【特別企画】

【アストロシティミニ全タイトルレビュー】「ファンタジーゾーン」

未来へと伝えていくべき、2Dシューティングの名作。その攻略例を伝授

導入年:1986年

基板:System 16

開発:セガ

 シューティングの名作「ファンタジーゾーン」は、1986年にセガからリリースされたアーケードゲームだ。左右にスクロールするカラフルなゲーム画面が印象的なタイトルで、プレイヤーキャラクターの「オパオパ」が敵や前線基地、ボスなどを倒したときに手に入るコインを使って、ショップでパワーアップパーツを“買う”という斬新なシステムが導入されている。

「ファンタジーゾーン」のゲーム画面。ショットとボムを使って、10基の前線基地を倒していく
「SHOP」と書かれたバルーンに触れるとショップに入れる。コインを使ってパワーアップパーツを買うのだ
エンジン以外は、買うたびに値上がりしていくので、無駄遣いは禁物。自機(エキストラシップ)も購入可能だ

 筆者も本作とのつきあいは長く、稼働当時のゲームセンターでの出会いから、まもなく移植されたセガ・マークIII版、セガではなくサンソフトから発売されたファミコン版、グラフィックスの表現に優れていたPCエンジン版、待望のセガハードで完全移植が実現したセガサターン版など、少しずつアーケード版の完成度近づいていく移植作品を見る過程も楽しかった。近年は名作を先の時代へと伝えるように各ハードに移植される機会があり、リアルタイムで遊んだ世代の筆者が本作について執筆する機会も増えた気がする。

この「アストロシティミニ」には、海外でもリリースされたニューバージョンを収録。ステージ開始時にBGMのタイトルが表示される

 本作の歴史やゲームシステムに関する説明は、既にいろいろなところで語られているので、本稿は少し趣を変え、筆者が本作を1周クリアするまでの簡単な攻略例を述べていこうかと思う。「アストロシティミニ」でこの「ファンタジーゾーン」をプレイするときの参考にしてもらえば幸いだ。

 本作で最も大事なのは、取ったコインを消費してのパワーアップの配分だ。コインがあれば、最初のラウンドからいきなり強力なウェポンを買うこともできるが、前半のラウンドは難易度が低めかつ、2カテゴリーあるウェポンは買うたびに値上がりしていくので、先に進みたいのなら早いうちから無駄遣いをする必要はない。スピードアップの「ジェットエンジン」と、ウェポン2の「ツインボム」だけ買っておけば、ラウンド2のボスぐらいまでは十分立ち回れるだろう。自信がなければ安くて攻撃範囲が広い「ワイドショット」を買う手もあるが、威力は通常のツインショットと同じで、ラウンド1~2のボスには性質上効果がないことを覚えておきたい。また操作に慣れないうちはジェットエンジンの代わりに少しスピードの遅い「ビッグウィング」を買ってもいいが、移動が遅いとラウンドクリアに時間がかかりコインの額面が小さくなり、ボスを倒したときのコインも回収しにくいので、いずれジェットエンジンに買い換えるときがくると思う。

「アストロシティミニ」はショットの連射(Aボタン)を標準装備。ツインショットの連射とツインボムだけでもかなり戦える

 制限時間のあるウェポン1(ショットボタンで発射される武器)は筆者の場合、前線基地の耐久力が上がってくるラウンド3から買うようにしていて、ラウンド3~4は「レーザー」、ラウンド5以降は「7ウェイショット」とレーザーの2種で進めている。レーザーは当てている間ダメージを与えられる強力な攻撃力を持つが、攻撃範囲が狭い。ラウンド3は前線基地がある位置の高低差が小さく、ラウンド4は全て同じ高さの地上にあるので、範囲の狭いレーザーでも立ち回れるのだ。ラウンド5以降は前線基地の高低差が大きくなり、耐久力も上がるので7ウェイショットを導入するというわけである。

ラウンド3からレーザーを導入。時間をかけなければ8基ぐらいまで前線基地を倒せるはず
ラウンド4は、レーザーを撃ちながら地面を歩くだけで全ての前線基地を倒せる。激突しないように注意

 ウェポン2は、無制限に使えるツインボム以外は単発の購入で、効果もかなり特殊なので使いどころが限定される。画面内の敵にツインショット1発分のダメージを与える「スマートボム」は、ラウンド4のボス「クラブンガー」を3発使うことで難なく倒すことができる。また垂直に落ちて弾道上の敵にダメージを与える「ヘビーボム」は、ラウンド3のボス「コバビーチ」やラスボスの最後の攻撃に有効だが、位置どりやタイミングが若干難しいので、「アストロシティミニ」なら中断セーブなどを使って練習してみるといいかもしれない

筆者はラウンド7の縦2列に並んだ前線基地に対してヘビーボムを使うこともある

 各ラウンドには前線基地が10基存在し、全て倒すとボスが登場。これを倒すとラウンドクリアとなる。ラウンド中には無数の敵が出現し、前線基地からも現われるが、これらにはあまりかまわず、前線基地を優先して倒したほうが実入りがいい。前線基地は早く倒すとコインの額面が高いからだ。倒すとコインを落とす敵もいるが、額面は低いのでこれも無理に取らなくていい。

