インタビュー
「Halo」「Destiny」で知られるBungieの最新作! 脱出SFシューター「Marathon」ゲームディレクターインタビュー
2025年4月13日 03:00
- 【Marathon】
- 9月24日 発売予定
- 価格:未定
Bungieは、プレイステーション 5/Xbox Series X|S/PC(Steam)用脱出シューター「Marathon」のゲームプレイ映像を4月13日に公開した。「Marathon」は「Halo」や「Destiny」などを手掛けた、クリエイターによる新作SFシューターだ。
Bungieは1994年に今作と同名タイトルであるFPS「Marathon」を発売している。その後も「Marathon 2: Durandal」「Marathon Infinity」を発売してきた。今作と世界観に厳密な繋がりを持たせているかは、現状不明だが、今作ではチーム制の脱出シューターゲームとして、9月24日の発売が予定されている。音声、字幕ともに日本語対応予定だ。
本作では、プレイヤーは「タウ・セティIV」の失われたコロニーの遺構で富と力を探し求める「ランナー」となる。それぞれ異なる能力を持つサイバネティックな傭兵の中からキャラクターを選択し、3人1組でチームを組んで、武器やアップグレードを探索。生き残りを目指して戦術的な要素とスピード感あふれる戦いに挑むことになる。
今回は、そんな「Marathon」の最新トレーラーやゲーム性について、Bungieのゲームディレクター・Joe Ziegler氏にメディア合同インタビューを実施した。Switch2での発売もあるのか聞けたので、早速、その内容をお届けしていきたい。
クルーベースの脱出シューター。キャラ特有のスキルもあるスピーディなアクション・タクティカル
――「Marathon」という伝統あるタイトルのストーリーライン・世界観を採用している理由についてお聞かせください。また、「Marathon」というIPの魅力についてはどのように考えていますか?
Joe氏:エクトラクションシューターと1994年の「Marathon」の世界観がマッチしていました。当時はAIが蔓延する世界を舞台に、AIの制約を打ち破りながら、プレイヤーとAIの複雑なやり取りが描かれていました。加えてホラー的な空気感も含まれており、そこにマッチしていたというのが理由です。
「Marathon」はクラシックなIPですが、「この世界で賢くあるとはどういうことか」といったことを全面に出している作品であり、プレイヤーはこうした問い掛けの数々に向き合う体験ができるのではないかと思いました。傭兵(ランナー)として生きていく中で、パズルのピースを合わせていくように自分の存在意義を見出していくのが、本作の魅力になると思います。
――今回の映像の中で日本語が見えていたり、「Sekiguchi Genetics」というワードが聞こえてきましたが、今作の世界において「日本」の要素というのはどういう形で登場するのでしょうか?
Joe氏:日本の要素が特にゲームの中にあるわけではありません。もちろん、宇宙の中には「日本」があるんですけれども、特に「日本」の要素が突出しているものではないかなと思います。ただ、「Marathon」の世界に進出した企業の伝統的な繋がりはいくつかあるかなと思います。
――今回公開されたトレーラー映像は“色づかい”が特に印象的でした。ゲームの世界観を見せる上で何か意味があるのでしょうか?
Joe氏:キービジュアルやマーケティングで使っている色は、ゲームのトーンを表していると考えています。ブライトな明るいカラーや暗いアース系のカラーが組み合わさることで、世界観の不気味さと、ゲームプレイ中の楽しさやワクワク感といったものを色づかいによって同時に表現しているのではないかと思います。
――既存のエクストラクションシューター(脱出系シューター)が存在する中で、「Marathon」ならではのプレイ体験についてお聞かせください
Joe氏:ユニークなところは、大きく分けて2つあるかなと思います。多くのゲームがソロベースの中で「Marathon」はクルーベースとなっています。メカニクスやソーシャルの観点から、ゲーム内での仲間の復活といったシステムもあります。
また、本作はハイブリッドなアクション・タクティカルです。通常のタクティカルゲームでは、相手を倒すために待ち時間などが発生し、スローペースで戦うことが多いですが、本作ではスピーディさやスローさの両方を選べるアクションFPSとなっています。
――18 playersという言葉がありましたが、これは3人×6チームという認識でよろしいでしょうか?
Joe氏:今回お見せしたマップ「Dire Marsh」においては3人×6チームとなります。ただし他のマップでは違う構成になる場合があります。
――チーム制で「復活」や「リスポーン」の仕組みがあるのが大変ユニークですが、リスポーンの仕組みについてお聞かせください。チームが全滅しなければ何度でもできるのか、それとも特定の条件やアイテムでリスポーンできるのでしょうか?
