【特別企画】

【アストロシティミニ全タイトルレビュー】「タントアール」

誰でも気軽に遊べる、全16種類の楽しいミニゲームが満載!

導入年:1993年

基板:C2 Board

開発:セガ

 全16種類のミニゲームが遊べる、アーケード用としては珍しいパーティゲーム「タントアール」。各ミニゲームに設定されたノルマを達成すればクリアとなり、ノルマが未達成、またはゲームによっては誤答するたびにハート(ライフ)が減り、ハートのストックがゼロになるとゲームオーバーになる。2人同時プレイにも対応している。

 本作の醍醐味は、やはりバラエティに富んだミニゲームが遊べて、なおかつルールがシンプルでわかりやすく、短時間で終了するのでテンポよくゲームが進むところにある。ミニゲームの種類は、思考力を問うパズル系と、操作テクニックや反射神経が要求されるアクション系の2系統に大きく分けられる。

 パズル系のミニゲームは、人型のキャラクターを操作して迷路を脱出させる「迷い道クネクネ」のほか、ヒントを読んで正解の図形を探し当てる「スリーヒントパネルを探せ」、カエルを操作して一筆書きでマス目を埋める「一筆めくり巡り」、規定の場所に同じ色の宝石を並べる「ビリージュエル」などがある。

 アクション系では、高速で横切るキャラクターをカメラで撮影する「フォトショック」、ボタンを素早く連打して風船を割る「ケッコー毛だらけコケコッコー」、ストップウォッチを規定の範囲内でストップさせる「必殺!ハートウォッチャブル」などといったミニゲームが楽しめる。

【パズル系のミニゲームの例:「スリーヒントパネルを探せ」】
画面に表示された4種類のミニゲームのなかから、時計回りに回転するカーソルをボタンで止めて遊びたいものを選ぶ
ミニゲームを選択後、簡単なルール説明が表示される
画面下に表示されるヒントを読んで、制限時間内に正解の図形を当てるごとにノルマが1つずつ減っていく

【アクション系ミニゲームの例:「フォトショック」】
画面の右から左へ高速で横切る、動物や乗り物がファインダー内に収まった瞬間にボタンを押す。取り直しができない、一発勝負のミニゲームだ

 より先のステージへ進むためには、途中で失ったライフ(ハート)をいかに増やすかが当然ながら重要なポイントとなる。ライフを増やす方法は2種類あり、ひとつはステージクリア後(※規定回数のミニゲームをクリアし、ステージ内にいるギャングを全員倒す)に遊べるボーナスゲームで、一定数以上の風船を集めるとライフが1個増える。もうひとつは、ミニゲームを選ぶ際にハートマークが表示されたパネルを選ぶともらえる、ハートのかけらを3個集め、ライフ1個分を完成させる方法がある。

 ただし、ハートのかけらを取った場合は、直後にどのミニゲームが登場するのかがわからないため、もし苦手なミニゲームが出た場合は、逆にハートを減らしてしまうリスクを負うことになる。リスクとリターンを絶妙に組み合わせたこのアイデアが、本作をより面白くしていると言えるだろう。

【2種類のライフ回復方法】
回復方法その1:ボーナスゲームで、飛行機を操作して一定数以上の風船を回収する。ミサイルに当たると数秒間動けなくなってしまうのでご注意を
回復方法その2:ミニゲーム選択時に、ハートマークが表示されたものを選択するともらえる、ハートのかけらを3個集める
ハートのかけらを取った場合は、どのミニゲームが登場するのかがわからないのが怖いところ。ちなみに上の写真は、花束の隠されたシルクハットをシャッフル後に当てる「ハットしてフラワー」(シャッフルのスピードが速いので、かなり難しい!)

 ステージが進むにつれて、同じミニゲームでもノルマがどんどんアップしてクリアが難しくなるので、1コインでエンディングまで到達するのは非常に難しい。だが、どのミニゲームもとても面白く、前述したように短時間で終了するので、筆者としてはムキになってエンディングを目指すよりも、むしろスマホや携帯のカジュアルゲームと同様に、ちょっとした空き時間を利用した気分転換を目的に、自分の好きなミニゲームばかりを選んで遊ぶことをおすすめしたい。

 幸い、アストロシティミニの本体はとてもコンパクトな手のひらサイズだ。日々使用する勉強・作業デスクやリビングなどに本機を飾っておいて、気が向いたときにサッと取り出し、本作を遊ぶといいだろう。