発売元 Codemasters
CodemastersがE3で初出展したミリタリーRTS「Soldiers: Heroes of World War II」のPlayable Demo。E3の際は「Colin McRae Rally 2005」や「Wartime Command」といった大作に押されていまひとつ目立っていなかったが、今回改めてじっくりプレイしてみて、そのポテンシャルの高さに驚かされた。迷わず今月イチオシ指定。RTSファンはぜひ一度プレイしてみていただきたい。
「Soldiers: Heroes of World War II」は、第二次世界大戦におけるヨーロッパ戦線をモチーフにしたミリタリーRTS。画面を見る限りでは、ごく普通のミリタリーRTSのように見えるが、兵士ひとりひとりに対して、単機で敵部隊を一掃するほどのポテンシャルを与えており、プレーヤーの戦術および細かい操作で、劣勢をいかようにも挽回できるという点に置いて、既存のミリタリーRTSと一線を画している。
話は横道にそれるが、同作はPyro Studiosの「Commandos」シリーズやCDV Software Entertainmentの「Sudden Strike」シリーズといった、緻密かつ堅牢に構築されたヨーロッパ系ミリタリーRTSの魅力のエッセンスを実に見事にゲームに取り入れており、新世代のヨーロッパ産ミリタリーRTSとでも位置づけられそうだ。
同作の魅力はいろいろあるが、中でも素晴らしいのは戦場の緊迫感を、一定のリアリティを保ちつつ、3Dポリゴン世界で描いているところだろう。同作のゲームエンジンは非常に自由度が高く、たとえば戦車後部に歩兵が乗った状態で移動できたり、地雷を踏ませるとキャタピラが外れて移動停止したり、戦車砲の直撃弾を浴びると兵士が吹っ飛んだりする。
中でも同作の革新的な要素が、兵士ひとりになりきって行動できるダイレクトコントロールモードだ。このモードは通常のゲームプレイ中に自由に切り替えることが可能で、このモードを使うことで、あえて国産タイトルで言うところの「戦場の狼」や「フロントライン」的なヒロイックな活動が可能になる。
といっても兵士の能力が変わるわけではなく、兵士に与えられる命令が格段に細かくなるというだけで、下手に多用しても無駄死にさせるだけという、諸刃の剣とも言えるモードである。極めて効果的な使い方としては、銃撃戦の際に、たとえば戦車の装甲を破壊しうる徹甲弾を持つ野砲をAIまかせにしていると、徹甲弾で歩兵を攻撃したり、榴弾砲で戦車を破壊しようとしたりする。戦車が到来する直前に、ダイレクトコントロールモードに切り替えておくと、有効射程距離に入った時点で射撃を開始できる。
また、相手の戦車を破壊できる武器がないにも関わらず、敵戦車が縦横無尽に動き回っている。よく見ると倒した敵兵士がパンツァーファウストを持っている。こういうシチュエーションでもダイレクトコントロールモードが絶大な効果を発揮する。マウスで銃の照準を定めつつ、カーソルキーで移動操作が行なえるため、威嚇射撃しながら最前線に突入できるためである。RTSでヒロイックな行動が採れるというのは、まったく素晴らしい。
ほかにも敵の戦車を奪ったり、戦車を修理して使えるようにしたり、石油タンクで燃料を移し替えて燃料切れの戦車を走らせられるようにしたりなどなど、非常に細かいゲームデザインが好印象だ。'96年に発売された「Close Combat」を皮切りに、少しずつチューンナップされてきたミリタリーRTSだが、「Soldiers: Heroes of World War II」はひとつの到達点といえるかもしれない。ぜひとも日本語版の発売を期待したいところだ。
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