開発/発売元 Electronic Arts
Electronic Artsの人気シリーズ最新作「Need for Speed Most Wanted」のPlayable Demo。
欧米では11月15日、日本では12月22日(Xbox 360版のみ12月10日)の発売が予定されている。ひととおりプレイしてみた限りでは、パフォーマンスの最適化が不十分、というよりXbox 360にフォーカスしたあまり、現状では重すぎるゲームになっている印象が強いが、かつての「Mafia」を彷彿とさせる街を走る楽しみが堪能できる良作に仕上がっている。レースゲームファンは一度試してみるといいだろう。
「Need for Speed」は、公道を使ったストリートレースや、パトカーとのカーチェイスなど、北米版走り屋のアンダーグラウンドな活動をゲームとして再現したレースゲーム。「Need for Speed Most Wanted」は、「Need for Speed Underground 2」の次に当たる作品である。
「Most Wanted」は、最重要指名手配者の意。プレーヤーはストリートレーサーとして、都市を丸ごとひとつ再現したオープンロードステージを舞台に、ストリートレース界で名を挙げ、警察のブラックリストのランク最上位を狙うという、そのものズバリの「ブラックリスト」キャンペーンが最大のウリとなっている。
このオープンロードは、Playable Demoでもその一部を体感できるが、その広さは前作「Underground 2」の比ではなく、数度のプレイではとても把握しきれないほどに広い。複雑に枝分かれしたハイウェイを皮切りに、その下を走る網の目のように張り巡らされた一般道、そして地元の人間しか知らないような抜け道やショートカット、さらに農道や歩行者道路のたぐい、果ては球場や駐車場などもフェンスを蹴散らしつつ爆走できる。
街を丸ごと再現するという暴挙に近い試みにチャレンジしたゲームだけが実現しうる、道を少しずつ把握していく楽しさが同作の大きな魅力のひとつになっている。前作に比べ、街を構成する高架道や建物、ガソリンスタンドといった各種オブジェクトも格段に精度が向上しており、ビジュアルエフェクトも一回りも二回りも強化されている。
ゲーム中は絶えずソフトシャドウ表現が適用され、スピード感を演出するブラー表現、さらに陽光のまぶしさや、アスファルトの照りをリアルに再現するグレア表現、さらに地表や側面の煉瓦などにはバンプマップなどなど、レースゲームとしては極めてリッチな演出で満たされている。それだけに非常に重いゲームになっており、解像度はよほど表示解像度を抑え気味にしないと、まともなフレームレートが出ないだろう。良くできたゲームだけに、これを機に買い換えを決意するゲームファンも出てきそうだ。
ゲームデザインは、基本的にシリーズを踏襲しており、ゲーム性重視でゲームコントローラでぐいぐい遊べる。ハンドリングは曲がりやすく、物理エンジンも必要最小限。対向車と正面衝突しても自車が壊れることはないばかりか、わずかな減速でそのまま突き進めるといったタイプだ。グラフィックスはリアルだが、物理エンジンの実装は中途半端なため、無敵オブジェクトと可動オブジェクトの判断を誤ると、それが運命の分かれ目になるようなこともしばしば。ニトロやスピードブレイカーといったゲームならではの要素もふんだんに盛り込まれており、車の挙動についてはあくまでカジュアルな路線と捉えた方がいい。
Demoでは、メインモードとなる「ブラックリスト」キャンペーンこそデモ映像のみとなっているが、オープンロードの一部を使った即席のストリートレースを楽しめる「クイックレース」、パトカーの追走から1分間逃げまくるといった「ブラックリスト」の一部をゲーム化したような「Challenge Series」、そしてオンライン対戦が楽しめる「オンライン」の3つのモードにアクセスできるので退屈しない。重いのが玉に瑕だが、ぜひ一度試してみてほしいDemoだ。
(C) 2005 Electronic Arts Inc.
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