【特集】

新生「DOOM」3作目はシールドアクションが超絶楽しいタンクバトル! 「DOOM: The Dark Ages」香港プレビュー

【DOOM: The Dark Ages】
5月15日発売予定
価格:
スタンダードエディション 9,700円
プレミアムエディション 13,800円
コレクターズバンドル 34,800円
CEROレーティング:D(17歳以上)

 Bethesda Softworksは「DOOM」シリーズ最新作となるFPS「DOOM: The Dark Ages」を5月15日に発売する。発売プラットフォームは、プレイステーション 5、Xbox Series X|S、Windows PCで、価格は9,700円より。Game Passにも対応する。今回は香港のMicrosoft香港オフィスにて、アジアパシフィックのゲームメディアを対象とした試遊会が開催されたのでその模様をお届けしたい。

 今回、日本語ビルドでプレイできたものの、ローカライズが途中ということでスクリーンショットの撮影は許可されなかった。その代わりに、公式トレーラーと、一部エリアの動画撮影は可能だったので、撮り下ろし動画も合わせてお届けする。なお、「DOOM」を知らない方のために、「DOOM」シリーズについて筆者の過去の経験も交えながらその魅力を紹介しているが、「DOOM」を知ってる方は読み飛ばして、試遊レポートから読み始めていただいて構わない。

【Microsoft香港オフィス】
メディアツアーは、Microsoft香港オフィスで開催された
入り口に掲示されたイメージ
試遊コーナー

完全復活を遂げたFPSの元祖「DOOM」。新生「DOOM」は毎作テイストが異なるFPSに

 皆さんは「DOOM」と聞いて何をイメージするだろうか? FPSの元祖? ヘヴィメタ的世界観? ゴア表現? スーパーショットガン? DOOM酔い? どれも正解だ。 「DOOM」のムーブメントは1994年から1996年あたりに発生し、「DOOM」、「DOOM II」などの本編に加えて無数のMOD群で構成されている。当時、ポリゴンを採用した没入感の高い3D空間は誰もが魅了され、シェアウェアという無料でトライできる形態だったこと、そしてなんといってもオンライン対戦が可能だったこともあり、燎原の火の如く、瞬く間にPCゲーマーの間で広がった。

【「DOOM」、「DOOM II」】
伝説のFPS「DOOM」
日本でも多くプレイされた「DOOM II」

 筆者もまた「DOOM」が最初のFPSというPCゲーマーだが、当時でいうDOOM酔い、今で言う3D酔いにとにかく悩まされた。おもしろいが超絶に気分が悪くなり、1プレイするたびに休憩を挟まなければならない。まさに美味いが辛すぎる麻婆豆腐のようなゲームで、筆者の記憶に強く刻まれている存在だ。念のためにフォローしておくと、新生「DOOM」以降はほぼ酔わなくなった。これは筆者が成長したのではなく、ゲーム側が3D酔いを技術的に克服したためだ。「DOOM: The Dark Ages」でも3D酔いを避けるためのオプションが多数用意されており、筆者のように3D酔いしやすいゲーマーでも快適なゲームプレイを提供してくれる。筆者は今でも質の低いVRゲームなどをプレイすると簡単にベロベロに酔う。

 話を本題に戻すと、その後、少し時間を置いて2004年に「DOOM3」がid SoftwareとActivisionというタッグで発売され、その次の「DOOM4」は結局キャンセル、2012年に親会社をBethesdaに変更して「DOOM 3: BFG Edition」が発売。これ自体は3のリメイクだが現行「DOOM」シリーズの出発点だ。

【DOOM 3】
「DOOM 3」はホラーテイストで他のシリーズとは一線を画している

 そしてBethesdaとidは満を持して2016年に「DOOM」をリブートする。オリジナルと区分けするために海外では「DOOM(2016)」と言う表現が一般的に使われるが、「DOOM」伝統のラン&ガンを忠実に再現したスピード感のあるゲームデザインと、待ってましたとばかりに詰め込んだゴア表現、シークレットの隠し場所にあえて初代「DOOM」のテクスチャを盛り込むなど、「DOOM」ファンに直接アピールするゲームデザインで高い評価を集め、往年のファンからの支持と、若いゲーマーの取り込みに成功した。

