発売元 Vivendi Universal Games
欧米で10月29日に発売されたVivendi Universal Gamesの新作アクションシューティング「Men of Valor」のSingleplayer Demo。10月4日に紹介したMultiplayer Demoに続く、Playable Demo第2弾ということになる。個人的にはかなり期待していたタイトルだが、グラフィックス的にもシステム的にもピリッとせず、正直ガッカリさせられた。とはいえ、シナリオは比較的しっかりしているので、純粋にベトナム戦争を仮想体験してみたい人ならそれなりに楽しめるだろう。
「Men of Valor」は、「Medal of Honor: Allied Assault」の開発元として知られる2015の新作アクションシューティング。現在北米で注目を集めつつあるベトナム戦争をモチーフとし、「Medal of Honor: Allied Assault」と同じスクリプトベースのアプローチで、小隊規模の激戦を描いている。
今回のDemoはファイルサイズが434MBと大きめだが、これはフルボイスによるリアルタイムイベントが容量の大半を占めていると思われる。戦闘中にしばしば挿入されるこのリアルタイムイベントが同作最大のウリで、隊員がカラスの群れが飛び立つ音に驚いて、仲間たちがそれを揶揄するといった戦闘には関係のないシーンから、状況に応じて隊長が部下に新たな指揮を与えるシーンまでさまざまな場面で用いられている。
Demoでは、1ステージの途中までしかプレイできないのだが、カットシーンが多いため、ボリューム的にはやや物足りなさを感じつつも、単なる銃撃の応酬にとどまらないハリウッド映画風の充実したドラマ性を堪能することができる。
ステージのつくりは、いかにもベトナム戦争らしく、葦の高い雑草地帯と木造の集落が点在するジャングル地帯となっている。ところどころにはブービートラップが仕掛けられ、引っかかると一発で戦死してしまう。
さて、同作のピリッとしない理由についてはいろいろ指摘できる。まずグラフィックスについては、ここ数年の3Dゲームのトレンドであるシャドウ表現がほぼ全部カットされているのがなんといっても致命的だ。影がなければ光もないわけで、タイトル画面のような薄暗いジャングルで陽光が差し込むといったシーンもなく、視界を遮る木のない歩道沿いはぼっこり穴が空いたように見えるのには唖然とせざるをえない。このあたりはパッチでどうにかならないのだろうか。
システムに関しては、味方が無敵というところがゲームをどうしようもなくつまらないものにしている。味方が死ぬとカットシーンに支障が出るからということなのだろうが、まさに本末転倒だろう。また、敵もやたらめっぽうに動き回って突っ込んでくるだけで、AIに関しては2002年に発売した「Allied Assault」からまったく進化の過程が見られない。
そしてもっとも不可解なのは、同作では基本的に武器、弾薬の補充、ライフ回復といった行動は敵の死体をまさぐることで行なっていくのだが、この死体が一定時間で消えてしまうところだ。このため時には死体をまさぐるために、敵の銃弾をかいくぐりながら、前線に突っ込んでいくことになる。これもパフォーマンスの最適化のために、ゲーム性が犠牲になった本末転倒的謎仕様だろう。ほかにもいろいろ雑な処理が目立つ。せめてもう半年作り込んでほしかったところだ。
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