Joe氏:リスポーン機能ですが、従来のエクストラクションシューターでは、プレイヤーが死んだ後、フレンドがプレイしているのを見ているような状況になってしまっていました。
「Marathon」では「ダブルダウンシステム」を採用しています。もし片方が倒されたりしても、仲間がいればその場で復活が可能ですが、復活には時間がかかります。また、ソロプレイ時には復活アイテムが存在していますが、見つけるのが難しいものとなっています。
――ダウンと蘇生に関して。ダウン状態からの蘇生はアイテム不要で、バッグになった味方はアイテムを使用しての蘇生となる形でしょうか?
Joe氏:まずプレイヤーの体力がなくなると、ダウン状態(這って移動することはできるが攻撃はできない状態)になります。チームメンバーがダウン状態になった場合、味方は比較的すぐに蘇生することができ、蘇生が完了すればすぐに攻撃にも参加できます。
また、ダウン状態中にキルされた場合でも、味方はアイテムを使用せずに蘇生することができます。ただし、ダウン状態からの蘇生よりも時間が長くかかり、さらに蘇生後のプレイヤーは死体からloot(戦利品)を再度拾いなおす必要があります。
――姿が透明になったり特定のスキルを使ったりしている映像もありました。スキルはキャラクター依存のものなのか、それともゲームプレイ中に拾って使用するアイテムなのでしょうか?
Joe氏:スキルは大きく分けて2つ存在しているのですが、主なものはキャラクター特有のスキルになります。前線で効果を発揮するスキルを持ったキャラクターと、ステルスで敵を探るキャラクターとがシナジーを発揮することもあります。爆弾や地雷などはアイテムとして拾えますが、キャラクター依存のスキルがゲームプレイの比重を占めると思います。
――ビーコンのようなものに向かって走り、操作しているシーンが描かれていますが、あれが脱出装置になるのでしょうか?
Joe氏:ご理解の通りです。プレイヤーが「exfil beacon」を起動することでタイマーが作動し、ゲームから脱出できるようになります。成功すればアイテムを持ち帰ることができ、失敗(脱出を試みている最中に他のプレイヤーにキルされるなど)するとアイテムを失います。
――ソーシャル機能ですが、他のプレイヤーとアイテムやコンテンツを共有できる機能があるのでしょうか?
Joe氏:“与える”機能はありませんが、“貸す”という機能はあります。誰かと一緒にプレイしているときに、アイテムを貸して、マッチ終了後には持ち主の元へ返却されます。
――キャラクターの成長要素についてお聞かせください
Joe氏:ゲームをプレイしていく中でアップグレードアイテムを見つけたり、ショップで購入するなどして、アップグレードが行なえるような仕組みです。
――本作はクルーベースとのことですが、フレンドとマルチプレイをする際、どのようなところを楽しんでいただきたいと考えていますか?
Joe氏:グループでのプレイについては、3人のプレイヤーで連携し高難易度コンテンツに挑戦したり、敵プレイヤーとの戦いに臨んだりなど、手応えのある戦闘で楽しんでいただけると思います。
――シーズン毎に区切るワイプのようなシステムはあるのでしょうか?
Joe氏:本作でもシーズン制の採用と、毎シーズンのワイプを計画しています。ゲームの進み具合やアイテムも、シーズン毎にリムーブされていきますが、シーズン毎に自分のプレイスタイルやアイデンティティーを確立して貰えると思います。ただし、一部の要素はシーズン切りかえ後も引き継がれる予定です(例:タイトル、エンブレムなどのゲーム内実績)。
――Steamでは「クロスプラットフォームマルチプレイヤー」と明記されていますが、マッチングの仕様はどのようになりますか?
Joe氏:クロスプレイ対応ですので、全ハードのプレイヤーとマッチングします。また、コンソールゲーム機でプレイしたデータをPCに共有して遊ぶ「クロスセーブ」にも対応しています。ここについてあまり情報を出してこなかったのは、異なるハードでゲームをプレイするとき、フェアなエクスペリエンスになるよう注力していたからです。
――先日「Nintendo Switch 2」が発表されましたが、今後対応プラットフォームが増える可能性はあるのでしょうか?
Joe氏:今の段階ではPS5、Xbox、Steamでのリリースを予定しておりますが、将来的には他のプラットフォームへの展開も検討していきます。
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