開発元 Nival Interactive
ロシアのゲームデベロッパーNival Interactiveが現在開発している「Silent Storm」の拡張セット「Silent Storm: Sentinels」のPlayable Demo。すでにロシア語版は公開済みだったが、ようやく英語版が公開された。まだ発売時期はおろか、パブリッシャーすら決定していない模様だが、日本でも「Silent Storm」の日本語版がようやく7月に発売されることもあり、セットで楽しみたいところだ。
「Silent Storm」は、ウォーゲームの代表作「スコードリーダー」や、国産タイトルでいえばセガの「プラトゥーンリーダー」などのボードゲームに端を発する古典的なシステムを現代の3D技術で鮮やかにゲーム化したターンベースのストラテジーゲーム。少数精鋭で困難なミッションをクリアしていくというスタイルは、Pyro Studiosの「Commandos」シリーズに近いものがあるが、プレイしてみればまったく次元の異なるゲームであることが即座に理解できるはずだ。
その特徴はなんといっても命中判定をパーセンテージで表示するという、リアリティを統計的数値で表しているところである。簡単に説明すると、お互い目の前でお見合いした状態の射撃で100%の命中率になり、石壁や高低差により遮られた相手は0%となる。距離や立ち位置、姿勢、武器の種類、射撃スタイルといった要因により、命中率はドラスティックに変わってくるという仕組みである。
すべてが確率で処理されるため、たとえば、遠距離射撃の命中率はおおむねヒトケタ台にとどまるが、命中率2%のロングレンジで立て続けに被弾して2ターン目にいきなりゲームオーバーになったり、努力を重ねて命中率を50%まで高めたにもかかわらず、ちっとも当たらなかったりする。この何とも言い難い忌々しさが同作の味わいといっていい。
同作には完全無欠な作戦というはシステム上存在し得ず、この得体の知れない確率との死闘が何よりも熱い。流れ弾に当たって死亡したり、序盤で負傷したりすると、どこにいても撃たれるような被害妄想に陥ることもしばしばだが、この緊張感は相変わらず見事だ。この部分をネガティブに捉えるユーザーは、同作のおもしろさはさっぱりわからないだろう。
基本的なゲームデザインは、1ターンごとに与えられるAPを消費して、移動から姿勢変更、射撃までを行なっていくというもので、味方と敵のターンを交互に繰り返していくことになる。日頃からRTSをプレイしているユーザーにはまどろっこしく感じられるだろうが、すぐに慣れる。
Demoでは、序盤の3ステージがプレイできる。難易度は3段階用意されているが、ノーマルでもすこぶる難しい。何度やってもダメなときは、大胆に作戦を変える潔さも必要だろう。スタート地点の司令部では武器やアイテムが購入できるので、しっかり活用したいところだ。
(C)2004 Nival Interactive. Silent Storm is a trademark of Nival Interactive. Published by JoWooD Productions Software AG. All rights reserved.
ダウンロードはこちら(3D Gamers)