開発/発売元 エレクトロニック・アーツ
北米で2004年秋に発売が予定されているエレクトロニック・アーツの人生シミュレーションゲーム「ザ シムズ 2」。その発売に先駆けて、キャラクタを自作できるツール「ザ・シムズ 2 ボディショップ」が公開された。日本ではちょうどE3期間中に公開されたので、遅ればせながらキャラメイクにチャレンジしてみたが、ゲームではないのだがなかなかおもしろい。「ザ・シムズ 2」のポテンシャルを図る意味でも体験しておく価値のあるツールだ。
「ザ・シムズ」は、「シム・シティ」シリーズで名をはせた人気クリエイター、ウィル・ライトの新シリーズ。PCプラットフォームではここ数年でもっとも売れたタイトルで、日本でも各種アドオンを含め20万本のセールスを記録している。
ゲームの内容は、シムと呼ばれる人型キャラクタの生活に直接介入し、あれこれ世話を焼きながら、引っ越ししたての無職の青年(女性)を、豪邸に住む高給取りのセレブへと導いていくというもの。また、単にサクセスストーリーをひた走るだけでなく、家のインテリアに凝ったり、隣人を集めてのパーティーなど、バラエティ豊かなバーチャルライフを堪能することができる。Windows版「ザ・シムズ」、PS2「ザ・シムズ」の2作を経て、都合3作目となるシリーズ最新作が「ザ・シムズ 2」だ。
「ザ・シムズ 2」の日本での発売は、すでに正式アナウンスされているが、2004年夏とされている発売時期は北米の発売延期に合わせてもう少し延びるものと予想される。ただし、今回公開された「ザ・シムズ 2 ボディショップ」は、ゲーム内テキスト、マニュアル類も含めて完全日本語化されており、やる気は十分のようだ。
「ザ・シムズ 2」の最大の特徴は、赤ん坊から老人までシム人の人生を丸ごとシミュレートするところ。「ザ・シムズ」ではキャラクタの成長はなく、誕生した子供が大人になることもなかったが、今回はゆりかごから墓場までを描く。「ザ・シムズ 2 ボディショップ」をゲームの発売前に公開した理由も、自分好みのキャラクタでプレイできるようにするためだ。
「ザ・シムズ 2 ボディショップ」は、ツール本体と、衣類、肌の色、髪といったパーツを収録したコンテントパックで構成されている。ツール本体のみでも、キャラメイクは可能だが、肌の色が一色のみだったり、髪型のバリエーションが少なかったりするため、たとえば日本人風のキャラクタを作成しようとしても思うようにいかない。いずれも無償で公開されているので、セットでインストールしておきたいところだ。
前作と同じように今回もテクスチャのインポート・エクスポートが可能となっている。既存のデータをいったんエクスポートし、それを画像ソフトで加工し、再度ゲームにインポートする。と書くといかにも難しそうで、素人には手に負えなそうな手続きに思えるかもしれないが、たいていの画像ソフトなら色の変更などはボタン一発で行なえる。こうすることで、完全にオリジナルのキャラクタを作ることができるわけだ。これはまだ序の口である。
「ザ・シムズ 2 ボディショップ」の凄いところは、ツール本体だけでほぼ無限のキャラクタバリエーションを実現しているところだろう。「ザ シムズ 2」では、キャラクタを完全に3Dモデルで描いており、もっとも重要な要素である顔については、目、鼻、眉、あご、耳、口といった各パーツに細かく頂点データを割り当てており、バーをスライドさせるだけで微調整が可能になっている。
といってもノッペラボウの状態から顔メイクを行なうわけではなく、各パーツそれぞれに20種類以上のパターンが用意されており、ひとつずつ好みのパーツを選択し、さらに微調整を加えながら自分好みのキャラクタを作成していくことになる。これにより、人間的な顔立ちを保ちつつ、目だけが一回り大きな美女を作ったり、分厚いアゴに立派なアゴヒゲを蓄えた紳士を作ったりすることができるわけだ。
ただ、これぐらい豊富なバリエーションが用意されると、今度は逆にユーザー側のセンスが問題になるという気がした。たとえば、特定のアイドルや俳優に似せるには、どこをどうすればいいのかとか、美人のパーツばかり選んだはずなんだけども、全体的に不自然な感じになって、どこに手を付ければいいのかとか、頭を抱えるケースにたびたび遭遇した。
こういうことはマニュアルには載っていないので、是非とも公式サイトで、「伊東美咲さん似の成人日本女性の作り方」とか「ハリー・ポッター似の少年の作り方」といった講座を開いてほしいところだ。
(C) 2004 Electronic Arts Inc. All Rights Reserved.
ダウンロードはこちら(エレクトロニック・アーツ)