 その4年後、2020年には続編「DOOM Eternal」が登場。死中に活を求めるアグレッシブなゲームデザインはそのままに、多彩な武器に、固有スキル、そしてダッシュやミートフックといった空中アクションを駆使することで、1990年代にストレイフジャンプを繰り返して超高速化したかつてのFPSシーンを彷彿とさせるような、未曾有の空中高速バトルを実現し、「DOOM(2016)」を上回る評価を集めた。このリブート2作の高評価を得て、満を持して投入されるのが「DOOM: The Dark Ages」だ。

 かつて我々ゲームメディアはこの手のFPSをスポーツ系FPSと呼んだ。「Call of Duty」や今は亡き「Medal of Honor」などのミリタリー系FPSと明確に区分けするためのカテゴライズだが、「Unreal」や「Quake」のようにゲームエンジンやイベント名にその名を残してるのはまだいい方で、そのほとんどは跡形も残っていない。

 そうした中で「DOOM」だけが今なお現役バリバリどころか、むしろ最先端のFPSとして孤高の地位を確立しているのは、まるでオーパーツを見るような不思議な錯覚に陥る。「Unreal」、「Quake」など多くのスポーツ系FPSが時代の進化についていけず無惨に散っていった中で、「DOOM」のみが復活を遂げ、なおかつ進化を続けるという現在の風景を想像できたPCゲーマーはまず居ないだろう。

 「何故なのか?」というのは簡単に答えるのが難しい問いだが、筆者が考えるのは、「DOOM」はスムーズな高速移動、リロード/ストッピング不要の射撃、武器の重量を無視して構えたままズンズン移動してガンガン撃てるなど、スポーツ系FPSの基本ルールを作ってきたゲームのひとつだ。新生「DOOM」はそういう物理法則を無視したゲームならではのFPSのおもしろさを現代に忠実に蘇らせつつ、その上で、Bethesdaグループ内でしか使用できないゲームエンジンid Techを使用して、FPSとしてさらに革新的なゲーム性を加えていることではないかと思う。

 いずれにしても「DOOM」に付くレジェンド、元祖、原点といった冠を全部外した上で、純粋なFPSタイトルとして新世代の「DOOM」は驚くほど出来が良い。開発元のid Softwareを擁するBethesdaはMicrosoft傘下として「DOOM」シリーズもすべてGame Passに対応している。今からでも遅くないのでプレイしてみるといいと思う。

 というわけで前置きがずいぶん長くなってしまったが、筆者は大きな期待を胸に「DOOM: The Dark Ages」の香港メディアツアーに参加してきた。そしてその期待はまったく裏切られることはなかった。さっそくインプレッションをお届けしていきたい。

「途中でリタイア」からおさらば! 「DOOM: The Dark Ages」は誰でも楽しめ、最後までクリアできるFPSに

 メディアツアーでは、まず始めにid Softwareから「DOOM: The Dark Ages」エグゼクティブプロデューサーのMarty Stratton氏と、ディレクターのHugo Martin氏からのビデオメッセージが再生された。彼らは開発を1月半後に控え、作業が佳境を迎えているため現地イベントに参加できなかったことを詫びつつ、革新的なFPSバトル、広大なステージでの充実した探索要素、そして濃厚なストーリー展開、この3点を今作の特徴として挙げ、シリーズ最高の作品に仕上がっていることに自信を覗かせた。ゲームエンジンは、初採用となる最新id Tech 8を使用していることを明らかにした。

【「DOOM」クリエイター】
「DOOM: The Dark Ages」エグゼクティブプロデューサーのMarty Stratton氏(左)、ディレクターのHugo Martin氏(右)

