【特別企画】
【アストロシティミニ全タイトルレビュー】「ぷよぷよ」
AC版はアルルのかわいさも3割増し!「ぷよぷよ」シリーズ第1作
2020年12月14日 00:00
「ぷよぷよ」は1992年に稼働を開始した落ち物パズルゲーム。当時の開発はコンパイル。現在はIPがセガに譲渡されており、その後も新作がリリースされ続け、eスポーツタイトルとなったり、12月10日に新作「ぷよぷよテトリス2」がリリースされるなど、令和の今でもシリーズが継続する人気タイトルとなっている。
元々はファミコンやMSXなどでリリースされたパズルゲームが元になっており、当初はコンパイルの「魔導物語」の外伝的なタイトルとして出ていた物が、アーケード版の登場以降は、「テトリス」で花開いた落ち物パズルの新たなヒットタイトルの1つとなったのは感慨深い。そもそも「テトリス」も「ぷよぷよ」も国内のアーケード版ではセガが絡んでいると考えると、これも感慨深く感じられる。
「ぷよぷよ」は1人プレイの場合、CPUが対戦相手となり、2人プレイの場合はそれぞれプレーヤーが操作して戦う対戦が主なモードだ。本作では1コインで2人プレイできるのも特徴だ。
ゲームのルールそのものはシンプルで、2個単位で落ちてくる色違いのスライム形状の「ぷよ」を同じ色で4つ以上繋ぐと消えるのでこれを消していくというもの。ぷよが画面最上部まで積み上がったら負けとなる。
ぷよが消えると相手に「おじゃまぷよ」を送り込める。また、ぷよが消えた際に上に乗ってるぷよは下に落ちてくる。そこで再度ぷよが消えると連鎖となり、この連鎖が続くほど相手に送り込める「おじゃまぷよ」の数がガンガンと増えていく。この頃の「ぷよぷよ」は連鎖の相殺がないため、4連鎖くらいの連鎖を送り込めばほぼ勝利は確定となる。そのため、初代「ぷよぷよ」の対戦におけるポイントは、とにかく相手が立ち直れないくらいの、ほどよい大連鎖を先行して組めるかが勝負のカギとなる。
「ぷよぷよ」を語る上で外せないのはメガドライブ版だろう。何しろ当時のイメージではアーケード版と遜色のない完成度の高さで、ビジュアルや音声は完璧。更にゲームモードも、対戦相手不在でひたすらぷよを消すだけの「とことんぷよぷよ」を備えるなど、むしろアーケード版以上の完成度では? と当時は思っていた。
もちろん実際に稼働していたアーケード版も何度かプレイした事はあったが、その場合、友達との対戦がメインだったこともあり、実際のアーケード版のCPU対戦プレイをガッツリやった事がなかったため、細部までの比較はしてこなかったというのもある。
そこで、今回はアーケード版「ぷよぷよ」の対CPU戦をじっくり遊んでみて、そして驚いた事がいくつかあったのでそれを紹介していきたい。
まずはそのビジュアルの滑らかな動きだ。それぞれ個別に見ている時には気が付かなかったが、並べて比較してみると当たり前と言えば当たり前だが、アーケード版の方がキャラクターの動きがかなりきめ細かくスムーズだ。ぶっちゃけアルルのかわいさも3割増しだ。
更に言うとオープニングのビジュアルもかなり異なっている。メガドライブ版でもロゴの「ぷよぷよ」がうねうねと動く動作は変わらないが、その動きが比較的おとなしめだ。また、背景のアニメーションがすごくシンプルで、動きが少ないのに対して、アーケード版では登場キャラクターたちが画面内を行ったり来たりする、派手な物となっている。
また、音声についても実はメガドライブ版はかなり省略されていた。「ファイヤー」以降の音声がカットされていたのだ。「通」以降ではメガドライブ版でも最大の「ばよえ~ん」まで音声が出ていたのですっかり記憶から抜けてしまっていたが、改めて比較してみて驚いた。これら音声もアーケード版ではきちんと「アイススト~ム」、「ダイヤキュ~ト」など全ての音声が用意されているほか、敵の連鎖に対しても「やったな~」だけでなく、「げげげっ」などアルルの音声が豊富に用意されていてとろける。また、対戦に勝った時の「やった!」という声もあるので、アルルのかわいい声を堪能するならアーケード版で決まりだ。
音声については、他にも敵キャラの音声が上げられる。メガドライブ版では特に出ていなかったが、アーケード版では敵選択時に必ず敵の掛け声のような一言が入るなど、細部の違いが色々とあるのがわかった。
アーケード版の「ぷよぷよ」を改めてじっくり見てみたが、細かい差異はあるものの、こうやって比較してみると逆説的にメガドライブ版の出来の良さも再認識できた。ゲームとして必要な要素はほぼ問題なく再現されており、当時の印象がそれほど間違っていなかったのだと考えるとちょっと安心した。
一方で豊富な音声と滑らかな挙動、またデフォルトで厳しめの難易度などを考えると、ガッツリプレイするならアーケード版の方がより楽しめるだろう。
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