【特別企画】

【アストロシティミニ全タイトルレビュー】「スクランブルスピリッツ」

オプションを駆使して敵を倒すのが楽しい、懐かしの縦スクロールシューティングの移植がついに実現!

導入年:1988年

基板:System24

開発:セガ

 今回の「アストロシティミニ」で、初めて移植が実現したタイトルのひとつ「スクランブルスピリッツ」。8方向レバーとショット、スペシャルアタック、フォーメーションチェンジの3ボタンを使用して自機を操作し、敵の戦闘機や戦車などを破壊する縦スクロールシューティングゲームで、各ステージの最終地点に出現するボスを倒すとクリアとなる。1周全6ステージ。

ショットボタンを押すと、対空・対地用2種類のショットを同時に発射する。対空ショットは画面の最上部まで届くが、対地ショットの射程はやや短め(※約3分の2画面)だ
各ステージの最後にはボス敵が出現。種類や形態によって、対空・対地用ショットの使い分けが必要となる

 本作の一番の面白さは、特定の敵(※ヘリコプター型のキャラ)を破壊すると出現するオプション「補助翼」を活用した多彩な攻撃方法にある。

 回収したオプションは自機の側面に固定され、以後ショットボタンを押すと自機と同じ対空、または対地ショットを同時に発射することが可能となる。装着した直後のオプションは対空ショットを放つが、フォーメーションチェンジボタンを押すと対地ショットに切り替わるので、状況に応じてどちらのフォーメーションを使うのか、攻略パターンを考えながらプレイするのが楽しい。オプションは同時に2機まで装着できるが、敵や敵弾に触れると消滅してしまう。出現する頻度もけっして多いとは言えないので、入手したオプションをいかに長持ちさせるかが、攻略上の超重要ポイントとなる。

 オプションを装着中にスペシャルアタックボタンを押すと、オプションが前方に発射されて大爆発し、広範囲の敵にダメージを与えるスペシャルアタックが使えるようになる。スペシャルアタックを発動後、発射したオプションは煙を吹き出しながら画面内を浮遊するので、敵の攻撃をかわしつつ回収すれば再度装着することができる。再回収したオプションは、一定時間が経過後に煙が消えて元の状態に回復するが、煙が出ている間にスペシャルアタックを使用するとオプションが消滅してしまうので注意したい。

 あくまで筆者の体感だが、本作は自機の当たり判定がやや大きめに設定されている。しかも、ただでさえ敵弾のスピードが速いのに、至近距離からでも平気で弾を撃つ敵編隊や、地上に砲台が密集する地帯、あるいは攻撃・耐久力ともに高い、いわゆる中ボスのような敵もいろいろと出現するので、失いたくないからと無理してオプションを守ろうとすると、ついついミスをしがちになってしまう。そこで、対ボス戦以外の場面でも、スペシャルアタックを使う場所をパターン化してしまうといい。さらに、スペシャルアタック使用後にオプションを再回収するタイミングまでパターン化できれば理想的だ。

【攻略に欠かせないオプションの存在】
オプションを2機装着したところ。攻撃力が飛躍的にアップする
フォーメーションチェンジボタンを押すと、オプションが対地用ショットを連射する隊形に変えて戦うことができる。フォーメーションの変更は何度でも可能だ

【スペシャルアタックをどんどん使え!!】
ボス戦以外の場面でも、難しいなと思った場所では積極的にスペシャルアタックを使った攻略パターンを作るのがオススメ。使用後は、オプションの再回収も忘れずに!
どんな敵でも、スペシャルアタック1発で倒せるとは限らない。早めに決断しないと、写真のように痛い目に遭ってしまうのでご注意を……

 1、3、5面の中盤に進むと、サイレンとともにBGMが変わり、各キャラクターの表示サイズが一時的に拡大され、自機が超低空飛行をしながら敵と戦うボーナスゲームに移行するのも、本作ならではの面白いアイデアだ。ボーナスゲームの最中は、敵弾に触れても一切ミスにならない(※ただし、一定時間動けなくなってしまう)ので、思う存分ショットを撃ちまくり、敵機や砲台を破壊することができる。

 ボーナスゲーム終了後は、破壊率に応じて高得点が加算されるので、ミスの心配がないからと手を抜かずに、ぜひ100パーセント達成を目指してプレイしていただきたい。本作には1UPアイテムが存在せず、自機のストックを増やす方法はエクステンドしかないので、得点稼ぎも攻略上の重要なポイントとなるからだ(※60万点に到達するとエクステンドとなる)。幸い、アストロシティミニ版には連射ボタンが搭載されているので、これを活用しない手はない。

【ボーナスゲームにも注目!】
サイレンが鳴り、キャラクターが拡大表示されたらボーナスゲーム突入の合図。敵弾に当たってもミスにならないのがうれしい

 けっして簡単なゲームではないが、オプションを駆使した攻撃パターンの構築が楽しい。いかにもSystem24基板の作品らしい、きめ細かく描かれた輝度が高い(ように見える)ドット絵の美しさとBGMのノリの良さ、またショットボタンを連射すると、まるで実際に機関銃を撃っているかのような快感が得られる、独特の発射音も本作ならではの魅力だ。

 なお、前述したように敵弾が速く、なおかつサイズが小さいので、本機のコンパクトなディスプレイでは正直ちょっと見にくい。HDMIケーブルを使用して、テレビやPCのモニターを使用してプレイするのがおすすめだ。

 発売からすでに32年が経過した古いタイトルゆえ、今や全国どこのゲームセンターに行っても見掛けることはほとんどないだろう。そんな貴重な本作を、この機会にぜひ体験していただきたい。