、遠距離射撃の命中率はおおむねヒトケタ台にとどまるが、命中率2%のロングレンジで立て続けに被弾して2ターン目にいきなりゲームオーバーになったり、努力を重ねて命中率を50%まで高めたにもかかわらず、ちっとも当たらなかったりする。この何とも言い難い忌々しさが同作の味わいといっていい。

     同作には完全無欠な作戦というはシステム上存在し得ず、この得体の知れない確率との死闘が何よりも熱い。流れ弾に当たって死亡したり、序盤で負傷したりすると、どこにいても撃たれるような被害妄想に陥ることもしばしばだが、この緊張感は相変わらず見事だ。この部分をネガティブに捉えるユーザーは、同作のおもしろさはさっぱりわからないだろう。

     基本的なゲームデザインは、1ターンごとに与えられるAPを消費して、移動から姿勢変更、射撃までを行なっていくというもので、味方と敵のターンを交互に繰り返していくことになる。日頃からRTSをプレイしているユーザーにはまどろっこしく感じられるだろうが、すぐに慣れる。

     Demoでは、序盤の3ステージがプレイできる。難易度は3段階用意されているが、ノーマルでもすこぶる難しい。何度やってもダメなときは、大胆に作戦を変える潔さも必要だろう。スタート地点の司令部では武器やアイテムが購入できるので、しっかり活用したいところだ。

    (C)2004 Nival Interactive. Silent Storm is a trademark of Nival Interactive. Published by JoWooD Productions Software AG. All rights reserved.

    ダウンロードはこちら(3D Gamers)

    詳しい紹介はこちら「本日到着! DEMO & PATCH ~6月18日版~」


【6/17】

    【アクションシューティング】
    「Kuma War」7-Day Trial [56MB]
  • 開発/発売元 Kuma Reality Games

     Kuma Reality Gamesが展開しているアクションシューティング「Kuma War」の7-Day Trial。昨年の11月にβクライアントが公開された際は、ログインサーバーへの接続すらおぼつかない内容で紹介を見送ったのだが、今回は正式版だけに、快適にプレイできたので一度ご紹介しておきたい。

     「Kuma War」は、日々世界中で報じられているあらゆる紛争を、そのままゲームとして取り込み、インターネットを通じて配信していく、という新しいタイプのアクションシューティング。ネットを通じて新しいコンテンツを提供していくという例は、すでに「America's Army」が実現していることだが、「Kuma War」は現実の出来事を完全にリンクさせているところが新しい。

     試しに公式サイトの「FEATURED MISSION」の項目を覗くと、2004年2月12日に実施された米軍の攻撃を再現したミッションが紹介されている。タイトルは「Fallujah Abizaid Attack」で、米中央軍司令官John Abizaid陸軍中将が、イラク中部ファルージャで展開した作戦を描いたものだ。「Kuma War」のクライアントがインストールされた状態で、このミッションをダウンロードすれば、1歩兵の立場で、この作戦を仮想体験できるわけである。

     今回同作を取り上げようと思ったのは、当初の発表通り、イラク紛争のミッションをインターネットで公開し続けているためだ。現実世界の紛争をわずか数カ月の遅れで、リアリティとゲーム性のバランスを取りながら配信し続けるという行為はまさに無謀そのもので、わずか数カ月の時差では実際の作戦に参加した将兵にインタビュー取材を行なうということもできないだろうから、正誤の精度はハリウッド映画以上に低くならざるを得ない。しかし、試みとしては非常にチャレンジングで、ゲームの内容うんぬんは抜きにして興味深いプロダクトだ。

     ただ、現実問題として、果たしてウダイやクサイ、そしてサダムをターゲットとしたミッションを率先してプレイしたいかとというと微妙ではないかという気がする。ましてや正規軍は賞金首は狙わないのが原則であり、実際は大規模な動員による包囲殲滅的掃討作戦だったはずなのに、わざわざ隊員数を4人に限定し、ソマリア紛争的地獄の市街戦を無理矢理演出して、これで「リアル」だと言われてもまったくピンと来ない。

     グラフィックスに関しては十分及第レベルだが、味方AIが未熟で、狭いところで操作キャラの変更を行なったりするとスタックが発生したりする。これはある程度チームコマンドで解決できる問題だが、チームベースバトルの楽しさは味わえない。「Delta Force: Black Hawk Down」のような市街戦が好きな人ならそこそこ楽しめるだろう。

    (C) Copyright 2004 Kuma, LLC. Kuma War and Kuma Reality Games are trademarks of Kuma, LLC.

    ダウンロードはこちら(Kuma Reality Games)

    詳しい紹介はこちら「本日到着! DEMO & PATCH ~6月17日版~」


【6/16】

    【経営シミュレーションゲーム】
    「Transport Giant: A colorful mixture」Playable Demo [56MB]
  • 開発/発売元 Jowood Productions

     オーストリアの大手メーカーJoWood Productionsの「Giant」シリーズ最新作「Transport Giant: A colorful mixture」のPlayable Demo。チュートリアルすらなく、1ミッションをプレイできるというシンプルな内容で、グラフィックスレベルも2Dベースで既存のシリーズからほとんど進化していないが、「Giant」シリーズの魔力というべきか、19世紀のアメリカという素材のユニークさのためか、ぐいぐいハマってしまった。

