発売元 Vivendi Universal Games
スウェーデンのゲームデベロッパーMassive Entertainmentの新作RTS「Ground Control II: Operation Exodus」のMultiplayer Demo。5月26日に公開されたSingleplay Demoの内容を包含しており、シングル・マルチの両ゲームモードが楽しめる。優秀なサーバーブラウザも用意されていて、タイミングがよければ起動後すぐマルチプレイに参加できるという、RTSとしては異例の気軽さが好印象だ。
「Ground Control II: Operation Exodus」は、過去に何度も記事で紹介してきたように、近未来のとある惑星の覇権を競って3つの勢力が死闘を繰り広げるSFRTS。FPS向けとしても十分通用するほどのハイクオリティの3Dエンジンを採用しており、グラフィックスレベルは、完全に他のRTSを圧倒している。現在、βテストや今回公開されたDemoを通じて、バランスのチューニングを行なっている段階だ。発売時期は、欧米で今夏が予定されている。
同作はもともとコンセプト時点からマルチプレイ重視のゲームデザインを採用しており、「マルチプレイがどうか」という部分が注目だったのだが、シングルプレイほどスカスカな内容ではない感じで、安心させられた。方向性としては、細かいタクティクスよりも大局から見据えたストラテジックな行動が要求される感じで、一見すれば大味に映るが、プレイしていくうちに突き詰めていくと実はかなりおもしろいのではないかという期待感を持った。
同作のマルチプレイはRTSよりもFPSのそれにずっと近くて、プレイ中のゲームに対して、途中参加、途中退席が可能になっている。ゲームモードは勢力同士にわかれたチーム戦が中心となるが、FPSのチームデスマッチのように、後から続々と新メンバーが増えてきたりするわけである。この感覚は非常に新鮮だ。
後から入れば無傷の状態からすぐに漁夫の利を狙えそうなものだが、スタート時点では自ユニットは1体もおらず、ドロップシップと呼ばれる大型輸送船を使ってマップ外から運んできてもらう必要がある。また、テクノロジーのアップグレードも必要で、敵を撃破すればするほど、同作における唯一の資源であるAPが獲得できる。つまり、初期組の優位性が確立されており、自ずと途中参加組は、サポートに回る形になる。なかなかよく考えられているシステムだ。
戦闘はレンジ系のミサイルやレーザー攻撃が主体となるが、通常のRTSだと格好のやられ役である歩兵が意外と粘り強いため、単純にアウトレンジ戦法が有利というわけでもない。バランスのよい軍団編成と、次の一手を見据えた戦略こそが勝利の鍵を握る、そんな感じのRTSだ。
ひとつ気になったのは、途中参加のプレーヤーが保有する戦力はそれなりに大きいというところで、ルールや初期AP値にもよるが、負けを認めたユーザーが退席し、抜けた枠に新しいユーザーが入ってきてまた新戦力続々投入といった展開になると、なかなか決着が付かない。それこそ、ベトナム戦争のような代理戦争をしている気分にもなってきて、疲労度ばかりが蓄積されていく。同作ならではの悩みといっていいかもしれない。
サーバーブラウザは、ロビー画面に入る時点で、北米、ヨーロッパ、アジアの3つの地域に分割されており、Pingならアジア、人数なら北米といった具合に、ケースバイケースで入る地域を変えることができる。「途中参加可能なRTS」というふれこみの割には、クローズドゲーム、つまり途中参加不可のルールが多いのが気になるところだが、Vivendiが立ち上げているホストも多いため、対戦相手を探すのはそれほど難しいことではない。まずは気軽に試してみるといいだろう。
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