 さてラウンド7までの個性的なボスだが、それぞれには弱点があり、そこにショットやボムを一定数撃ち込むことで倒すことができる。ボス戦ではラウンド8以外はミスするとショップに入れず、パワーアップなしの状態で戦うこととなるため、倒すことよりもミスをしないことを心がけたい。またボスを倒した位置が高いと、落ちたときにバウンドして散らばって集めにくくなるので、誘導できるボスに関しては、できるだけ低い位置で倒すのがベストだ。

ラウンド1ボス「スタンパロン」。緑色の弾を撃ってくるときに開く口が弱点。オパオパが前に出ると弾が戻ってくるので要注意
ラウンド2ボス「ボランダ」。顔の周囲の内側を回る8個の球が弱点。外側の球は破壊できないので、その隙間を狙う。弾が上から振ってきたら攻撃を止め、回避に徹しよう
ラウンド3ボス「コバビーチ」。弱点は9門のレーザー砲。レーザーに注意して下2門をショットで破壊し、残りは全て斜め上から落とすボムで壊せる
ヘビーボムなら1発で全ての砲を壊せるが、位置取りが結構難しく、砲が残ってしまうこともある
ラウンド4ボス「クラブンガー」。上下の腕の関節全てを赤くすると倒せる。スマートボム3発を使うだけで倒せる
スマートボムを使わないで倒す場合は、腕にぶつからないように、上下の動きだけで弾を回避し、ショットをメインに撃っていく。根元から先に撃っていこう
ラウンド5ボス「ポッポーズ」。15体の編隊を小さい順に全て倒す必要がある。最前列の8体と、2列目の上下を倒した5体の状態にして弾を回避しながら待つ
すると弾を撃つのを止め、ゆっくりとオパオパに向かってくる。このときに最後列の一番大きいものを撃つことで安全に倒せる
ラウンド6ボス「ウインクロン」。弱点は中央の目玉。ぶつかるとミスになる周囲の腕は時間が経つと回転が速くなってくるので、素早く隙間から目玉を攻撃するのだ
ラウンド7ボス「IDA-2」。弱点はピースが集結したときの全体で、分散したときはダメージを与えられなくなる。ツインボムを上手くヒットさせよう

 そしてラウンド8は、これまでのボス7体と連続して戦うシーンが展開する。冒頭に必ずショップに入れるが、切り替えるきっかけがないので、1つのカテゴリを2種以上買っても意味はない。特にウェポン2は、ツインボムがないと後の攻略が厳しくなるので、買わないのが賢明。ツインショット、ツインボム、ジェットエンジンで戦うのが最も効率がいいと筆者は思っている。戦い方はこれまでと同じだが、一部弾を撃つスピードなどが速くなっているので要注意。

最終ラウンドはボスラッシュ。ここのボス群は倒してもコインを落とさない

 ボス7体を倒すと、ついにラスボスが出現。目玉と腕のある小さなエイリアンが6体、規程のルートを通って突撃してくる。エイリアンの軌道に残る青いアームのような物質は、オパオパが通り抜けることができないので、閉じ込められる前にエイリアンを倒さなければならない。5体目まではショットとボムの連射で倒せるが、6体目はジェットエンジンよりも早いスピードで追尾してくるので、上記の装備で倒すにはコツがいる。いくつかのパターンが存在するが、“すり抜け”のテクニックが一番やりやすいかと思う。

エイリアンのアームはぶつかってもミスにはならないが、通ることはできない。本体にぶつかるともちろんミスになる
6体目のすり抜けテクを成功させるためには、5体目の倒し方が重要になる。出現時に正面で待ち受けたら右下に下がり、エイリアンを画面最下段へと誘導する(矢印はわかりやすいようにこちらで書き込んだもの)
今度は上のアームに接触するところまで誘導する。この間は常にショットを撃ってダメージを与えておく
もう一度右下に下がって、このあたりで5体目を倒す。するとアームが消えて、オパオパの下にアーム1本分の隙間が空く
6体目が出てきて、縦軸が合ったら素早く左へ移動し、次に横軸が合ったら左上に移動する
素早く回り込んで下段のアームの下をくぐって右上に移動すると、アームをすり抜けてしまう!
あとはエイリアンの自滅を待つだけ。当時のゲーム誌などで発見されたテクニックだ

 またもしここでミスをしてしまったときは、レーザーとヘビーボム1個を買うことで、6体全てを比較的簡単に倒すことができるだろう。

レーザーとヘビーボムがあるときは、5体目を上に誘導して倒すといい
タイミングを見計らってヘビーボムを投下。早すぎないように引きつけよう

 筆者が「ファンタジーゾーン」1周クリアするまでのパターンはこんな感じだ。あくまで選択肢の一つなので、これを参考に新たな攻略法を見つけ出してみてほしい。