【特集】
【PCエンジン mini全タイトルレビュー!】「ニュートピアII」/「NEUTOPIA II」
ファンタジー系アクションRPGの王道ともいえる作品がさらにボリュームアップ!
2020年3月17日 00:00
- 1991年9月27日 発売
1991年にハドソンから発売された「ニュートピアII」(海外版は「NEUTOPIA II」)は、1989年に発売された「ニュートピア」の続編となるトップビュータイプのアクションRPGだ。本作では主人公をリアルタイムに操作しつつ剣と魔法を駆使して敵と戦い、重要アイテムを探し、迷宮のボスを倒して謎を解いていく。
アクションRPGは、雑魚を倒すことで経験値が貯まりレベルアップして強くなる「イース」のようなタイプと、雑魚をいくら倒しても主人公がレベルアップするわけではない「ゼルダの伝説」のようなタイプに大別できるが、「ニュートピア」シリーズは後者のタイプだ。このタイプはプレイを続けるうちにプレーヤーの腕が上がり、敵の移動パターンや攻撃パターンを覚えていき、苦労した敵も楽に倒せるようになるのが楽しい。そういった意味では「ニュートピアII」はまさに王道のアクションRPGであり、アクション要素とRPG要素、謎解き要素がうまく組み合わさったゲームとなっている。
前作の「ニュートピア」で勇者「フレイ」は悪魔「ラファエル」を倒してニュートピアの地に平和をもたらしたのだが、今から1年前に突如迷宮が現れ、再び魔物が地上を徘徊するようになった。フレイは事態の真相を探るべく再び旅立っていったが、その後、1年間フレイからの連絡がくることはなかった。「ニュートピアII」の主人公はフレイの息子であり、失踪した父親を探す冒険の旅に出る……と、「ニュートピアII」は前作「ニュートピア」とストーリーも繋がっている。また、冒険の途中で助けることになる「ターナ」は「ニュートピア」でヒロインだったララン姫の娘だ。PCエンジン miniには「ニュートピア」も収録されているので、こちらをプレイしておくと、「ニュートピアII」をより楽しめるだろう。
「ニュートピアII」の基本的なゲームの流れは、まず街や隠された部屋の中の人の話を聞いて情報を集め、攻略に必要なアイテムを入手して迷宮に挑戦し、ボスを倒して新たな世界へ進むというもの。ちなみに「ニュートピア」は3MbitのHuCARDで提供されていたが、「ニュートピアII」は容量が2倍の6Mbitに増えている。これによって迷宮のボスが話しかけてくるようになったり、迷宮の中の仕掛けの種類が増えている。さらに迷宮は2層構造のものがあったりとより広くなっているほか、フィールド上でも岩を動かしたり、木を燃やしたりすることで隠されていた階段が出てくるといった沢山のギミックが仕込まれている。
迷宮内に剣や盾、鎧などが隠されていることや、迷宮を2つクリアするごとに新しい世界に行けるということも「ニュートピア」から引き継がれた要素だが、「ニュートピアII」では、フィールドや迷宮に出てくる雑魚敵がより多彩で強くなっており、攻略難度も増している。ただ、「ニュートピア」ではどの雑魚敵を倒しても一定確率ですべてのドロップアイテムが出現していたのだが、「ニュートピアII」では敵によって落とすアイテムが異なるので、「ライフを回復させたいときはこの敵を倒せばいい」というように、アイテムを狙って出せるようになった。
さらに「ニュートピアII」では新たな要素として、サブ武器として使える「ブーメラン」と「フレイル」が追加されている。特にブーメランはお店で買える強力な武器なのだが、投げて戻ってくるときにキャッチする必要があり、取り損ねるとなんとそのまま消えてしまうという厳しい仕様。便利なだけに、迷宮内などで取り損ねてロストしてしまうと辛い。
また、「ニュートピア」で便利だった火の玉や炎を出せる魔法の杖も、「ニュートピアII」では新たに風の杖と雷の杖が追加され、3種類に増えている。敵によって弱点となる属性が異なるので、敵に応じて杖を使い分けることが重要だ。風の杖や雷の杖も、炎の杖と同じく、主人公の残りライフに応じて挙動が変わる。
「ニュートピアII」は「ニュートピア」の正統進化系といえるゲームであり、ボリュームと難易度がアップしているのでより長く楽しくプレイできる。「ニュートピア」をやって気に入った人はもちろん、トップビュータイプのアクションRPGが好きな人にはおすすめだ。
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