 その後すぐ体験会スタートとなったが、不具合が出る可能性があるためグラフィックスオプションの変更は不可ということで、id Tech 8のポテンシャルを測ることはできなかったが、ぱっと見の印象では、前作「DOOM: The Dark Ages」はもちろんのこと、id Tech 7を採用している兄弟会社Machine Gamesの最新作「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」よりもさらに1段美しいグラフィックスを実現していた。

 グラフィックス周りについては、開発者不在で裏が取れていないが、DLSS4やHDRには対応するが、レイトレは確認できなかった。マシンはCPUはAMD Ryzen 9800X3D、GPUはNVIDIA GeForce 5800搭載のハイエンドモデルで非常に快適に動作していた。PC版の推奨環境も公開済みなので、PCゲーマーはチェックしておくと良いだろう。

【PC版動作環境リスト】
推奨環境はGeForce RTX 3080以上、4K/ウルトラ環境はGeForce RTX 4080以上となっている

 また、冒頭でも紹介したように今回日本語ビルドでプレイできたが、ローカライズは前作同様、テキスト、ボイス共にフルローカライズになっている。ただ、今回のビルドでは、まだ開発向けメッセージやテキストの抜け、機械翻訳による誤訳で説明の意味がよくわからない箇所があったため、ミスの連鎖を防ぐためにこれらについては具体的な言及は避ける。製品版ではキチッと直っているはずだ。

 さて、今回のメディアツアーでは、4つのステージをプレイできた。1つは、ステージ1を最初からまるまるプレイできるというもの、それから主人公スレイヤーが搭乗して大暴れできる人型兵器アトラン、そしてこちらもスレイヤーが搭乗できるドラゴンによる空中戦。最後は、序盤から中盤にかけての山場となりそうなステージ「シージ」。どれも遊び応えがあり、3時間半の試遊時間はあっという間に過ぎ、シージは途中までしか行けなかった。

【操作説明カード】
シールドの追加によって、操作体系が大きく変化していることがわかる

 インプレッションに入る前に力説しておきたいのは、ついに「DOOM」はゲーム難易度の問題をほぼ克服したということだ。個人的な感覚で言うと、新生「DOOM」シリーズはゲームとして難しすぎる。死中に活を求めるゲームデザインが、安地からこそこそ撃って少しずつ進みたい安全志向のゲーマーとまず噛み合わないし、謎解きもノーヒントが多く、任天堂の「ゼルダの伝説」のような冷静になればハッと気付かせてくれるようなヒントの提示がうまくない。

 前作「DOOM Eternal」でいえば、空中ダッシュとポールへの飛びつき、壁への捕まり、ダッシュリフィルを獲得しての再ダッシュなどを駆使した難解な空中移動は、あまりのタイミングのシビアさに途中で投げたゲーマーも相当数存在すると思う。これらの壁は、難易度設定と関係なく発生し、問題なのはゲーム内に救済措置がチートコードしかないことだ。チートコードを使わせる前にやれることがあったのではないかと思わざるを得ない。

 こういった批判が多かったのかどうかはわからないが、今作では「スレイヤーの卵」から「ウルトラナイトメア」まで6段階での難易度設定に加えて、見たこともないレベルで、ゲームの難易度を調整するスライダーが大量に用意されている。ここに書き出してみる。

パリィの猶予時間(パリィの成功判定の長さを調整する、スライダーで5段階)
照準強化(エイムサポート、オンオフ)
攻撃強化(攻撃サポート、オンオフ)
プレイヤーへのダメージ(自身が受けるダメージを調整、スライダーで調整)
デーモンへのダメージ(敵に与えるダメージを調整、スライダーで調整)
敵の攻撃性(敵の攻撃頻度を調整、4段階)
ゲームスピード(ゲームのスピードを変える。50%から150%の範囲)
気絶時間(デーモンが気絶する時間の長さを調整、5段階)
敵の発射体の速度(敵のエネルギー弾の飛翔速度を調整、5段階)
リソース値(ライフや弾薬などのリソースを増減、5段階)

