【アストロシティミニ全タイトルレビュー】「コラムスII」

　その名のとおり、名作落ち物パズルゲーム「コラムス」の続編にあたる作品「コラムスII」。前作はひたすら宝石を消すだけのシンプルなゲームだったが、本作では1人プレイ専用の「フラッシュコラムス」と、2人対戦プレイができる用「対戦コラムス」の2種類のモードが遊べることが最大の特徴。レバーで画面上部から落下してくる宝石を左右に移動させ、宝石の並び順が変わる基本操作も、同じ種類の宝石をタテ、ヨコ、ナナメのいずれかに3個以上並べると宝石が消え、宝石が一番上のラインを超えて積み上がるとゲームオーバーになる基本ルールも、前作とまったく同じだ。

　「フラッシュコラムス」は、あらかじめ積み上げられた宝石のなかに交ざった、点滅する宝石をすべて消すと次のステージに進めるというルール。1面は点滅する宝石が1個だけだが、ステージが進むと点滅する宝石の数が増え、またステージによっては最初からフィールドがせり上がった状態、つまり宝石を積むスペースが狭まった状態からスタートすることもある。詰将棋や詰碁を解くのと同様に、どうすれば点滅する宝石の周囲にスペースが空き、同じ色の宝石とつながってラインを消せるのかを考えながら遊べるところに、本モードならではの面白さがある。

【1人用モード「フラッシュコラムス」】

1面より。まずは点滅する宝石（※上から2番目、右から3番目にある黄色い三角形の宝石）の周囲にある、邪魔な宝石を消すところからスタート

点滅するものと同じ種類の宝石が出現したら、タテ、ヨコ、ナナメいずれかの空いたスペースにすかさずくっ付ける

ステージクリアに成功！

　なかなかステージをクリアできずにモタついていると、やがて宝石の落下スピードが徐々に速くなるとともに、お邪魔キャラのドクロが出現する。ドクロは、出現を告げる警告メッセージが画面に表示されると、フィールド上に積まれた宝石のいずれか1個がドクロに変化する形で現われる。ドクロは宝石と同様に、同じ色の宝石を3個以上並べれば消すことができるのだが、その直後にフィールドがせり上がり、積まれた宝石を押し上げてしまうという、実に厄介な存在だ。

　運悪く、点滅する宝石の近くにドクロが出現してしまうと、それまでは楽勝だったハズがいっぺんに難しくなることもしばしば。また、ドクロの周囲を避けて宝石を積んでいたのに、途中で予期せぬ連鎖が発生して、うっかりドクロを消してしまった結果、あっという間にゲームオーバーになってしまうこともある。本モードが面白いのは確かなのだが、このドクロが出現するおかげで難易度はメチャクチャ高い。ただ闇雲に宝石を消すだけは、序盤のステージをクリアすることすらおぼつかないし、だからと言ってドクロを避けてばかりいると、やがてドクロが2個、3個と数が増えていくので本当に難しい。

　なので、なかなかクリアできないからとムキにならずに、1日1、2面クリア程度のゆっくりしたペースで遊ぶのが賢明だろう。幸い、アストロシティミニ版にはプレイデータのセーブ機能が付いているので、本機能をありがたく利用させていただいて気長に、マイペースで遊ぶようにしたい。

【名物＆難物のドクロには要注意！】

「WARNING!」と画面に表示されたらドクロが出現する合図だ

いかにもプレーヤーの恐怖感をあおるジングルとともに、ドクロが同じ色のいずれかの宝石と入れ替わる形で仕掛けられる

ドクロを消すと、フィールドがせり上がってたちまちピンチに！

モタモタしていると、ドクロの数はどんどん増えていくのでもうタイヘンだ……

　「対戦コラムス」は、先に最上段まで宝石が積み上がったプレーヤーが負けとなる2人プレイ専用モードだ。1度に4個以上、または連鎖を完成させて宝石を消すと、相手側が操作中の宝石が弾け飛ぶと同時に、フィールドがせり上がることで攻撃を仕掛けることができる。逆に、相手プレーヤーから攻撃を受けた場合は、同様に4個以上または連鎖消しに成功すればフィールドを下げることができる。

　ルールはいたってシンプルだが、フィールドを上げたり下げたりの応酬となる対戦バトルは、これが意外と言っては失礼かもしれないが実にアツい。現在、盛んに行なわれている「ぷよぷよ」のeスポーツと並行して、本作もeスポーツの競技用タイトルとして採用してみてはどうか、と本気で思うほどに面白いのだ。

　古代の中東、地中海周辺を想起させる独特のビジュアルと、いかにも摩訶不思議な世界を演出するBGMが紡ぎ出す、「コラムス」シリーズならではの独特の世界観、難解・難関ステージがズラリと揃ったパズル、そしてホットな対戦プレイを、家族や友人たちを誘ってぜひ一度お試しいただきたい。

【白熱の2人対戦が楽しめる「対戦コラムス」】

宝石を連鎖、または一度に大量に消して相手を攻撃し合う。