【特別企画】

【アストロシティミニ全タイトルレビュー】「イチダントアール」

全20種類のユニークなミニゲームが遊べるパーティゲームが、前作「タントアール」とセットで復活!

導入年:1994年

基板:C2 Board

開発:セガ

 その名のとおり、さまざまなミニゲームが遊べるパーティゲームで、同じくアストロシティミニに収録された「タントアール」の続編にあたる作品「イチダントアール」。前作と同様に、レバーとボタン1個だけで簡単に操作できるパズルやアクションゲームが遊べるのが特徴で、収録されたミニゲームは全部で20種類ある。規定のノルマを達成すればクリアとなり、ノルマ未達成または誤答をするたびにライフ(ハード)が減り、ハートがゼロになるとゲームオーバーになるルールも、前作とまったく同じだ。

 パズルやアクション、あるいは記憶力が問われる、ユニークなミニゲームが本作も目白押し。パズル系には、欠けているパーツを探してはめ込む「くっつきロケット」をはじめ、ワープゾーン同士でつながった迷路を脱出する「移るんです」などのミニゲームがある。アクション系では、レバーを連続で回転させて鉛筆を削る「一番削り」のほか、画面に表示されたとおりのコマンドを入力する「ベートー弁当うー運命」、逃げ回るUFOにショットを命中させる「デートなUFO」などがある。

 また今作では、網の上で焼かれた手焼き煎餅のなかから同じ種類のペアを探し出す「センベエ焼くべえ」、バウンドする団子を順番に串に刺す「だんだ団子」、表示されたヒントを元に浪人が入り込んだ場所を当てる「銭形 Hey judo」といった、和風の世界観を取り入れたミニゲームが楽しめるのも特徴のひとつと言えるだろう。

前作と同様に、回転するカーソルをボタンで止めて遊びたいミニゲームを選ぶ
上の写真は、4人のなかから最も多くのボールを打ち返したバッターを当てる、瞬間記憶力が問われる「フリフリ天国」というミニゲーム
こちらはパズル系ミニゲームの一種、色と形をよく見て、正しいパーツを選んでロケットを完成させる「くっつきロケット」

 ライフを回復させる方法も前作と同じで、ステージクリア後に遊べるボーナスゲームで一定のノルマを達成することと、ハートマークが表示されたミニゲームを選ぶ方法の2種類あるが、内容が若干変わっている。ボーナスゲームは、前作では飛行機を操作して一定数以上の風船を取ることがライフ回復の条件だったが、本作では馬にまたがった主人公を操作してドル袋を集めるジャンプアクションゲームに変更されている。

 また、前作ではハートマークのミニゲームを選択すると、3個集めるとライフが回復するハートのかけらが獲得できるルールだったが、本作では1回選択しただけで即ライフが増えるようになった。ただし、この方法でライフを回復させた場合は、その直後にどのミニゲームが登場するのかがわからず、運が悪いと苦手なゲームをプレイせざるを得なくなるリスクを負うことに変わりはない。

【ライフの回復方法】
ボーナスゲームでは、ジャンプしながらドル袋を一定の数以上取るとライフが1個増える。ときどき出現するバブルに触れると、主人公が一定時間動けなくなってしまう
ハートマークのミニゲームを選択してライフを回復させることも可能だが、もし自分の苦手なゲームが出現すると逆に苦労することになる(※写真は同じ動き方をするサルのペアを、トランプの神経衰弱の要領で消していく「ロイヤル猿~ん」)

 規定回数分のミニゲームをクリアし、行く手を阻む敵のギャングをすべて倒すとステージクリアとなり、ステージが進むごとに難易度が上がるシステムも前作とまったく同じで、1コインクリアを達成するのが非常に難しいのも、これまた前作と同様だ。もし本気で1コインクリアを目指すのであれば、まずは2人同時プレイで始めることをおすすめする。2人プレイ時は、ゲームによってはどちらか1人が正解、またはノルマを達成すれば2人ともクリアしたことになるので、より攻略がしやすくなるからだ。

 とはいえ、本作を楽しむにあたっては、ストイックに攻略パターンを作る必要はまったくない。どのミニゲームを選んでも、ルールがシンプルなので短時間で勝敗がつき、誰でも気軽に遊べるのが本作の一番の良さであるからだ。「タントアール」ともども、仕事や勉強の合い間に、あるいはほかの収録タイトルに夢中になるあまり、遊び疲れた際の気分転換にプレイするといいだろう。