【難易度調整】
スクリーンショットは2月4日に放送されたDeveloper Directより。実際には上記のように日本語化されていて、より操作しやすくなっている。

 驚くのはゲームスピードすら変えられることだ。ゲームスピードを遅くすると、まさにスロー再生のようになり、タイミング系のアクションが飛躍的にやりやすくなる。特に本作は、シールドパリィ/ディフレクトの習得が必要不可欠だが、タイミングが他のゲームとは明らかに違う。今回が最終仕様ではないため、リリース時は変わっている可能性もあるが、「無双オリジン」より気持ち早く、わずかに先読みが必要といった印象。ゲームスピードを遅くすることで、パリィの受付時間も長くすることができるので感覚が掴みやすい。

 逆に「DOOM Eternal」をウルトラナイトメアでノーミスRTAを楽しんでいるようなプロ勢は、ゲームスピードを上げることで更なる難易度アップが可能となる。今回の100%RTAの風景がどのようなものになるのか、今から楽しみで仕方がない。

 いずれにしても、異次元の難易度設定が可能となったことで、高難易度ゲームとして知られる「DOOM」は誰でもクリアできるゲームになった。これは「DOOM」シリーズとして画期的というだけでなく、FPSゲームとしても画期的な試みだ。FPSが苦手なゲームファンもぜひ「DOOM: The Dark Ages」に挑戦してほしい。

「DOOM: The Dark Ages」のキモはシールドアクションにあり!

 まずはステージ1から紹介していこう。「DOOM: The Dark Ages」の時代設定は、前々作「DOOM(2016)」の前日譚で、神々とデーモンが終わりなき戦いを繰り広げているなか、対デーモンの決戦兵器としてドゥームスレイヤーが投入されることになる。

 スレイヤーは、神々に支配されながらも服従を拒んでおり、両者の間にはこれから一波乱も二波乱もありそうな雰囲気を漂わせている。ストーリーはネタバレになるので明かさないが、神々サイドも一癖も二癖もあるキャラクターばかりで、「DOOM(2016)」に向けてどう破滅のストーリーが展開していくのか。多くのカットシーンで展開されるストーリーも注目と言える。

【DOOM: The Dark Ages | Developer_Direct 2025】
ストーリーについてはDeveloper_Direct 2025でも紹介されている

 スレイヤーが宇宙船から撃ち込まれる場所は、未知のまったく新しいフィールドだ。文明の痕跡があり、敵であるデーモンに加えて、それに抗する兵士達の存在も確認できる。スレイヤーは別働隊として単騎で戦場に飛び込み、適宜神々の支援を受けながらデーモン達を蹴散らしていくことになる。

 スレイヤーは、毎度おなじみのコンバットショットガンに加えて、最初からシールドを備える。シールドは構えることで、「ブロック」状態となり、敵の銃弾や近接攻撃などを防いでくれるだけでなく、そこからワンアクション加えることで攻撃手段としても活用できる。「DOOM(2016)」や「DOOM Eternal」は、基本的に銃撃と近接攻撃で敵を倒していくゲームであり、丁寧にグローリーキルを使って行かないと、途端に弾切れを起こすという、カツカツ感がしんどいゲームだったが、「DOOM: The Dark Ages」ではリチャージ可能なシールド攻撃を使えるため、序盤の弾切れをほとんど心配しなくて良くなった。ビギナーにも遊びやすい仕様になっていると言える。

 シールド攻撃は、今回体験できたのは3つだ。ひとつはロックオンした敵に繰り出せる「チャージ攻撃」、感覚的には「DOOM Eternal」のミートフックのような遠距離から一気に距離を詰める攻撃手段だが、かなり攻撃範囲が広く、一発でデーモンの群れを一掃できるほどで、序盤は「もうこれだけで良くない?」という感覚に陥るほどだ。

