【特集】
【PCエンジン mini全タイトルレビュー!】「ボンバーマン ぱにっくボンバー」
ボンバーマンらしくボムを活かしたアーケード移植の落ち物パズル
2020年3月19日 00:00
- 1994年12年22日 発売
1994年発売の落ち物パズルゲーム「ボンバーマン ぱにっくボンバー」。SNKのMVS(NEOGEOのアーケード版)で登場し、家庭用ゲーム機向けで最初にリリースされたのが本作、PCエンジン版となる。
この時期は「テトリス」と「ぷよぷよ」のヒットの影響もあってか、各社から何かと落ち物パズルが発売されまくっていた。そのため、落ち物パズルの飽和状態だったこともあり、筆者自身本作については未プレイだった。
ところが、今回改めてプレイしてみたところ、これがかなり面白い。「ボンバーマン」ベースということでボムを活用したり、他の落ち物パズルとは異なる要素もあって奥も深い。
シンプルながらも奥深いルール
ルールはシンプルで、上から落ちてくるL字型に並んだカラフルなボンバーマンの顔型ブロックを地面に落とし、同じ色で縦、横、斜めに並べる事で消していくパズルだ。色は白、黒、赤、青、緑などが用意され、連鎖を組むことも可能だ。
消し終わると、連鎖の数に応じて相手に対して「コゲポン」を送る事ができるのだ。コゲポンはボムとは異なるため、自身が爆発することはないが、前述の爆風で消すことができる。一方で自身が爆破するわけではないため、大量に出てこられると消すのにも一苦労する。同時にこちらの地面からは黒いボムがせり上がってくる。
黒いボムはそのままでは消すことができず、ブロックの代わりにたまに落ちてくる火のついた赤いボムの爆風を当てる事で誘爆させることができる。赤いボムの爆風は最初のうちは弱いが、ブロックをどんどん消すにつれて強化される。
最初のうちは自分のブロックを自分で消したのになぜボムがせり上がってくるのかが理解できなかった。ブロックを置くエリアが狭くなるため、プレイしにくくなると感じたからだ。相手にコゲポンが飛ぶのは理解できるが、なんでこんな作りなんだろうと、悩んだ。
ところが、本作の本気の展開を知るのはこの後だった。前述のようにせり上がってきたボムを誘爆で爆破させると、一気にド派手な爆発とともにこちらのエリアがスッキリし、さらにこの場合でも爆発したボムの数に応じてコゲポンが相手に送られるのだ。従来の連鎖に加えてボムによる誘爆攻撃。これこそが「ぱにっくボンバー」の醍醐味だったのだ。
ボンバーマンの顔ブロックを消していくと、ボムの火力強化以外にも「でかバクメーター」が溜まり、満タンになると「でかバク」が落ちてくる。でかバクはボムだけでなく、ボンバーマンの顔ブロックも同時に破壊することができるので、これによりさらに相手に大量のコゲボンを送れる。
また、連鎖についても5連鎖以降は下からせり上がってくるボムに最初から火が点いていて、いきなり爆発するのだ。さらには6連鎖以上の連鎖が成功すると、ロケットが飛ぶなどの各種演出が再生されるのも面白い。
一方で本作の連鎖の感覚を掴むのに苦労しているのが現状だ。というのも「ぷよぷよ」脳でずっと生きてきたので、どうしても3つ並んでいない状態であっても、となりあったボンバーマンの顔ブロックは一緒に消えてくれると勘違いしてしまうのだ。また斜め消しがあるために、縦横を想定して連鎖を組もうとして、斜め消しで予定していたブロックが消えてしまうというのもあった。またボムを利用した誘爆攻撃は、起爆の部分が足りなくて失敗してしまう事が多々あった。
本作には1人でプレイする「STORYモード」の他、ボンバーマンと同様に、最大5人対戦が可能な「みんなでボバる!」、他にもチュートリアル的要素も持ちつつ、色んなお題をクリアして楽しむ「ボバる寺への道」も用意する。なお、5人同時対戦の「みんなでボバる!」については、マルチタップを認識しないとメニューすら開かないため、今回は確認できなかったが、5人プレイ時にどのようなルールになっているのか、実際に遊ぶときに確認したい。
1人でプレイしていても要領を得なかったので、うまい人のプレイ動画も何度か見てみたが、2~3連鎖を早い段階でガンガンキメている印象が強い。しかもそれを速攻でやるので、コンピュータは攻撃の準備が終わる前に上に積みあがって終わってしまうのだ。ところがこれを同じように真似してやってみても、速く落とすのはできてもその後の連鎖がなかなかキマらないのだ。まだまだ修行が必要だ……。
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