【特別企画】
【アストロシティミニ全タイトルレビュー】「スタックコラムス」
23年ぶりの移植が実現した、1対1での対戦形式に特化した落ちモノパズルゲーム
2020年12月17日 00:00
アーケード版「コラムス」シリーズの第3弾にあたる落ち物パズルゲーム「スタックコラムス」。家庭用への移植は、1997年にセガサターン用ソフトとして発売された「SEGA AGES コラムス アーケードコレクション」に収録されて以来、今回が2度目となる。
ゲームモードは、CPUキャラとトーナメント方式で対戦する1人用と、2人対戦プレイの2種類が楽しめる。同じ形の宝石をタテ、ヨコ、ナナメのいずれかに3個以上並べて消す基本ルールは歴代の「コラムス」シリーズとまったく同じで、先に宝石が画面外まで詰み上がったプレーヤーが負けとなるルールも、これまた「コラムスII」の対戦コラムスモードと同じだ。
ほかのシリーズ作品にはない、本作ならではの特徴は、スタックチップと呼ぶシステムを利用した攻防の面白さにある。スタックチップは、一定数の宝石を消すごとに手に入り、最高5枚までスタック、すなわち積み重ねて保持することが可能で、スタックチップを持っているときに攻撃をボタンを押すと、いつでも好きなタイミングで相手側のフィールドを底上げする形で攻撃できる。底上げされるライン数は、消費したチップの数が多いほどアップする。
連鎖を完成させ、一度に多くの宝石を消すと、まとめて多くのスタックチップが手に入り、なおかつ相手側が持ってていたスタックチップを減らせるメリットもある。逆に相手の攻撃を受けた場合は、当然ながらプレーヤーが保持していたスタックチップを消されてしまう。スタックチップを手に入れたら即攻撃するのか、あるいはキープするのか? その使いどころを考えながらプレイするのが楽しい。
ご参考までに、宝石を消した際にスタックチップが増える数の計算方法を簡単にご紹介する。まず連鎖をまったく組まなかった場合は、宝石を10個消すごとに1枚手に入る。宝石が3個ずつ消える1連鎖を組むと、消した宝石6個に加えて4ポイント分のボーナスが付いて6+4=10となり、スタックチップが即1枚手に入る。2連鎖の場合は9個の宝石プラス12ポイントのボーナスが加算されて9+12=21となり、スタックチップが最低でも即2枚もらえる、といった具合だ。
また、ゲーム開始から30秒が経過すると、上記のスタックチップ獲得の計算結果に、さらに1.5倍の倍率が掛かり、よりスタックチップがたまりやすくなる。以下、1分経過後は2倍、1分30秒後は2.5倍、2分後は3倍、2分30秒後は3.5倍、3分以降は4倍の倍率が掛かり、長期戦になるほど激しい撃ち合いが展開されることになる。
「コラムス」シリーズはおなじみの、ピンチ脱出の際に文字どおり重宝する魔法石は本作にももちろん登場する。本作では、画面内にある同じ種類の宝石をすべて消し去る、従来どおりの効果を持つ魔法石に加え、相手のフィールドを2ライン底上げする効果を持つタイプと、プレーヤー自身のフィールドを3ライン押し下げるタイプの魔法石が3個くっ付いた状態で出現し、ボタンで使用する魔法石を自由に選ぶことができる。攻めるのか、それとも守るのか。あるいは大連鎖を作ってスタックチップの獲得を狙うのか? これらの魔法石の使い分けも、勝敗を分ける重要なポイントとなる。
ありがたいことに、アストロシティミニには「コラムス」と「コラムスII」も収録されているので、本シリーズのプレイ経験がない人は、まずは初代「コラムス」で練習してから本作にチャレンジするといい。2人対戦プレイをやり込むのであれば、本作とはルールが異なる「コラムスII」の「対戦コラムス」と並行して遊ぶことで、楽しさがさらに増すことだろう。ほかのシリーズ作品とはまったく違う、ジャズ調のBGM(※2人対戦プレイ時は、初代「コラムス」のアレジ曲が流れる)もじっくりと堪能していただきたい。
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