 実際には、敵もチャージ攻撃対策としてシールドを構えたデーモンもいたり、むやみに突っ込んで行くと、火炎攻撃や噛みつきなど、ガード不能攻撃で、逆にピンチに陥ることもあるので、決して万能ではないが、一気に踏み込んでそこからのショットガンを叩き込んだり、ガントレットによる近接コンボを繰り出したり、攻撃の起点となる基本アクションだ。

 2つ目の攻撃手段が「シールドスロー」だ。文字通りシールドをブーメランのようにぶん投げる攻撃技で、シールドの周囲に張り巡らされた刃でデーモンを輪切りにする。こちらも攻撃力はなかなかで、デーモンの群れをなぎ倒すパワーを持っており、敵のシールドもアーマーが高い状態だと跳ね返されるが、銃撃などでシールドのアーマー値を下げた状態(ダメージによってシールドの色が暖色に変化する)なら、シールドごと輪切りにできる。

 弱点としてはシールドを投げて戻ってくるまで無防備になるところだ。こちらもむやみに使っていると、ブロックやパリィしたいときに「シールドがない!」ということになる。とりわけ「DOOM」伝統の乱戦シーンでは、デメリットの方が大きい感じで、使いどころが難しい攻撃手段と言える。

 そして3つ目がパリィだ。現在のアクションゲームでは欠かせない回避手段となっているパリィだが、ついに「DOOM」でも使用可能になる。ボスクラスのデーモンが扇状に吐き出す各種エネルギー攻撃や、剣戟を、タイミングを合わせてガードすることで攻撃そのものを無効化し、かつ一部の攻撃はそのまま跳ね返す(ディフレクト)ことができる。

【パリィ/ディフレクト】
映像はDeveloper Directよりグリーンのエネルギー弾は跳ね返す(ディフレクト)ことができる

 新生「DOOM」シリーズは、オリジナルアクションをフル活用することがクリアの鍵を握る。「DOOM(2016)」でいえば、敵を点滅状態にさせてからのグローリーキルがそうだし、「DOOM Eternal」ならグローリーキルに加えて、チェーンソーや火炎放射器などがそうだろう。「DOOM: The Dark Ages」はパリィ/ディフレクトがまさにそれに当たる。パリィ/ディフレクトを成功させると近接攻撃がリチャージされ、強烈なカウンター攻撃を繰り出すことができる。パリィからの近接攻撃を決めるまでが、今作の基本セットといっても過言ではない。

 ちなみに、敵デーモンのエネルギー弾は赤と緑に色分けされており、緑のみが跳ね返し可能。ただ、先述したように、パリィのタイミングが独特なので、チュートリアルを兼ねているステージ1でしっかり習得できないと、後々詰むので(実際筆者はそのままシージをプレイしたが、「ああ、これは無理だな」というレベルで瞬殺されまくった)、うまくパリィが出来ないなという場合は、難易度を下げたり、パリィの猶予時間を長くしたりして、早い段階でしっかりパリィを習得することをオススメしておく。クリアできるできない以前に、パリィが決まると気持ちよく、ゲームの楽しさも倍増するのでなおオススメだ。

 今回プレイした最初のステージは、開けたエリアが何度も出てきて、オープンワールド感が増しているし、探索感も強まっている。当然、シークレット要素や、謎解き要素もあり、武器やシールド、近接攻撃の強化などをポイントも存在する。ちなみに装備強化はごく一部しか体験できなかったが、武器や近接に加えて、シールドもたっぷり強化項目が用意されており、そのほとんどはマスクされていて内容は不明だが「リタリエーション(パリィや跳ね返しに成功すると、広範囲にショックウェーブを発生させ、デーモンを強ぐらつき状態にする」などが確認でき、選択によってゲームの難易度が大幅に変わるゲーム性に変化はなさそうだ。