     「Transport Giant: A colorful mixture」は、産業、交通、ホテル、車など、さまざまなテーマを取り扱ってきた「Giant」シリーズの最新作。今回のテーマはズバリ物流。物流は物流でも、アメリカ西部開拓時代から近未来までと幅広い年代を取り扱っているところにシリーズ人気の秘密がある。

     プレーヤーは、運送会社の一切を取り仕切る社長となり、発展途上の都市が点在する広大なマップを舞台に、都市発展のための大動脈となるべく、資材や商品、旅行者といったあらゆるモノをきりきり運んでいくことになる。

     Demoでは、1850年のアメリカ大陸という、西部開拓時代まっただなかのもっともベーシックな物流システムを動かしていくことになる。余談だが、Demoにも複数のBGMが収録されており、いずれも当時を象徴する存在として名高いポニーエクスプレスを彷彿とさせるフロンティアスピリットあふれるサウンドばかりで、プレイする前から思わず目頭が熱くなる。実際に無人の荒野を手紙を携えた馬が疾走するといったシーンもゲーム内で再現可能であり、ゲーム性云々を抜きにしても非常にエンターテインメント性の高い内容に仕上がっている。

     Demo Missionの目的は、マップ上に点在している5カ所のFort(要塞)に対して、50枚ずつWooden Boardsを配送すること。期限は10年間で、プレイしてみればすぐわかるが、なかなか難しいミッションだ。

     何しろ、スタート時点でWooden Boardsというモノはひとつも存在せず、動脈となる道路も中途半端にしか引かれていない。それにも関わらず、チュートリアルがないので、何をどうしていいのかよくわからない。ゲームの内容は抜群なのだが、Demoの作りとしてはとうてい及第点は与えられない。

     ここでは初心者のためにヒントだけを書いておきたい。まずWooden Boardsを生み出すためには、Lumberjack Repository(木材置き場)から丸太を運び出し、これをWooden Boardsに加工してくれるSawmill(製材所)に運び入れる必要がある。そしてSawmillで加工されたWooden BoardsをFortに送り込めば、この時点で1/250クリアしたことになる。

     運び込むためには、それらの施設の側に最低ひとつのTruck Terminalを建設する必要がある。これは建設しただけでは機能せず、必ず道路と連結する必要がある。馬車は初期のものだけでは全然足りず、木材を運べる馬車を中心に多数を買い入れる必要がある。輸送を終えるたびに、資金が獲得できるので、その資金で少しずつ事業を拡大させていく。

     といった具合に、円滑にゲームを進めるためには無数のセオリーを理解する必要があるのだが、チュートリアルがないので体当たりで理解していくしかない。物流の仕組みそのものはシンプルなので、時計の進みを止めて、じっくり取り組んでみよう。

    (C) JoWooD Productions Software AG,

    ダウンロードはこちら(JoWood)

    詳しい紹介はこちら「本日到着! DEMO & PATCH ~6月16日版~」


【6/15】

    【歴史シミュレーションゲーム】
    「三國志 X」プロモーションムービー [QuickTime]
  • 開発/発売元 コーエー

     コーエーが7月2日に発売を予定している「三國志」シリーズ第10弾「三國志 X」のプロモーションムービー。毎作恒例の店頭デモ用に製作されたもので、プリレンダーの高精細ムービーのほか、内政、野戦、舌戦など、ゲームの仕様をひととおり確認することができる。前作は体験版の公開を見送っていたため、今回も公開されない可能性は高い。「三國志」ファンは一度見ておきたいところだ。

     「三國志 X」は、シリーズ10作目ということで、シリーズ集大成と呼べる内容に仕上げるべく開発が進められている。全武将プレイ、イベント収録数3倍、個人戦から戦役と呼ばれる大規模な野戦システムの採用などはその一端だ。

     同社は、すでに「三國無双」シリーズを始めとした、フル3Dフルインタラクティブのタイトルを複数擁しており、いまやコンソール市場においても注目度の高いメーカーに成長しているが、その一方で、「三國志 X」のように、昔ながらのヘックスマップによるターンベースストラテジーの開発を続けているところに、PCゲーム市場を長年支えてきた同社の偉さと意地が感じられる。

     現在公式サイトでは、今回紹介するプロモーションムービーのほか、豊富な画面とデータを用いた紹介ページが用意されている。中でも注目なのは、「三國志 X」の新要素もさることながら、シリーズ初の試みとなるネットワークへの対応だろう。

     「三國志 X」ではクライアント側に、サーバーへのアクセス機能およびブラウズ機能を内蔵しており、作成武将を交換したり、全国ユーザーを対象にしたランキングシステムやプレイスタイルなども知ることができる。さすがに、ターンベースのゲームデザインだけにマルチプレイには対応していないが、ユーザーニーズに対応したユニークな機能といえる。

    (C)2004 KOEI Co., Ltd.

