発売元 Acclaim
Acclaimの新作レースゲーム「Juiced」のPlayable Demo。Acclaimはここ数年ヒット作に恵まれず、苦戦が続いている。同作も現時点では際だって優れているという印象は薄いが、発売は2004年第3四半期とまだ先のため、今後のチューンナップが楽しみなところだ。
余談だが、今年のE3の傾向のひとつとして、現在、北米を拠点に展開している大手メーカーのほとんどが、レースゲームの投入に意欲的になっていたことが挙げられる。EAは「Need for Speed」シリーズ最新作「Need for Speed Underground 2」、ATARIは「Driver」シリーズ最新作「DRIV3R」、Activisionは「True Crime: Street of LA」、Ubiは「Notorious: Die to Drive」、そしてAcclaimの「Juiced」。SCEの「グランツーリスモ」シリーズが完全制覇していた数年前に比べると、レースゲームの息吹が再び吹き返してきた感がある。
これらの新作レースゲームには明確な共通要素があり、言い換えれば、今年のレースゲームのトレンドといえる。それは非合法なレースあるいはドライブをテーマにしているということと、リアルな物理エンジンの採用による荒っぽいゲームデザインあるいは銃器等による破壊活動が可能、そしてストリート系ミュージシャンの正式ライセンスを受けたサウンドトラックの採用の3点である。
要するに北米ではストリート系のレースゲームとでも言えそうな新しいジャンルが確立しつつあるわけである。SCEの「グランツーリスモ4」や、英Codemasters系の正当派タイトルに比べると、いずれも日本では成立しにくいゲームデザインといえる。言うまでもなく、この背景には映画「ワイルドスピード」や「Grand Theft Auto 3」の大ヒットの影響があるものと見られる。
今回紹介する「Juiced」は、中でも比較的おとなしめ内容で、やかましいBGMを聞きながら、街の大通りを暴走するという点を除けば、オーソドックスなスタイルのレースゲームだ。Demoでは、走行時間、天気、ライバルカーの数、周回回数などを細かく設定できるカスタムレースを楽しむことができる。
日中は燦々と太陽が照りつける中でいかにもアメリカンな町並みを走ることができ、夜は深夜のネオンと複数のヘッドライトの煌めきの中、無人の公道を暴走していく。怪しく明滅するテールランプがアクセルを深く踏み込ませる麻薬の効果をもたらしてくれる。F1やラリーにおけるリアリティは所詮想像の域を出ないが、ストリート系のレースゲームは、ある意味、一般人の現実世界の延長線上を再現しているため、実感のこもったレースが楽しめる。これがストリート系レースゲームの強みだろう。
今回のDemoはインストーラすら用意されていないプロトタイプで、とりあえず走れるだけといった内容。これだけだと他のタイトルに比べて弱いかなという気がする。今後の作り込みに期待したいところだ。
(C) ACCLAIM is a registered trademark of Acclaim Entertainment, Inc 2004.
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