 プレイした範囲内でのプレイフィールとしては、「DOOM Eternal」と比較すると、2段ダッシュや壁への捕まり、ポールジャンプなど、各種空中アクションがなくなっているため、どちらかといえばゲーム性は「DOOM(2016)」に近い、地上戦がメインになっている。ディレクターのMartin氏は、「DOOM Eternal」の戦闘が戦闘機だとするなら、「DOOM: The Dark Ages」の戦闘は戦車だと語っていたが、まさにそうだと思う。飛んだり避けたりするのではなく、受け止めて弾き返し反撃に転ずる。まったく異なる味わいになっている。

 「DOOM Eternal」が実現した多彩な武器とスキルを駆使した超高速空中バトルは、スポーツ系FPSの一つの到達点と言える仕上がりだった。それだけに本作でそれをあっさり捨ててシールドアクションに切り替えたことは、「DOOM」ファン、とりわけ「DOOM Eternal」と複数のDLCを遊び尽くしたようなコアなフェンにとっては不満があるかもしれない。しかし、あえて一作ごとに大胆にゲーム性を変える、これこそが初代「DOOM」がゲーム界にもたらした革新性そのものであり、新生「DOOM」シリーズ最大の魅力だと思う。筆者はこの大胆な変更を歓迎したい。

アトランとドラゴンは箸休め的なアトラクション

 ステージ1丸々全部と2の序盤をプレイしたあと、人型巨大兵器アトランとドラゴンによるバトルを楽しんだ。こちらは「DOOM」ならではのスレイヤー自身によるアグレッシブなアクション、繊細なシールドバトルと比較すると、重圧から解放される爽快感のある箸休め的なボーナスステージだと感じた。ぜひ公式トレーラーを見ていただきたい。

【「DOOM: The Dark Ages」公式トレーラー アトランステージ】
【「DOOM: The Dark Ages」公式トレーラー ドラゴンステージ】

 いずれもタイミングを合わせた回避運動「パーフェクトドッジ」がポイントで、ダッシュによる左右回避を決めることで、特殊な攻撃手段が開放され、眼前の強大な敵の粉砕に一歩近づく。

 新生「DOOM」シリーズは、特定の条件を満たした状態で攻撃を決めるとボーナスが発生し、有利になるという仕組みがあらゆる場面に取り入れられているが、アトランとドラゴンも全く同じだ。パーフェクトドッジ成功の快感に浸りながら、圧倒的な攻撃で巨大な敵を粉砕していくゲームになっている。ちなみにこのパーフェクトドッジも成功判定は独特で、かなり早めで、目視してからではギリギリ間に合わない、わずかに先読みするぐらいの感じだった。

 スレイヤーからアトラン、あるいはドラゴンへの移行は前後に短いカットシーンが挟まれるものの、基本的にシームレスで、さらにゲームとしてのスケールが増した印象がある。これらのバトルはそれぞれ複数回あるということなので、じっくり楽しめそうだ。

【アトラン】
アトランに搭乗すると巨大なデーモンとの格闘戦が堪能できる
【ドラゴン】
ドラゴンは空中戦。ゲーム性はシンプルで、パーフェクトドッジさえできれば難しくない

オープンワールドで繰り広げられるデーモン軍との決戦。幾度もの死の先にあるエクスタシー

 最後にプレイしたステージは、「真・三國無双」シリーズのように、広大なオープンフィールドスタイルの戦場に、複数の攻略拠点が設定され、ひとつずつ制覇していくものとなっていた。idはこれを「サンドボックス型ステージ」と呼んでおり、新基軸のマップとなる。事前にプレイ時間を1時間取ってくださいと指示されていたが、例によって何度も倒されたこともあり、コツを掴むだけで1時間かかり、全体の半分ぐらいしか進まなかった。

 戦場はまさに「無双」シリーズのように四方八方から敵が押し寄せ、安全地帯が全くない。シールドを駆使して上手く凌いでるつもりが、ガンガン後ろから攻撃され、火だるまになりながら逃げ回る始末。「DOOM Eternal」にはなかったような大乱戦だ。

