開発/発売元 ApeZone
ApeZoneがオンライン販売しているストラテジーゲーム「Battleship Chess」のPlayable Demo。チェスと付いているがチェスのルールを適用しているわけではなく、クラシックなボードゲームを3Dエンジンで甦らせたといった体裁のオーソドックスなストラテジーゲーム。一見、フリーソフトレベルのゲームに見えるが、海戦ファンも納得のなかなか凝った内容だ。
「Battleship Chess」は、19世紀末から第二次世界大戦にかけて、世界の列強が国家の威信をかけて建造に励んだ戦艦同士の砲撃戦をモチーフにしたターンベースのストラテジーゲーム。
基本的なゲームデザインは、潜水艦ゲームのように互いに1回ずつ撃ち合って、敵艦を沈めていくというプリミティブな内容だが、イギリスのマジェスティックを皮切りとする近代戦艦から、装甲巡洋艦、巡洋戦艦、ド級戦艦、駆逐艦、潜水艦といった具合に、時代の変遷に合わせて多様な艦種をカバーしており、海戦ファンにはたまらない。
登場する国家は、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本の4カ国。Demoでプレイできるチャプター1「The Early Years」では、近代戦艦と装甲巡洋艦が登場する。日本でいうと三笠や安芸、イギリスだとマジェスティックやヴィクトリア、ドイツはドイッチュラントやブランデンブルグといった具合に、戦艦がもっとも輝いた時代のビッグネームが登場する。ただ、残念ながらロシアは登場しないため、日本海海戦的なシチュエーションは再現できない。
同作はボードゲームをベースにしており、将棋盤ほどの大きさのヘックスマップを舞台にドンパチが繰り広げられる。1ターンに動かせる艦船は1隻までで、移動後に2回砲撃する権利が与えられる。ただし、砲撃の際、弾着地点に応じて使用可能な砲門数が変わってくるため、向きにも気を配る必要がある。当然、距離が遠くなるほど命中率も下がる。また、使用する砲門数を任意で指定することもできるなど、なかなか細かい作りが好印象だ。
特定の海域には装甲を補修したり、弾薬を補充といったポイントが用意されており、いかにポイントを押さえるかが重要となる。余談だが、装甲を補修するポイントに入ると、レンチでナットをキリキリ締める効果音が流れる。19世紀初頭の戦艦は、装甲板の溶接にリベット接合はまだ普及しておらず、ボルトやナットによる接合が主流だった。こうした時代背景を反映させた演出がなかなかファン泣かせなのである。
ちなみに、海戦スタート時には、機雷や命中率アップといった特殊な効果のあるカードも配られる。特に機雷は一発で無傷の戦艦を沈められるなど圧倒的なパワーを秘めている。上手に活用したいところだ。
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