    ダウンロードはこちら(コーエー)

    詳しい紹介はこちら「本日到着! DEMO & PATCH ~6月15日版~」


【6/14】

    【アクションシューティング】
    「Joint Operations: Typhoon Rising」Multiplay Demo [250MB]
  • 開発/発売元 NovaLogic

     いよいよ欧米で6月15日に発売となる英NovaLogicの大規模アクションシューティング「Joint Operations: Typhoon Rising」のMultiplay Demo。4月頭に公開されたMultiplayer Betaに続いて2度目の公開となるが、しっかりしたチューニングが施されており、安心して楽しめた。最大150人同時対戦、MODの公式サポート、30枚もの広大なマルチプレイマップなど、製品仕様がスケールアップしているのも好印象。現代戦FPSの定番のひとつになるのは手堅い、そんな印象だ。

     NovaLogicは、昔からミリタリー系のアクション、シューティング、シミュレータの開発に熱心なメーカーだが、最近は「Comanche」シリーズに代表されるヘリシミュレータと、「Delta Force」シリーズに代表されるアクションシューティングの2ラインの開発に力が注がれている。

     「Joint Operations: Typhoon Rising」は、メガヒットを記録した「Delta Force: Black Hawk Down」のゲームエンジンをベースに、「Comanche」シリーズのノウハウを活かしつつ、文字通り全社一丸となって開発されている大規模アクションシューティングだ。

     舞台はインドネシア諸島をはじめとした南太平洋のジャングルで、陸海空を股にかけたスケールの大きな戦いが堪能できる。Multiplayer Betaでは島を挟んで、輸送ヘリや輸送艇による強襲上陸作戦が楽しめたが、今回は高低差の大きい島を舞台に、壮絶な陸上戦が展開される。

     Multiplayer Betaは基本的に敵地に侵入するためには、ヘリなり船なり、乗り物を使用する必要があったが、今回はその気になれば歩いて最前線まで到達できる。スタート直後は、両軍ともヘリやジープに乗り込み、中立状態にある手前のキャンプの確保を行なう。 が、静かなのはそこまでで、開始数分後には四方八方から激しい銃撃音やロケットの炸裂音、ヘリのホバリング音などが聞こえてくる。

     64人を超えるような対戦になると、個々の力はあまり重要ではなくなり、何よりも組織力が大事となる。不特定多数が参加してくるサーバーでは、そうした組織力は発揮しづらい側面もあるが、チームワークを意識したメンバーが数人いるだけで、チームの総合力はずいぶん違ってくる。戦力の集中的な投入と、迅速な作戦行動。久々にチーム戦の醍醐味が存分に味わえる作品といっていい。

     同作で何よりも魅力的なのは、戦場描写のこだわりで、これは単に島の作り込みといったレベルだけではなく、昼夜の概念を取り入れ、昼は太陽の位置によってヘリによる展開が楽になったり、夜は視界制限を利用して徒歩による夜襲を行なったりなど、作戦レベルにまで昇華させているところが何より素晴らしいところだ。

     特に深夜の最前線のキャンプなどは、押しているのは我がチームのはずなのに、屋上に顔を出した瞬間に撃たれるようなケースも多い。出ると撃たれるからキャンプの中で待機していると、一気にヘリで踏み込まれてキャンプを奪われてしまったりなど、心理戦的な部分も絶妙に描いており、深く感心させられた。戦闘の規模の大きさ、昼夜の概念、派手なサウンドエフェクト、そしてマップの広大さ。こうした要素により初めてなしえた偉業だろう。発売後の盛り上がりに期待したいタイトルだ。

    (C) 2004 NovaLogic, Inc. All Rights Reserved

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【6/11】

    【リアルタイムストラテジー】
    「Juiced」Playable Demo [146MB]
  • 開発元 Juice Games
  • 発売元 Acclaim

     Acclaimの新作レースゲーム「Juiced」のPlayable Demo。Acclaimはここ数年ヒット作に恵まれず、苦戦が続いている。同作も現時点では際だって優れているという印象は薄いが、発売は2004年第3四半期とまだ先のため、今後のチューンナップが楽しみなところだ。

     余談だが、今年のE3の傾向のひとつとして、現在、北米を拠点に展開している大手メーカーのほとんどが、レースゲームの投入に意欲的になっていたことが挙げられる。EAは「Need for Speed」シリーズ最新作「Need for Speed Underground 2」、ATARIは「Driver」シリーズ最新作「DRIV3R」、Activisionは「True Crime: Street of LA」、Ubiは「Notorious: Die to Drive」、そしてAcclaimの「Juiced」。SCEの「グランツーリスモ」シリーズが完全制覇していた数年前に比べると、レースゲームの息吹が再び吹き返してきた感がある。

     これらの新作レースゲームには明確な共通要素があり、言い換えれば、今年のレースゲームのトレンドといえる。それは非合法なレースあるいはドライブをテーマにしているということと、リアルな物理エンジンの採用による荒っぽいゲームデザインあるいは銃器等による破壊活動が可能、そしてストリート系ミュージシャンの正式ライセンスを受けたサウンドトラックの採用の3点である。

     要するに北米ではストリート系のレースゲームとでも言えそうな新しいジャンルが確立しつつあるわけである。SCEの「グランツーリスモ4」や、英Codemasters系の正当派タイトルに比べると、いずれも日本では成立しにくいゲームデザインといえる。言うまでもなく、この背景には映画「ワイルドスピード」や「Grand Theft Auto 3」の大ヒットの影響があるものと見られる。

     今回紹介する「Juiced」は、中でも比較的おとなしめ内容で、やかましいBGMを聞きながら、街の大通りを暴走するという点を除けば、オーソドックスなスタイルのレースゲームだ。Demoでは、走行時間、天気、ライバルカーの数、周回回数などを細かく設定できるカスタムレースを楽しむことができる。

     日中は燦々と太陽が照りつける中でいかにもアメリカンな町並みを走ることができ、夜は深夜のネオンと複数のヘッドライトの煌めきの中、無人の公道を暴走していく。怪しく明滅するテールランプがアクセルを深く踏み込ませる麻薬の効果をもたらしてくれる。F1やラリーにおけるリアリティは所詮想像の域を出ないが、ストリート系のレースゲームは、ある意味、一般人の現実世界の延長線上を再現しているため、実感のこもったレースが楽しめる。これがストリート系レースゲームの強みだろう。

     今回のDemoはインストーラすら用意されていないプロトタイプで、とりあえず走れるだけといった内容。これだけだと他のタイトルに比べて弱いかなという気がする。今後の作り込みに期待したいところだ。

    (C) ACCLAIM is a registered trademark of Acclaim Entertainment, Inc 2004.

