【特集】
ついにきた! 海外版もまとめて開けちゃう「PCエンジン mini」開封レポート!
今回も全タイトルレビュー掲載します!
2020年3月12日 00:00
- 3月19日発売予定
- 価格:10,500円(税別)
1987年に発売された8ビット機、PCエンジンのミニモデル「PCエンジン mini」がいよいよ3月19日にコナミデジタルエンタテインメントより発売される。
これまでのミニモデルと同様、ミニチュア感のある小型の本体に合計58本(海外版は57本)のゲームタイトルが収録され、テレビやモニタなどに繋いでお手軽にプレイできる作りは先行した他社のミニモデルと同様だ。
さて、今回日本国内向けには「PCエンジン mini」、北米向けには「TurboGrafx-16 mini」、欧州向けに「PC Engine Core Grafx mini」がそれぞれリリースされる。「PCエンジン mini」には限定タイトルとして「ときめきメモリアル」と「天外魔境II 卍MARU」の2本が収録されるが、一方で「TurboGrafx-16 mini」と「PC Engine Core Grafx mini」には入っている「沙羅曼蛇」が収録されない。逆に海外版には「沙羅曼蛇」が入っている代わりに「ときめきメモリアル」と「天外魔境II 卍MARU」が入っていないということで、タイトルに関しては2:1のトレードのような形になっていて、これが収録タイトル数の58本と57本の違いとなっている。
また、付属するコントローラは「PCエンジン mini」のみ初代PCエンジンに同梱されていた、連射機能のない「ピーシーエンジン専用パッド」をベースとしたものとなる。一方海外版の付属パッドは連射機能付きの「ターボパッド」で、これはそれぞれの本体の発売当時に同梱されていたコントローラーがそのまま採用される形になっているからだ。
今回はコナミデジタルエンタテインメントより3製品をお借りすることができたので、本稿ではこれら3製品の外観の違いや、各種機能の特徴までを一挙にまとめてお伝えする。なお、特設ページにて告知されている通り、3種の本体及び周辺機器については新型コロナウイルス感染症の影響を受け発送・着荷のスケジュールに変更が出ている。購入の際はこちらの情報もご確認いただきたい。
様々なバリエーションのPCエンジンタイトルを網羅、厳選した58本が1台に凝縮
「PCエンジン mini」の最大の特徴はCD-ROM2用タイトルなど、"全バージョン"のPCエンジン向けタイトルを網羅した中で厳選されたタイトルが収録されていることと、海外向けタイトルも1台の中に同時に収録しているところだ。
全バージョン、という表現がわかりにくいので補足しておくと、PCエンジンは本体の種類が非常に多かったのだ。最初にリリースした「PCエンジン(以下、PCエンジンを省略)」以降も、拡張用バスを省略した廉価版「シャトル」、映像出力を変更した「コアグラフィックス」とそのモデルチェンジ版「コアグラフィックスII」、グラフィックスを強化した上位モデル「スーパーグラフィックス」、携帯用の「GT」、携帯用モデルに拡張バスを備えた「LT」と実に多くの本体をリリースしている。これらは全てHuカードと呼ばれるカード形状のソフトが利用可能だが、上位モデルの「スーパーグラフィックス」のみ専用タイトルが数本リリースされている。
そしてPCエンジンのもう1つの特徴が、発売から1年後の1988年にCD-ROMをメディアとして使う「CD-ROM2」を周辺機器として発売したことだ。また、その3年後にはバッファメモリの容量を増加させることでCD-ROMの読み込みの多さを軽減した「Super CD-ROM2」をリリース。後年はSuper CD-ROM2とPCエンジンが最初から一緒になった一体型本体として「Duo」や「Duo-R」、「Duo-RX」と廉価版を含めて3モデルをリリースしている。CD-ROM2タイトルについてはCD-ROM2用、Super CD-ROM2用タイトルのほか、Huカード部分にさらに大容量のバッファメモリを搭載した「アーケードカード」を挿す事でプレイできるアーケードカード専用タイトルもリリースされた。
今回のPCエンジン miniではこうしたハードの垣根を越えて、Huカードだけでなく、CD-ROM2やSuper CD-ROM2、さらにはスーパーグラフィックス専用タイトルやアーケードカード専用タイトルまで全てのタイトルを網羅した中から厳選された58本が収録されている点が驚きなのだ。
また、言語設定を変更しなくても手軽に北米版PCエンジン「TurboGrafx-16」収録タイトルが遊べるのもユニークなところだ。北米版のみ収録のタイトルもあるが、中には日本語版と北米版の両方が収録されているタイトルもあり、このようなタイトルでは言語の違いなども楽しめるようになっている。
開封の儀。同梱品は最小構成で、ACアダプタは別途必要
では早速「PCエンジン mini」を開封してみよう。同梱品としては、「PCエンジン mini」本体のほか、コントローラー、紙のマニュアル、給電用のmicroUSBケーブル、映像出力用のHDMIケーブルとなっており、海外版も同じ構成だ。PCエンジン自体がコンパクトな本体だった事もあり、ミニチュア感は感じにくいが、コントローラーやHuカードなどと並べてみると、確かにサイズが小さくなっている事が実感できる。
なお、付属するのはmicroUSBケーブルのみでACアダプタは付属しないため、別途用意する必要がある。
