【特別企画】

【アストロシティミニ全タイトルレビュー】「コラムス」

「連鎖」の快感を世に知らしめた、落ち物パズルゲームの草分け的存在

導入年:1990年

基板:C Board

開発:セガ

 「テトリス」に端を発する、落ち物パズルゲーム黎明期を代表する作品のひとつ「コラムス」。画面上部から落下してくる、縦に3個並んだ宝石をフィールド上に着地させ、同じ色の宝石をタテ、ヨコ、ナナメのいずれかに3個以上並べて消すと得点が加算され、宝石が一番上のラインを超えて積み上がるとゲームオーバーとなる。操作はレバーで宝石の左右の移動、下に入力すると宝石が高速で落下し、ボタンを押すと宝石の並び順が変わる。ルールはいたってシンプルで難しい操作も一切なく、老若男女を問わず誰でも気軽に楽しめる。

 すでに多くの皆さんがご存知のこととは思うが、本作の面白さ、そしていまだに稼働しているゲームセンターをたまに見かけるほど長らく人気を保つ秘密は、何と言っても宝石を連鎖で消したときの気持ち良さにある。一度に連鎖をたくさんつなぐと、得点がどんどんアップするのはもちろん、連鎖が続くたびに宝石が消えるときのSE(効果音)が少しずつ高くなり、プレーヤーの快感を増すアイデアは、まさに世紀の大発明と言っても過言ではないだろう。

ルールは単純明快。同じ宝石を3個以上そろえてひたすら消していく
連鎖が続くと気分爽快。なかなか連鎖が場合は、ナナメのラインを意識して組むのがオススメ

 本作にはイージー、ミディアム、ハードの3種類の難易度があり、ゲーム開始時にどれか1つを選んでプレイすることになる。本作をまだ遊んだことがない初心者には、迷わずイージーを選択することをおすすめする。イージーでゲームを始めると、スタート時からレベル2までの間は宝石が消える場所を教えるヒントが表示され、なおかつ宝石の落下スピードが遅いので、ゆっくり考えることができるからだ。

 まれに出現する魔宝石は、くっ付けたものと同じ色の宝石をすべて消去する効果を持つ。宝石がたくさん積み上がっても魔宝石が出てくるまであきらめずに粘り、魔宝石を利用して大量の宝石を消してピンチをしのいだときもこれまた実に快感だ。ちなみに、魔宝石を宝石が積まれていない、フィールドの最下段に落とすとボーナス得点が加算される。

【初心者でも安心のイージー設定】
レベル0~2までの間はヒント(カーソル)が表示される。宝石を消せる場所が複数ある場合もまとめて教えてくれる

【魔宝石で大逆転!】
ゲームオーバーのピンチを、魔宝石の出現まで粘って切り抜けたときも実に快感だ

 ルールと操作方法を覚えたら、迷わずミディアムまたはハードを選択するといい。その理由はズバリ、イージー選択時は前述の魔宝石が一切出現しないからだ。最初は宝石の落下スピードの速さに戸惑うかもしれないが、慣れてくると魔宝石が登場するミディアム、ハードのほうがイージーよりもむしろ楽になるので、イージー以外の難易度にも怖がらずにぜひチャレンジしていただきたい。

 次から次へと高速で落下する宝石の色と、消去できるラインを瞬時に見つけ出し、ストーン、ストーンという宝石が積まれたときの効果音とともに、宝石がどんどん消えていく気持ち良さとテンポの良さは、一度体験してしまうとついつい病みつきになってしまう。仕事や勉強の休憩時間など、気分転換をしたいときには本作を遊ぶことを迷わずおすすめしたい。

 アストロシティミニ版の小さなレバー、ボタンによる操作でもまったく支障がなく、液晶ディスプレイに表示された宝石も実に美しい。アーケード版の発売から30年の月日が流れたが、その面白さは永遠に輝きを放つ宝石のごとく、今なお色あせることがない。