【特別企画】
【アストロシティミニ全タイトルレビュー】「ワンダーボーイIII モンスターレアー」
ジャンプアクションと、横スクロールシューティングを融合した異色の移植作
2020年12月2日 00:00
「ワンダーボーイ」シリーズの第3弾にあたる作品「ワンダーボーイIII モンスターレアー」。8方向のレバーとショット、ジャンプボタンで主人公を操作し、敵を倒していく横スクロールアクションゲームで、各ステージの最後に出現するボスを倒すとステージクリアとなる。全14ステージで、2人同時プレイも可能。対ボス戦では、主人公がミニドラゴンの背中に乗り、空中を自由に移動できるシューティングゲームへとルールが変わるのが特徴だ。
主人公は、ショットボタンを押すと剣を振りながらショットを発射する。特定の敵に触れたり、画面外に落下した場合はミスとなり、敵弾などに当たってライフが減った際に、ライフの残量がゼロになった場合もミスになる。ライフは初代「ワンダーボーイ」と同様に、各ステージのいたる所に出現するフードを取れば回復することができる。さらに本作では、過去のシリーズとは異なり強制スクロール方式となったこともあり、主人公が地形のスクロールに巻き込まれる形で、画面外(左端)にはみ出た場合もミスになってしまう。
特定の敵編隊を全滅させるか、または特定の敵を倒すとカプセルが出現し、これを取ることで6種類の武器が装備され、主人公がパワーアップする。どの武器も強力で、主人公の周囲にいるザコ敵を一掃できてしまうのが実に気持ちいい。しかも本作には連射ボタンが搭載されているので、特にボス戦では非常に戦いやすくなっているのもうれしい。
武器はカプセルを回収してから10秒ほどで効果が消滅して初期状態に戻ってしまうが、本作ではカプセルを持つ敵が頻繁に出現するので、特定の武器にだけ頼らずに、出てきたカプセルはどんどん取るといいだろう。また、同じ武器を続けて取った場合は、使用時間が取った分だけプラスされることも覚えておきたい。ただし、どの武器が出現するかは毎回ランダムで変化するので、いつも同じパターンで攻略できるとは限らないところに、本作ならでの難しさがある。
また、カプセルは取らずに放置していると約5秒後に消滅してしまうので、発見したら急いで回収する必要がある。さらに対ボス戦では、戦っている最中に武器を持った敵が出現せず、ミスした後のリスタート時の無敵時間が短いこともあり、パワーアップの時間が切れてしまうと、序盤のステージでも慣れないうちはかなり苦労するというのが率直な印象だ。
中盤以降のステージでは、背後(画面左側)から連続して敵が出現したり、狭い足場を連続ジャンプで飛び移る場面も登場する。なかには普通にジャンプしただけでは届かない、高い段差が出現することもある。高い段差のある場所は、主人公がジャンプしていったんガケにつかまってから、スクロールによって画面外にはみ出す前にボタンを連打して、高い所によじ登れば先へ進むことができる。このガケつかまりのアクションは、ほかの狭い足場で着地に失敗した場合にも発生するので、スクロールによって画面外に押し出されるかどうかの瀬戸際でボタンを連打するスリルを楽しめるのも、本作ならではの面白さだ。
初見では触れると一発でミスになるのか、それともダメージを受けるだけなのか、敵によってどういうタイプなのかが見分けがつかないこともあり、難易度は高めと言える。それでも腕に自信のある人は、ただ敵を倒すだけでなく、初代「ワンダーボーイ」と同様にフードを取るパターンも作りながらプレイしていただきたい。フードも数秒間で消滅し、場所によってはジャンプの軌道が少しズレただけで取れなくなったり、画面外に落ちてミスになる位置に出現することもあり、すべてのフードを取るパターンを作るのは見た目以上に難しい。また、ショットを数発当てると破裂して、中から4個のフードが飛び出すフードは、破裂前に取るよりも破裂後に取るほうが得点もライフも稼げることも併せて覚えておきたい。
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