「PCエンジン mini」と「PC Engine Core Grafx mini」はカラーリングや外装デザインの違いはあるが、本体サイズは基本的に同じだ。どちらもオリジナルでは背面に拡張バスを備えていたが、ミニモデルでは拡張バスの代わりに電源供給のmicroUSB端子とHDMI映像出力を備える。
外観で最も衝撃だったのはやはり「TurboGrafx-16 mini」だ。そもそもオリジナルの「TurboGrafx-16」の現物を見たことがなかったので、今回初めてミニモデルで対面する事になったが、とにかくデカい。ミニモデルでこのサイズ感だと実物はどのくらいかと興味深い。機会があったら見てみたいところだ。
背面の部分が出っ張っているのも「TurboGrafx-16」の特徴で、ここに拡張バスを備えるが、「TurboGrafx-16 mini」では出っ張りの裏側に給電用のmicroUSB端子を備える。この内部のmicroUSBにケーブルを挿そうとすると、出っ張りの部分に手が当たってしまうため、若干ケーブルが差しにくい点はちょっと残念なポイントだ。
付属のコントローラーは3モデルともサイズは同一で、これはオリジナルのターボパッドやピーシーエンジン専用パッドとほぼ同サイズだと思われる。接続はいずれもUSBで本体と接続できる。
そして実は今回のミニモデルには1点、オリジナルからの重要な改良点がある。それは本体にコントローラーを2台接続できるようになっている点だ。オリジナルのPCエンジンではどのモデルもコントローラー用端子は1基のみで、2人以上のマルチプレイを行なうためには、別売の「ピーシーエンジン専用マルチタップ」が必須だったが、「PCエンジン mini」ではUSB入力を2基備えるので、2つのコントローラーを接続する事で、マルチタップがなくても2人までなら同時プレイが行なえるのだ。
豊富な画面カスタマイズ、スクリーン設定ではGTモードも再現可能!
電源スイッチはオリジナルと同じで、Huカードスロットの横にスイッチがある。本来はHuカードが正常に奥までしっかりささっていないと電源が入らないように、電源投入時はスイッチがHuカードスロット側に出っ張るようになっていたが、その動作も再現されている。
初回起動時のみ、言語メニューが表示され、言語を選択すると、軽快なテーマ曲とともにメインメニューが立ち上がる。「PCエンジン mini」と「PC Engine Core Grafx mini」ではPCエンジンのタイトル一覧が表示され、「TurboGrafx-16 mini」ではTurboGrafx-16のタイトル一覧が表示される。これらは画面下部の切り替えボタンで簡単に切り替えが可能だ。収録タイトル以外のメニューなどの動作は全モデル共通となっている。
メニューの操作はシンプルで、左右操作でタイトルを選択し、RUNボタン、またはIボタンでゲームを起動。画面下部には、設定ボタン、ソフトの並び順の変更ボタン、前述のPCエンジンとTurboGrafx-16の切り替えボタンが並ぶ。
設定メニューでは、オンラインマニュアルが参照できるほか、言語設定の変更、ゲーム画面のスクリーン設定や壁紙設定、メニュー画面のメインフレーム変更、スタッフクレジットや本体の初期化がある。
スクリーン設定では、画面比率4:3、画面比率4:3保持のまま拡大、ドットバイドット、フルスクリーン、PCエンジンGTモードが選択できるほか、RUNボタンを押すことで、ブラウン管の走査線を擬似的に表示させるCRTフィルターも備える。
壁紙はゲーム中のスクリーン余白の部分の壁紙で、4種類から選択できるほか、長時間放置しても液晶や有機ELディスプレイが焼き付きなどを起こさないようにする画面焼け軽減機能も備える。
メニュー画面のメインフレームは通常のPCエンジン、またはコアグラフィックスの2種類から選択可能なほか、背景にPCエンジンに手足を生やしたマスコットのようなキャラクターがうろうろと歩き回るアニメーションのオン/オフが選択可能だ。
なお、画面下部の「TurboGrafx-16」アイコンをクリックする事で、画面全体が1度電源がオフになるような演出が入り、その後TurboGrafx-16のメニューが開く。各種操作はPCエンジンと同じだが、こちらで選択できるタイトルは全て英語版となっている。言語設定を変更することなく簡単に切り替えて英語版が遊べるのはうれしいところ。
各タイトルを起動する際には、Huカードをスロットに挿入する演出が入り、その後、タイトルが起動するようになっている。また、CD-ROM2などの場合はそこからCDの回転音が鳴るようになっているなど、当時の雰囲気を醸し出す演出が多く用意されており、当時実機でプレイしていた人には懐かしく、未体験の人にとっても、こういうハードがあったのか、という新たな発見になると思う。
ゲーム中は、セレクトボタンとRUNボタンの同時押しで、「PCエンジン mini」の中断セーブ機能が開く。このコマンドはオリジナルのPCエンジンでは、リセットの機能として馴染みのあるコマンドなので、今でも実機でプレイしている人は、あまりこの操作に慣れすぎないように注意が必要だ。中断セーブでは全てのタイトルごとに4つのスロットが用意されているので、RPGだけでなくアクションゲームやシューティングゲームなどでも活用する事で高難易度のゲームであっても進めやすくなっている。
なお、弊誌では収録58タイトルのレビューを順次掲載していく事になっているので、こちらを参考に「PCエンジン mini」に収録された日本語版、英語版入り混じっての全58タイトルを隅々まで堪能してみてほしい。
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