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【6/10】

    【リアルタイムストラテジー】
    「Ground Control II: Operation Exodus」Multiplayer Demo [213MB]
  • 開発元 Massive Entertainment
  • 発売元 Vivendi Universal Games

     スウェーデンのゲームデベロッパーMassive Entertainmentの新作RTS「Ground Control II: Operation Exodus」のMultiplayer Demo。5月26日に公開されたSingleplay Demoの内容を包含しており、シングル・マルチの両ゲームモードが楽しめる。優秀なサーバーブラウザも用意されていて、タイミングがよければ起動後すぐマルチプレイに参加できるという、RTSとしては異例の気軽さが好印象だ。

     「Ground Control II: Operation Exodus」は、過去に何度も記事で紹介してきたように、近未来のとある惑星の覇権を競って3つの勢力が死闘を繰り広げるSFRTS。FPS向けとしても十分通用するほどのハイクオリティの3Dエンジンを採用しており、グラフィックスレベルは、完全に他のRTSを圧倒している。現在、βテストや今回公開されたDemoを通じて、バランスのチューニングを行なっている段階だ。発売時期は、欧米で今夏が予定されている。

     同作はもともとコンセプト時点からマルチプレイ重視のゲームデザインを採用しており、「マルチプレイがどうか」という部分が注目だったのだが、シングルプレイほどスカスカな内容ではない感じで、安心させられた。方向性としては、細かいタクティクスよりも大局から見据えたストラテジックな行動が要求される感じで、一見すれば大味に映るが、プレイしていくうちに突き詰めていくと実はかなりおもしろいのではないかという期待感を持った。

     同作のマルチプレイはRTSよりもFPSのそれにずっと近くて、プレイ中のゲームに対して、途中参加、途中退席が可能になっている。ゲームモードは勢力同士にわかれたチーム戦が中心となるが、FPSのチームデスマッチのように、後から続々と新メンバーが増えてきたりするわけである。この感覚は非常に新鮮だ。

     後から入れば無傷の状態からすぐに漁夫の利を狙えそうなものだが、スタート時点では自ユニットは1体もおらず、ドロップシップと呼ばれる大型輸送船を使ってマップ外から運んできてもらう必要がある。また、テクノロジーのアップグレードも必要で、敵を撃破すればするほど、同作における唯一の資源であるAPが獲得できる。つまり、初期組の優位性が確立されており、自ずと途中参加組は、サポートに回る形になる。なかなかよく考えられているシステムだ。

     戦闘はレンジ系のミサイルやレーザー攻撃が主体となるが、通常のRTSだと格好のやられ役である歩兵が意外と粘り強いため、単純にアウトレンジ戦法が有利というわけでもない。バランスのよい軍団編成と、次の一手を見据えた戦略こそが勝利の鍵を握る、そんな感じのRTSだ。

     ひとつ気になったのは、途中参加のプレーヤーが保有する戦力はそれなりに大きいというところで、ルールや初期AP値にもよるが、負けを認めたユーザーが退席し、抜けた枠に新しいユーザーが入ってきてまた新戦力続々投入といった展開になると、なかなか決着が付かない。それこそ、ベトナム戦争のような代理戦争をしている気分にもなってきて、疲労度ばかりが蓄積されていく。同作ならではの悩みといっていいかもしれない。

     サーバーブラウザは、ロビー画面に入る時点で、北米、ヨーロッパ、アジアの3つの地域に分割されており、Pingならアジア、人数なら北米といった具合に、ケースバイケースで入る地域を変えることができる。「途中参加可能なRTS」というふれこみの割には、クローズドゲーム、つまり途中参加不可のルールが多いのが気になるところだが、Vivendiが立ち上げているホストも多いため、対戦相手を探すのはそれほど難しいことではない。まずは気軽に試してみるといいだろう。

    (C) 2004 Massive Entertainment(R). All rights reserved. Massive Entertainment(R) and the Massive Entertainment logo are registered trademarks of Massive Entertainment AB. Ground Control(R) is a registered trademark of Massive Entertainment AB. Published by Vivendi Universal Games International. Sierra and the Sierra logo are registered trademarks or trademarks of Sierra Entertainment, Inc. in the U.S. and/or other countries. All rights reserved. The NVIDIA logo and the "The way it's meant to be played" logo are registered trademarks or trademarks of NVIDIA Corporation.