 雑魚デーモンをある程度減らすとボスクラスの大型デーモンが召喚され、さらに激しいバトルになる。周囲の敵にも気を配りながら、ボスとの一騎打ちに突入。なんとかパリィを決めつつ、反撃に転じようとするが、ワンミスで瀕死まで追い込まれ、慌ててライフを求めて逃げ出しても捕まえられ、何度も無惨に倒される。倒されるとまた最初からやり直しだ。さっそく心が折れそうになる。隣の隣に座っていた他誌の戦友に、「なんだよこれ」、「無理でしょこんなの」などのボヤキを全部聞かれていたのはここだけの内緒話だ。

 今回は時間が限られているため、ごまめの歯軋りで頑張ることはせず、素直に難易度を下げたり、ゲームスピードを下げたりしたが、ゲームの難易度以上に、ゲームスピードを変えるのは遊び方を学ぶ上で大きな効果があった。特に乱戦になると、そもそもどこから誰の攻撃を受けているかがよくわからない。ゲームスピードを下げるとそれが明瞭にわかるようになる。わかれば回避する方法がわかるし、その先にあるパリィや反撃のタイミングもわかってくる。

 今回掲載した撮り下ろし映像は、ゲーム難易度はもっとも易しい「スレイヤーの卵」まで下げた状態のものだ。ゲームスピードは100%のままで、それ以外の調整もしていない。ギリギリ視聴可能な水準の動画になったと思う(動画を見直していたら、やっぱり見られる水準ではない気もするが、公式トレーラーとの対比に使って欲しい。ただ、公式映像は武器が強すぎである)。

【「DOOM: The Dark Ages」撮り下ろし映像】
【「DOOM: The Dark Ages」公式トレーラー シージステージ】

 2つの映像を見比べると、プレイヤーによって戦闘スタイルが異なるのがわかる。様々なプレイスタイルを許容してくれるのが「DOOM」の良さであり魅力だ。もし今回のメディアツアーで、ウルトラナイトメアをノーミスでクリアするレベルのプレーヤーが居たら、その彼の動画はさらに違ったものになっていると思う。プレイヤーの力量に応じてゲームプレイが大幅に変わる。それが「DOOM」だ。

 今回全てのコンテンツを指定時間内にプレイできず、若干消化不良感が残ったが、新シリーズの3作目に相応しいクオリティの高さを実感できたのは大きな収穫だった。筆者のプレイ自体はまだ30点ぐらいのものだが、雑魚デーモンはシールドチャージとシールドスローでなぎ倒しつつ、中ボスのエネルギー弾は確実にディフレクトを決めながら、チャージ攻撃と近接攻撃のコンボで瞬殺、巨大ボスとの近接戦闘では、敵の近接攻撃を着実にパリィしながら近接カウンターを繰り出し、ヒットアンドアウェイを繰り返していくという理想形は掴めたし、それが可能になったら「DOOM Eternal」を超えるエクスタシーが得られそうだなという確かな手応えがある。

 もっとも易しい難易度でも容赦なくプレーヤーを殺しに来るゲームが「DOOM」であり、ある程度FPSに慣れているゲーマーでも幾度も困難にぶつかるだろう。しかし何度も繰り返しプレイする事で、少しずつコツが掴めてきて、やりたいアクションと実際のアクションがフィットしてくる。こうなってくるとゲームが楽しくてたまらなくなってくる。過去の2作品は、そこにたどり着く前に投げてしまうゲーマーもいたと思うが、今回はどのような技量のプレーヤーでも楽しませてくれる包容力がある。

 idによればシングルプレイキャンペーンの規模としては過去最大規模としており、パリィ/ディフレクトをはじめとしたシールドアクションをたっぷり楽しめそうだ。既報だが、マルチプレイモードは一切なし。CO-OPぐらいはあっても良い気もするが、このあたりの思い切りの良さも「DOOM」らしい。「DOOM: The Dark Ages」。5月15日の発売が待ち遠しい限りだ。

【最新スクリーンショット】