開発/発売元 Kuma Reality Games
Kuma Reality Gamesが展開しているアクションシューティング「Kuma War」の7-Day Trial。昨年の11月にβクライアントが公開された際は、ログインサーバーへの接続すらおぼつかない内容で紹介を見送ったのだが、今回は正式版だけに、快適にプレイできたので一度ご紹介しておきたい。
「Kuma War」は、日々世界中で報じられているあらゆる紛争を、そのままゲームとして取り込み、インターネットを通じて配信していく、という新しいタイプのアクションシューティング。ネットを通じて新しいコンテンツを提供していくという例は、すでに「America's Army」が実現していることだが、「Kuma War」は現実の出来事を完全にリンクさせているところが新しい。
試しに公式サイトの「FEATURED MISSION」の項目を覗くと、2004年2月12日に実施された米軍の攻撃を再現したミッションが紹介されている。タイトルは「Fallujah Abizaid Attack」で、米中央軍司令官John Abizaid陸軍中将が、イラク中部ファルージャで展開した作戦を描いたものだ。「Kuma War」のクライアントがインストールされた状態で、このミッションをダウンロードすれば、1歩兵の立場で、この作戦を仮想体験できるわけである。
今回同作を取り上げようと思ったのは、当初の発表通り、イラク紛争のミッションをインターネットで公開し続けているためだ。現実世界の紛争をわずか数カ月の遅れで、リアリティとゲーム性のバランスを取りながら配信し続けるという行為はまさに無謀そのもので、わずか数カ月の時差では実際の作戦に参加した将兵にインタビュー取材を行なうということもできないだろうから、正誤の精度はハリウッド映画以上に低くならざるを得ない。しかし、試みとしては非常にチャレンジングで、ゲームの内容うんぬんは抜きにして興味深いプロダクトだ。
ただ、現実問題として、果たしてウダイやクサイ、そしてサダムをターゲットとしたミッションを率先してプレイしたいかとというと微妙ではないかという気がする。ましてや正規軍は賞金首は狙わないのが原則であり、実際は大規模な動員による包囲殲滅的掃討作戦だったはずなのに、わざわざ隊員数を4人に限定し、ソマリア紛争的地獄の市街戦を無理矢理演出して、これで「リアル」だと言われてもまったくピンと来ない。
グラフィックスに関しては十分及第レベルだが、味方AIが未熟で、狭いところで操作キャラの変更を行なったりするとスタックが発生したりする。これはある程度チームコマンドで解決できる問題だが、チームベースバトルの楽しさは味わえない。「Delta Force: Black Hawk Down」のような市街戦が好きな人ならそこそこ楽しめるだろう。
(C) Copyright 2004 Kuma, LLC. Kuma War and Kuma Reality Games are trademarks of Kuma, LLC.
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