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【6/9】

    【アドベンチャーゲーム】
    「Aura: Fate of the Ages」Playable Demo [130MB]
  • 開発元 Streko-Graphics
  • 発売元 The Adventure Company

     カナダの大手パブリッシャーDreamCatcher Interactiveのアドベンチャーゲーム部門The Adventure Companyの新作アドベンチャー「Aura: Fate of the Ages」のPlayable Demo。Demoのレベルではオリジナリティの面でかなり弱く、アドベンチャー性も皆無だが、アドベンチャーゲームが好きな人にはそこそこ楽しめる内容だろう。

     「Aura: Fate of the Ages」は、超現実的な仮想世界を舞台にしたファンタジーアドベンチャーゲーム。同ジャンルの代表作に「Myst」シリーズが存在するが、「Aura」も同シリーズに強烈にインスパイアされ、堅牢なファンタジー世界を構築したところまではよかったが、完成してみれば単なるコピーに過ぎなかったという典型的なピュアアドベンチャーゲーム。グラフィックスの雰囲気といい、BGMといい、サウンドエフェクトといい、「Myst」シリーズにそっくりだ。

     その善し悪しは別として、Demoをプレイして気になったのが、Demoから観察できるゲームの方向性そのもの。Demoではいくつかの謎解きを試すことができるが、それを解くと終了となる。その前後にストーリーらしきものは一切提示されず、ドラマティックな演出もない。まさに謎解きのための謎解きである。もっとも、オプションに字幕表示の有無といった項目もあり、製品版ではガラリと変わるのかもしれないが、メーカーがこのDemoで何を見せたいのかがわからない。

     謎解きの性質としては、無人の屋内から情報やパーツを集め、複数の機器により構成された得体の知れない装置を稼働させるというもの。それ自体は、プリレンダーグラフィックスからシームレスに展開されるアニメーションや、オブジェクトの緻密な描き込みなど、アドベンチャーファンを満足させるクオリティだが、本来主体であるべき前後のストーリー、要するにアドベンチャー要素が存在しないため、ちっともおもしろくない。

     また、解き方がわからないユーザーのためにテキストファイルでDemoの全解法を載せているのもおかしな話で、必要なのは主人公の現況と次の目的なり目標を示す前振り情報であるはず。それを全部カットしておいて、解き方だけをゲーム外テキストで提示しておくというのは、もはやゲームではない。

     すべての謎を解き終えたところで、Demoの終了を告げる静止画を挟んで終了となるが、あまりの唐突な終わり方に「アドベンチャーファンを舐めてるのか」という気になる。 「Myst」頼みのアドベンチャーゲーム界という構図はまだまだ続きそうな印象だ。

    (C) 2004 Dreamcatcher Interactive.

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【6/8】

    【リアルタイムストラテジー】
    「Soldiers: Heroes of World War II」Playable Demo [225MB]
  • 開発元 Best Way
  • 発売元 Codemasters

     CodemastersがE3で初出展したミリタリーRTS「Soldiers: Heroes of World War II」のPlayable Demo。E3の際は「Colin McRae Rally 2005」や「Wartime Command」といった大作に押されていまひとつ目立っていなかったが、今回改めてじっくりプレイしてみて、そのポテンシャルの高さに驚かされた。迷わず今月イチオシ指定。RTSファンはぜひ一度プレイしてみていただきたい。

     「Soldiers: Heroes of World War II」は、第二次世界大戦におけるヨーロッパ戦線をモチーフにしたミリタリーRTS。画面を見る限りでは、ごく普通のミリタリーRTSのように見えるが、兵士ひとりひとりに対して、単機で敵部隊を一掃するほどのポテンシャルを与えており、プレーヤーの戦術および細かい操作で、劣勢をいかようにも挽回できるという点に置いて、既存のミリタリーRTSと一線を画している。

     話は横道にそれるが、同作はPyro Studiosの「Commandos」シリーズやCDV Software Entertainmentの「Sudden Strike」シリーズといった、緻密かつ堅牢に構築されたヨーロッパ系ミリタリーRTSの魅力のエッセンスを実に見事にゲームに取り入れており、新世代のヨーロッパ産ミリタリーRTSとでも位置づけられそうだ。

     同作の魅力はいろいろあるが、中でも素晴らしいのは戦場の緊迫感を、一定のリアリティを保ちつつ、3Dポリゴン世界で描いているところだろう。同作のゲームエンジンは非常に自由度が高く、たとえば戦車後部に歩兵が乗った状態で移動できたり、地雷を踏ませるとキャタピラが外れて移動停止したり、戦車砲の直撃弾を浴びると兵士が吹っ飛んだりする。

     中でも同作の革新的な要素が、兵士ひとりになりきって行動できるダイレクトコントロールモードだ。このモードは通常のゲームプレイ中に自由に切り替えることが可能で、このモードを使うことで、あえて国産タイトルで言うところの「戦場の狼」や「フロントライン」的なヒロイックな活動が可能になる。

     といっても兵士の能力が変わるわけではなく、兵士に与えられる命令が格段に細かくなるというだけで、下手に多用しても無駄死にさせるだけという、諸刃の剣とも言えるモードである。極めて効果的な使い方としては、銃撃戦の際に、たとえば戦車の装甲を破壊しうる徹甲弾を持つ野砲をAIまかせにしていると、徹甲弾で歩兵を攻撃したり、榴弾砲で戦車を破壊しようとしたりする。戦車が到来する直前に、ダイレクトコントロールモードに切り替えておくと、有効射程距離に入った時点で射撃を開始できる。

     また、相手の戦車を破壊できる武器がないにも関わらず、敵戦車が縦横無尽に動き回っている。よく見ると倒した敵兵士がパンツァーファウストを持っている。こういうシチュエーションでもダイレクトコントロールモードが絶大な効果を発揮する。マウスで銃の照準を定めつつ、カーソルキーで移動操作が行なえるため、威嚇射撃しながら最前線に突入できるためである。RTSでヒロイックな行動が採れるというのは、まったく素晴らしい。

