発売元 Microsoft
リアルタイムストラテジー界待望の新作「Age of Empires III」のPlayable Demo。シングルプレイ限定で、ニューイングランドとテキサスを舞台にしたスカミッシュモードとキャンペーンを2ステージプレイできる。欧米では10月下旬の発売が予定されているだけあって、Demoの完成度も相当高い。あとは日本での発売日の発表を待つばかりだ。
「Age of Empires III」は、今年1月の正式発表以来、E3レポート等でたびたび触れてきたように、日本でも大ヒットを記録した「Age of Empires II」の後継にあたるリアルタイムストラテジー。6年ぶりの新作というだけあって、グラフィックス、ゲームシステムなどを一新。もちろん舞台設定も変わり、中世からアメリカ新大陸を扱っている。
中でも注目されるのは、現在のあらゆる3Dグラフィックス表現を盛り込んだビジュアル。バンプマッピングによって地上オブジェクトの質感が劇的に向上しただけでなく、反射光や空気感の表現、全オブジェクトに設定された影の表現、そして美しさをたたえる水面の表現。基本的な画面構成は前作「Age of Mythology」とそれほど変化したわけではないが、実際にプレイしてみると、画面から受ける影響はまるで異なる。映像が活き活きとしていて、全体に躍動感が感じられる。RTSもようやく次の世代に突入したなという印象を受けた。
インターフェイスは、過去の作品を、あるいはRTSのスタンダード的な部分を踏襲しており、RTSの経験者ならそれほど迷う心配はない。ただ、ゲームの進め方、国家興隆のアプローチがずいぶん変化していて、Ageシリーズはそれなりにやってきたつもりだったが、ずいぶんとまどった。慣れたと感じるまでは難易度は抑えめにしておいた方が賢明である。
「Age of Empires III」の新要素であると同時に極めて重要な要素なのが、本拠地の概念と経験値という新たなリソースの存在、そしてトレードポストである。本作ではこの3つの要素を抜きにしては語れない。
本拠地は、ゲーム内にちょくちょく通うことになる文字通りの本拠で、機能的には入植者や軍事ユニット、食料や木などの各種リソースを前線に送り届ける役割を果たす。ユニットを依頼すると、一定期間をおいて街の中心に兵士達がずらりと並び、リソースを依頼すると、木箱に詰められた状態で街の中心の周囲に送り届けられるという具合だ。ちなみにこの木箱は入植者を駆使して梱包を解かなければリソースとして使えず、このあたりのこだわりぶりが嬉しい。
本拠の機能を活用するためにはポイントが必要になるが、そのポイントを獲得するために必要なのが経験値である。経験値は、マップ上のあらゆる行動で少しずつ加算される。たとえば、各種リソースの採集、敵ユニットの撃破なども経験値として加算される。そしてあらゆる行動の中で、もっとも大きなポイントが見込めるのがトレードポストを活用した交易活動というわけだ。
トレードポストは正確には二重の役割を与えられており、ひとつがマップ上に点在するネイティブアメリカンとの交易のための出先機関、もうひとつが馬車や鉄道の沿線上に点在する中継地点である。トレードポストの建設位置および数は限られているため、「Age of Empires III」ではトレードポストをいかに多く押さえるかが戦略上極めて重要になっている。
交易システムはAgeシリーズには以前から存在していたが、馬車にしても交易船にしても自前で用意する必要があり、秒単位の効率性が求められるAgeシリーズではほとんど日の目を見なかったが、今回は馬車や鉄道がNPC扱いになっており、トレードポストの支配者が即メリットを享受できるシステムになり、非常に使いやすくなっている。そのメリットを経験値という間接リソースにしたのもユニークなところで、要するにいくらトレードポストを押さえようが、決戦に負ければ最終勝利は覚束ないという絶妙なさじ加減が絶妙である。個人的にもっとも評価したいところだ。
まだまだ書きたいことは山ほどあるが、蒸気をまき散らしつつ力強く疾走する蒸気機関車とネイティブアメリカンの騎馬隊の併走シーンを見て、新大陸的ロマンが詰まった素晴らしいゲームだと思った。後はマルチプレイ時のマッチメイクのしやすさ、あるいは国家間のゲームバランスといった部分が気になる箇所だが、ビジュアルと演出面では素晴らしいものを持っている。ぜひ一度試してみてほしいDemoだ。
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