発売元 プロジー
ISPとして有名なライブドア傘下プロジーのPCゲーム参入第1弾「Knight Shift 日本語版」の体験版。発売日は7月23日となっているが、すでに日本語が実装されており、ついつい熱中してプレイしてツルッとクリアしてしまった。ローカライズの出来はまだ完全とは言い難いが、ゲームそのものはよくできている。RPGファン、RTSファンの双方にお勧めしておきたい佳作だ。
「Knight Shift」は、ドイツのデベロッパーZUXXEZ Entertainmentが開発したロールプレイ色の強いファンタジーRTS。「Diablo」ライクなネットワークRPG風でもあり、韓国産2DMMORPG風でもあり、ドイツ産に代表される内政重視のRTS風でもある。そのほか濃厚なストーリー、レベル上げ、アイテムコレクションなど、さまざまな遊びのエッセンスが取り込まれており、非常に贅沢な内容だ。
世界観はオーソドックスな中世ファンタジーで、この点ややひねりが足らないが、こまめに挿入される会話シーンや、牛と牛飼いを牧草地に連れて行くといったユニークなクエストなど、既存のRTSの概念では収まりきらない、懐の深いゲームデザインが好印象だ。
体験版では、キャンペーンモードの序盤1ステージと、RPGモードがプレイできる。中でもキャンペーンモードは、チュートリアルすら存在しないが、まったく迷わずストーリーを進めていける。1ステージ限定ながら、徒歩やワープポータルなどを駆使して、広大なフィールドを駆け回ることになる。プレイ感覚は、RTSというよりRPGを通り越してMMORPGに近い印象だ。
もう少し具体的に紹介すると、プレーヤーは主人公プリンスジョンを操作し、与えられたクエストをひとつずつクリアしていくことになる。行く先々には狂犬やクマを初めとした敵が配置され、主人公に襲いかかってくる。これを倒すことで経験値を獲得し、獲得経験値が一定の値に達するとレベルアップする。また、HPが消耗した場合は、ヒーリングを行なうことができる。こうした部分もMMORPGに近い感じだ。
クエストを進めていくと仲間が増え、徐々にRTSらしくなっていく。村の拡張に必要となる建物を建設し、牛からミルクを搾乳し、歩兵を雇う。RPGからRTSへの移行は、非常にシームレスで、あたかも同じ素材で複数のゲームをプレイしているような感覚が味わえて、プレイしていて非常に楽しい。
インターフェイスは、左クリックのみと徹底的にシンプルなのもいい。グラフィックスも及第点が与えられる内容だし、ゲームデザインも欲張りだ。個人的に収録ボイスは、声優の質が低いように思われるが、好みの問題だろう。RTSをベースにしたゲームとしては、久々に万人受けするタイトルではないだろうか。
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