     ほかにも敵の戦車を奪ったり、戦車を修理して使えるようにしたり、石油タンクで燃料を移し替えて燃料切れの戦車を走らせられるようにしたりなどなど、非常に細かいゲームデザインが好印象だ。'96年に発売された「Close Combat」を皮切りに、少しずつチューンナップされてきたミリタリーRTSだが、「Soldiers: Heroes of World War II」はひとつの到達点といえるかもしれない。ぜひとも日本語版の発売を期待したいところだ。

    1986-2004 The Codemasters Software Company Limited ("Codemasters")."Codemasters" is a registered trademark owned by Codemasters. All Rights Reserved Privacy Policy. Website Terms of Use

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【6/7】

    【リアルタイムストラテジー】
    「Besieger」Playable Demo [264MB]
  • 開発元 Primal Software
  • 発売元 DreamCatcher Interactive

     ロシアのゲームデベロッパーPrimal Softwareの新作リアルタイムストラテジー「Besieger」のPlayable Demo。日本ではすでに3月11日にヨーロッパ版をベースにした日本語版がMystix Studiosから発売されているが、今回のDemoは北米版の発売に合わせて公開されたもの。同作未体験者はこの機会に試してみるといいだろう。

     「Besieger」は、バイキング風の屈強な戦士たちが、多種のモンスターたちと野戦や攻城戦を繰り広げるSFファンタジーRTS。同社のひとつ前のRTSである「The I of the Dragon」のグラフィックスエンジンを拡張した3Dエンジンを採用しており、スムーズなズームイン・ズームアウト、回転操作などを行ないながら好みの視点から指揮を執ることができる。

     この「Black & White」を彷彿とさせるダイナミックな視点操作が同作の醍醐味だが、カメラ位置は地形の影響を露骨に受けるため、山岳地帯では真下のユニットが見えなくなったり、勝手に位置がガクガク上下したりして、イライラさせられる。ただ、いったん慣れてしまえばこっちのもので、常に最高に見栄えのいい視点から指揮がとれる。個人的にはこのフルインタラクティブのインターフェイスを評価したい。

     Demoでは、シングルプレイキャンペーンと、スカミッシュがプレイできる。キャンペーンでは、プレイ中、たびたびリアルタイムムービーが再生されるなど、ストーリー性が強い。ユニットも敵を倒すたびに経験値を獲得し、レベルアップする。どうもヨーロッパでは、RTSにRPG要素を取り入れるというゲームデザインがトレンドになっている模様だ。

     グラフィックスに関しては、俯瞰視点から眺めた様子が抜群のクオリティで、LODも実装しているため、視点操作も軽々としててストレスがない。木や石の採集の際も木くずや石の破片が周囲に散らばったり、人口を増やす家には妻らしきユニット(命令不可)がなにやら支度をしていたり、クリックすると子供の声が聞こえたりと、生活感を感じさせる描写が秀逸だ。

     ただ、最後に落とすようだが、同作の致命的な弱点がAIが未熟なところ。現在位置と指定位置の間に障害物があるとスタックが発生することもあるし、内政時に毎回ユニット同士がぶつかり合って無駄に時間を消費したりする。戦闘指揮に関してはプレーヤーが細かく指揮することで何とかなるので、最初からそのつもりでプレイするといいだろう。

    Copyright (C) 2001-2004 Primal Software. Besieger is a trademark of Primal Software. All rights reserved. This product contains software technology licensed from GameSpy Industries, Inc. (C) 1999-2003 GameSpy Industries, Inc. GameSpy and the "Powered by GameSpy" design are trademarks of GameSpy Industries, Inc. All rights reserved.

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【6/4】

    【アクションゲーム】
    「Spider-Man 2」Playable Demo [164MB]
  • 開発元 Treyarch
  • 発売元 Activision

     Activisionの人気シリーズ最新作「Spider-Man 2」のPlayable Demo。「Spider-Man」のフランチャイズは、マルチプラットフォームで展開されているが、PC版はPS2のベタ移植のようで、グラフィックスの強化はなく、ゲームパッド非対応、グラフィックスオプションなしと、あらゆる点でコンソール版のおまけといったニュアンスで、惰性で開発されているという印象が強い。前作「The Movie」のPC版の出来が抜群だっただけに残念だ。

     「Spider-Man」のフランチャイズは、アメコミベースと映画ベースの2種類があり、今回はその前者に該当する。ストーリー性は薄い分、ゲームの自由度は高く、スパイダーウェブをはじめとした多彩なスパイダーアクションを駆使して巨悪を蹴散らしていく勧善懲悪式のストーリーが楽しめる。

     同シリーズの不可解なところは、毎作ごとにデベロッパーが異なり、グラフィックスエンジンからインターフェイスまで毎回変わるところだ。「Spider-Man 2」は、2001年に発売された初代「Spider-Man」をベースに開発されているようで、前作「The Movie」で実現していた、アクションボタンをタイミングよく押すことにより発生する連続技や、屋内で真上にウェブを出して天井に張り付き、敵の肩の上に飛び降りるといった細かいアクションもできなくなっている。グラフィックスも前世代に逆戻りしており、3作とおしてプレイしているユーザーにとってはこれは退化以外の何者でもない。

     おそらく、「The Movie」ではインターフェイスが複雑すぎて子供が遊べないといった苦情が殺到したため、ゲームデザインそのものを全体的にシンプルにせざるを得なかったのだろう。実際、「The Movie」は、2本のアナログスティックをフルに活用したインターフェイス(PCではWASDキー+テンキー+カーソルキー)を採用し、子供には荷が重い操作体系になっていたのは事実だ。

     今回は、WASDキーとマウスのみという至って直感的なインターフェイスになっているので、誰でもスパイダーウェブや2段ジャンプを駆使して、悪を蹴散らしていくことができる。個人的にはこの軌道修正はちょっと寂しいが、メインターゲットはレーティングどおり13歳以上の少年少女だろうから、修正もやむなしといったところだろうか。

    Spider-Man and all related Marvel characters, TM & (C) 2004 Marvel Characters, Inc. Spider-Man 2, the movie, (C) 2004 Columbia Pictures, Inc. All rights reserved. Game code (C) 2004 Activision, Inc. and its affiliates. Published and distributed by Activision Publishing, Inc. Activision is a registered trademark of Activision, Inc. and its affiliates. All rights reserved.

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【6/3】

    【ストラテジーゲーム】
    「Battleship Chess」Playable Demo [4MB]
  • 開発/発売元 ApeZone

     ApeZoneがオンライン販売しているストラテジーゲーム「Battleship Chess」のPlayable Demo。チェスと付いているがチェスのルールを適用しているわけではなく、クラシックなボードゲームを3Dエンジンで甦らせたといった体裁のオーソドックスなストラテジーゲーム。一見、フリーソフトレベルのゲームに見えるが、海戦ファンも納得のなかなか凝った内容だ。

     「Battleship Chess」は、19世紀末から第二次世界大戦にかけて、世界の列強が国家の威信をかけて建造に励んだ戦艦同士の砲撃戦をモチーフにしたターンベースのストラテジーゲーム。

     基本的なゲームデザインは、潜水艦ゲームのように互いに1回ずつ撃ち合って、敵艦を沈めていくというプリミティブな内容だが、イギリスのマジェスティックを皮切りとする近代戦艦から、装甲巡洋艦、巡洋戦艦、ド級戦艦、駆逐艦、潜水艦といった具合に、時代の変遷に合わせて多様な艦種をカバーしており、海戦ファンにはたまらない。

     登場する国家は、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本の4カ国。Demoでプレイできるチャプター1「The Early Years」では、近代戦艦と装甲巡洋艦が登場する。日本でいうと三笠や安芸、イギリスだとマジェスティックやヴィクトリア、ドイツはドイッチュラントやブランデンブルグといった具合に、戦艦がもっとも輝いた時代のビッグネームが登場する。ただ、残念ながらロシアは登場しないため、日本海海戦的なシチュエーションは再現できない。

     同作はボードゲームをベースにしており、将棋盤ほどの大きさのヘックスマップを舞台にドンパチが繰り広げられる。1ターンに動かせる艦船は1隻までで、移動後に2回砲撃する権利が与えられる。ただし、砲撃の際、弾着地点に応じて使用可能な砲門数が変わってくるため、向きにも気を配る必要がある。当然、距離が遠くなるほど命中率も下がる。また、使用する砲門数を任意で指定することもできるなど、なかなか細かい作りが好印象だ。

     特定の海域には装甲を補修したり、弾薬を補充といったポイントが用意されており、いかにポイントを押さえるかが重要となる。余談だが、装甲を補修するポイントに入ると、レンチでナットをキリキリ締める効果音が流れる。19世紀初頭の戦艦は、装甲板の溶接にリベット接合はまだ普及しておらず、ボルトやナットによる接合が主流だった。こうした時代背景を反映させた演出がなかなかファン泣かせなのである。

     ちなみに、海戦スタート時には、機雷や命中率アップといった特殊な効果のあるカードも配られる。特に機雷は一発で無傷の戦艦を沈められるなど圧倒的なパワーを秘めている。上手に活用したいところだ。

    (C) 2001-2003 by ApeZone

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【6/2】

    【キャラメイクツール】
    「ザ・シムズ 2 ボディショップ」製品版 [105MB]
  • 開発/発売元 エレクトロニック・アーツ

     北米で2004年秋に発売が予定されているエレクトロニック・アーツの人生シミュレーションゲーム「ザ シムズ 2」。その発売に先駆けて、キャラクタを自作できるツール「ザ・シムズ 2 ボディショップ」が公開された。日本ではちょうどE3期間中に公開されたので、遅ればせながらキャラメイクにチャレンジしてみたが、ゲームではないのだがなかなかおもしろい。「ザ・シムズ 2」のポテンシャルを図る意味でも体験しておく価値のあるツールだ。

     「ザ・シムズ」は、「シム・シティ」シリーズで名をはせた人気クリエイター、ウィル・ライトの新シリーズ。PCプラットフォームではここ数年でもっとも売れたタイトルで、日本でも各種アドオンを含め20万本のセールスを記録している。

     ゲームの内容は、シムと呼ばれる人型キャラクタの生活に直接介入し、あれこれ世話を焼きながら、引っ越ししたての無職の青年(女性)を、豪邸に住む高給取りのセレブへと導いていくというもの。また、単にサクセスストーリーをひた走るだけでなく、家のインテリアに凝ったり、隣人を集めてのパーティーなど、バラエティ豊かなバーチャルライフを堪能することができる。Windows版「ザ・シムズ」、PS2「ザ・シムズ」の2作を経て、都合3作目となるシリーズ最新作が「ザ・シムズ 2」だ。

     「ザ・シムズ 2」の日本での発売は、すでに正式アナウンスされているが、2004年夏とされている発売時期は北米の発売延期に合わせてもう少し延びるものと予想される。ただし、今回公開された「ザ・シムズ 2 ボディショップ」は、ゲーム内テキスト、マニュアル類も含めて完全日本語化されており、やる気は十分のようだ。

     「ザ・シムズ 2」の最大の特徴は、赤ん坊から老人までシム人の人生を丸ごとシミュレートするところ。「ザ・シムズ」ではキャラクタの成長はなく、誕生した子供が大人になることもなかったが、今回はゆりかごから墓場までを描く。「ザ・シムズ 2 ボディショップ」をゲームの発売前に公開した理由も、自分好みのキャラクタでプレイできるようにするためだ。

     「ザ・シムズ 2 ボディショップ」は、ツール本体と、衣類、肌の色、髪といったパーツを収録したコンテントパックで構成されている。ツール本体のみでも、キャラメイクは可能だが、肌の色が一色のみだったり、髪型のバリエーションが少なかったりするため、たとえば日本人風のキャラクタを作成しようとしても思うようにいかない。いずれも無償で公開されているので、セットでインストールしておきたいところだ。

     前作と同じように今回もテクスチャのインポート・エクスポートが可能となっている。既存のデータをいったんエクスポートし、それを画像ソフトで加工し、再度ゲームにインポートする。と書くといかにも難しそうで、素人には手に負えなそうな手続きに思えるかもしれないが、たいていの画像ソフトなら色の変更などはボタン一発で行なえる。こうすることで、完全にオリジナルのキャラクタを作ることができるわけだ。これはまだ序の口である。

     「ザ・シムズ 2 ボディショップ」の凄いところは、ツール本体だけでほぼ無限のキャラクタバリエーションを実現しているところだろう。「ザ シムズ 2」では、キャラクタを完全に3Dモデルで描いており、もっとも重要な要素である顔については、目、鼻、眉、あご、耳、口といった各パーツに細かく頂点データを割り当てており、バーをスライドさせるだけで微調整が可能になっている。

     といってもノッペラボウの状態から顔メイクを行なうわけではなく、各パーツそれぞれに20種類以上のパターンが用意されており、ひとつずつ好みのパーツを選択し、さらに微調整を加えながら自分好みのキャラクタを作成していくことになる。これにより、人間的な顔立ちを保ちつつ、目だけが一回り大きな美女を作ったり、分厚いアゴに立派なアゴヒゲを蓄えた紳士を作ったりすることができるわけだ。

     ただ、これぐらい豊富なバリエーションが用意されると、今度は逆にユーザー側のセンスが問題になるという気がした。たとえば、特定のアイドルや俳優に似せるには、どこをどうすればいいのかとか、美人のパーツばかり選んだはずなんだけども、全体的に不自然な感じになって、どこに手を付ければいいのかとか、頭を抱えるケースにたびたび遭遇した。

     こういうことはマニュアルには載っていないので、是非とも公式サイトで、「伊東美咲さん似の成人日本女性の作り方」とか「ハリー・ポッター似の少年の作り方」といった講座を開いてほしいところだ。

    (C) 2004 Electronic Arts Inc. All Rights Reserved.

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【6/1】

    【リアルタイムストラテジー】
    「Rise of Nations ~民族の興亡~: 皇帝と革命軍」体験版 [238MB]
  • 開発元 Big Huge Games
  • 発売元 マイクロソフト

     いよいよ6月11日に発売されるマイクロソフトの新作リアルタイムストラテジー「Rise of Nations ~民族の興亡~: 皇帝と革命軍」の体験版。本作はアドオンで動作には「Rise of Nations ~民族の興亡~」本体が必要となるが、この体験版は単体でプレイ可能。ボリューム満点なのでRTSに幅広くお勧めできる内容だ。

     体験版の内容は北米で4月25日に公開されたPlayable Demoを日本語化したもので、英語版をプレイ済みというコアユーザーには新鮮味の薄いコンテンツだが、マイクロソフトの体験版だけにテキストのみならず、チュートリアルなどで再生されるボイスメッセージもすべて日本語化されている。アドオンは、本編以上には売れないという厳然たる法則があるので、本編、アドオンともに日本語化はしても体験版は出さないケースが多いが、このあたりきっちりいい仕事をしてくれるところが同社の偉いところだろう。

     体験版のプレイできる範囲については、チュートリアルモード、クイックバトル(マップ、種族に制限あり)、世界征服キャンペーン(アレキサンドロス大王のみ、ターン制限あり)と、要するにマルチプレイ以外は一通り試すことができる。

     中でも世界地図を舞台にボードゲームスタイルで繰り広げられる世界征服キャンペーンは、ターン数に制限はあるといえど、1ターンに必ず戦闘が発生するため、普通にプレイすると5、6時間は平気で掛かる。今回は2度目ということで、あっさりクリアできるだろうと思っていたら、進化を誤ってずいぶん苦戦してしまった。

     この豊富なテクノロジーツリーによる、バリエーション豊かなプレイスタイルこそが同シリーズの最大の特徴で、そうした部分はこの体験版で十分に味わうことができる。シリーズのファンだけではなく、すべてのRTSファンにお勧めできる内容だ。

    (C) 2004 Microsoft Corporation. All rights reserved. Terms of Use.

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    詳しい紹介はこちら「本日到着! DEMO & PATCH ~6月1日版~」


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